「新鮮な鶏肉だからレアでも大丈夫」と言う飲食店は信用するな。

いよいよこどもたちは夏休み。家族で釣りやバーベキューなど予定を立てている方は多いでしょう。そんな時に気をつけたいのが食中毒です。7月17日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、タレントの福田ちづるさんが、食中毒のエピソードを語りました。聞き手はつボイノリオと小高直子アナウンサーです。
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ひと口に食中毒と言っても、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、セレウス菌、ノロウィルス、フグ、キノコ、アニサキスなど、原因はたくさんあります。
つボイは、みんなが食中毒を起こした中、ひとりだけなんともなかったという体験があるそうです。
福田「あるんです。同じものを食べていても個体差、個人差があって、ご高齢の方、小さいお子さん、免疫が落ちている方、そういうことによって出る方も、出ない方もあります」
ちなみに福田さんはつボイとは逆に「高級な焼き鳥屋さんに行って、私だけあたった」という経験があるそうです。
食中毒はよくある
福田「私は35年ほど前からグルメリポーターをしています。結果、いつ何を食べたかというのが追えないです。
よくニュースである集団食中毒は、ある仕出し屋さんで出したお弁当を食べた何十人の方が具合悪くなって、追っかけて行ったらどうやらそれ、とわかるだけで、ほとんどはどこでどうなっているかわかりません」
小高「仕出しとか、給食など団体で食べたものしかなかなかわからないですね」
福田「ちょっといい仕出し屋さんでも、なんともない人もいれば、えらいことになった人もいて、それを追いきれないこともあります」
ギランバレー症候群の発症も
特に厚生労働省が注意を呼び掛けているのがカンピロバクター。
鶏の腸の中とか生殖器などにあるものです。よく飲食店で「朝びきの新鮮な鶏を炭でささっと焼いて、ちょっとレアで食べるのがうまい」と宣伝しています。
しかし、カンピロバクターは新鮮な肉ほど生きています。福田さんは「個人的な意見」とし「『新鮮だから大丈夫』と書いてある焼き鳥屋さんはダメと思ってください」と警告します。
前述したように、福田さんは焼き鳥店であたっています。
福田「カンピロバクターは、2、3日潜伏期間があって激しい下痢、腹痛、発熱が40度近いときもあります。ものすごいつらかったです。病院に行けないくらいつらかったけど、『這ってでも来い』と言われ病院に行った」
自然に治る場合もありますが、カンピロバクターの恐ろしさはまれにギランバレー症候群を発症すること。
「新鮮な鶏肉はしっかり調理しないと危ない、と覚えておいてください」と、強調します。
怖い顎口虫症
福田さんがもうひとつ注意すべきとするのは川魚です。
ある時、首におできができた福田さん。皮膚科に行ったが特に何もないとのこと。
しかし1ヶ月経っても治らないため、手術で切除しました。
その後病理検査に出したところ、医師から「あなた、何食べた?」と聞かれたそうです。
おできを切ったと中にポツンと黒いものが。それはなんと寄生虫でした。
原因は10年前に食べた川魚だったのです。
しっかり加熱しないで食べた場合、注意したいのが顎口虫という寄生虫。
体内に入った幼虫は胃から腸へ、腸から血液へ行って、皮下組織を移動して、血管の中をおよそ10年かけて回ります。
成虫となると体表の柔らかいところから出てくるそうですが、眼球に侵入することもあり、それにより失明する人も多いとのこと。
淡水魚は加熱して
福田さんが顎口虫症との診断を受けるまでに半年かかっています。
その理由は、戦後日本の街がきれいになるに伴い、寄生虫に詳しいドクターが減ったからだそうです。
とにかく予防方法は、淡水魚を十分に加熱して食べること以外にありません。
ちなみに冷凍によっても寄生虫は殺すことができます。
実はまだ福田さんの体内に寄生虫がいる可能性はゼロではなく、しかも調べようもないそうです。
「とにかく気をつけて欲しいのは、生食は気をつける。菌をつけない。増やさない。やっつける」と強調します。
これらを守り、「健康で楽しく、おいしく夏は過ごしてください」と続ける福田さん。
鶏肉は洗わない!
小高「きれいに処理してやっているところもあるけど、それを考えないでやっているところは気を付けなければいけないということですね」
カンピロバクターについて注意すべきは、家庭における鶏肉の調理。肉を水で洗ってはいけないとのことです。
洗浄した水がキッチンのいろんなところに飛び散り、菌が付着することもあります。
鶏肉の汚れをとる時は水で洗わず、キッチンペーパーでふき取ることが重要です。
さらに鶏肉の調理はしっかり中まで火が通すこと。調理後がまな板と手をしっかり洗うこと。
これから釣りやバーベキューなど、野外で調理する機会が増えます。そんな時、くれぐれも「生」「レア」の状態で食べないよう気を付けたいもの。
話を聞いていたつボイは「なんにしても“生”は気をつけないかんということですね」と締めました。
(みず)
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