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群馬県の“廃道”と火薬製作所跡を調査!軍用道路の未成廃道が残す歴史の足跡とは?

群馬県の“廃道”と火薬製作所跡を調査!軍用道路の未成廃道が残す歴史の足跡とは?
CBCテレビ『道との遭遇』

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、群馬県にある“廃道”を巡りました。 ※廃道は危険ですので、むやみに立ち入らないでください。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)

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【動画】山の斜面に“13箇所の横穴”があった!?軍用道路の先に眠る火薬製造所の痕跡はこちら【9分38秒~】

終戦で未成道のまま廃道に… 整備されるはずだった軍用道路

CBCテレビ『道との遭遇』

「島根にあった部隊が、昭和16年に沼田に移動してきた。軍用道路が整備され、軍用道路が目指した地下工場の名残もあるらしい」と道マニア。

群馬県沼田市周辺にはかつて、軍用機の製造工場や滑走路、火薬製造工場など、数多くの軍事施設が存在し、それらにアクセスするための軍用道路もありました。

戦時中に軍用道路として整備されたルートは、今もなお現役で使われている区間もありますが、今は使われずに山奥で眠っている廃道区間が、沼田市の西に位置するみなかみ町にあります。

道マニアは、「群馬県の高崎市岩鼻(いわはな)にあった『岩鼻火薬製造所』が、戦争末期になって移転の計画があがり、その工事に合わせて軍用道路も整備された」と言います。

CBCテレビ『道との遭遇』

明治15年に操業を開始し、明治38年に日本初のダイナマイト製造工場が完成した岩鼻火薬製造所。敷地面積はなんと32万坪、従業員は4000人にのぼる、当時としては大規模な火薬製造所でした。

その岩鼻火薬製造所が第二次世界大戦末期、空襲の被害を避けるため、防空仕様の地下工場を新たに沼田市上川田(かみかわだ)に建設し、移転する計画が立てられました。

現在町道になっている道も、元々は火薬製造工場へアクセスするための軍用道路として整備されたと言います。

CBCテレビ『道との遭遇』

しかし、昭和19年に工事を開始するも、昭和20年8月の終戦により工事は中止。完成には至らなかった未完成の軍用道路は廃道に。その痕跡が、利根川に架かる「月夜野大橋」の近くの急崖に今も残っています。

CBCテレビ『道との遭遇』

入口は土砂で埋もれていますが、中には広い空間が。「地図に載ることもなく、使われた記録もない隧道。意外と幅も広くて地面も平らで、車1台通れそうなゆとりがある」と道マニアは言います。

さらに、隧道を抜けた先には未完成の切り通しも。道は終戦とともに、未成のまま廃道となりました。

山の斜面に掘られた横穴 火薬製造工場の痕跡

CBCテレビ『道との遭遇』

「岩鼻にあった火薬製造所を空襲に脅かされない、完全防空の地下工場に移設するということになった。利根川べりの右岸段丘崖に12箇所横穴が開いている、と沼田市史に書いてある」と道マニア。

沼田市上川田町の利根川右岸には、火薬製造工場が移設されるはずだった横穴が山の斜面に今も残っています。草木に隠れ、水没していますが、奥行きがかなりあります。

地元の方によると、横穴は12箇所ではなく13箇所あり、進むと左右にのびる通路に繋がっていたそう。さらに、いくつかの横穴は2階建ての構造になっており、上下も行き来できたのだと言います。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年7月1日(火)午後11時56分放送より

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