身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。ドクターは、医療法人社団徳寿会相模原中央病院外科・総合診療科医学博士島田長人先生です。今回のテーマは『〜“いつものこと”と放置はダメ〜経験者に学ぶ!危険な腹痛の見分け方』日常生活で誰もが経験したことのある症状「腹痛」。放っておくと治まることも多いので、いつものことと放置してしまいがちですが、腹痛には意外な病気が隠れている場合もあるといいます。早期に対処するには、それが危険な腹痛かどうかをしっかり見極めることが大切なのだとか。そこで今回は、危険な腹痛を見極めるポイントなどを専門医に教えてもらいました。腹痛は病気?CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』腹痛は、病名ではなく胃・腸・胆のう・腎臓・卵巣などが原因で起こる「お腹の痛みの総称」。腹痛の代表的な原因には便秘や軽い胃腸炎・月経痛などがありますが、命に関わる大きな疾患が隠れている場合もあるため注意が必要だそうです。キケンな腹痛ケース(1)激しい痛み「急性虫垂炎」<急性虫垂炎について>急性虫垂炎とは、大腸の端にある「虫垂」という臓器に閉塞や細菌感染が起き、炎症や膿がたまってしまう病気。俗に「盲腸」と呼ばれます。重症化すると穿孔し(穴があく)、腹膜炎や敗血症などを引き起こして命に関わる可能性もあるそうです。<キケンな腹痛を見極めるポイント「変化する痛み」>お腹の痛みには大きく分けて2種類の痛みがあります。1つは、「内臓痛」という鈍い痛み。内臓の刺激で起こるぼんやりとした痛みで、部位がはっきりせず原因を特定しにくいのが特徴。食べ過ぎやストレス、自律神経の乱れによる一時的な胃もたれや腹痛は、内臓痛に該当します。そして、もう1つは「体性痛」という鋭い痛み。臓器の外側にある腹膜や筋肉などの刺激で起こるはっきりした痛みで、ピンポイントで場所が分かり痛む部位を特定しやすいのが特徴です。先生によると、危険なのは「体性痛」。多くの腹痛は鈍い痛みで治まりますが、鋭い痛みに変化する場合は危険な腹痛の可能性があるそうです。<キケンな腹痛を見極めるポイント「移動する痛み」>急性虫垂炎の場合、最初は胃のあたりやおへそ周りが痛みますが、病状が進行すると虫垂のある右下腹部が痛くなるそうです。痛みの症状や痛む部位が変化するのは、病状が進行しているサイン。炎症がひどくなることで痛みが移動したように感じるのだとか。腎臓でできた結石が尿管に詰まる「尿管結石」なども、移動する痛みが起こる代表的な病気。石の位置が変わると痛む場所も変化するそうです。<キケンな腹痛を見極めるポイント「動きに伴う鋭い痛み」>腹膜は痛みを感じる能力がとても高いため、炎症が進むと歩いたり咳をしたりするだけで鋭い痛みが起こるそうです。痛み方は個人差があり、その表現は人によってさまざまだからこそ、ポイントを押さえて見極めることが重要だそうです。キケンな腹痛ケース(2)「虚血性大腸炎」<虚血性大腸炎について>虚血性大腸炎とは、大腸の血流が一時的に低下し、炎症や潰瘍(かいよう)が起こる病気。重症化すると腸の壊死や、穴が開くなど緊急手術が必要になる場合もあるそうです。<キケンな腹痛を見極めるポイント「+α症状」>先生によると、腹痛と同時に下痢や血便など別の症状が起こることを医学的に「随伴症状」と言い、病気の診断や重症度を含めて大事な情報になるそうです。+α症状(随伴症状)には、吐き気・嘔吐、食欲不振、排便習慣の変化(下痢・便秘)、血便・黒色便、発熱、悪寒・戦慄などがあります。医師に伝える際には、痛み方や+α症状に加えて痛む部位や長さなども伝えられると、より早く原因を解明することができるそうです。覚えておくと良い!キケンな腹痛の方程式・腹痛+下痢+嘔吐=感染性腸炎・腹痛+便秘+嘔吐=腸閉塞・みぞおちの痛み+吐血・黒色便=胃・十二指腸潰瘍便の色も重要なポイント!色で分かる腹痛の原因CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』便の色も危険な腹痛を見極める際の重要なポイントとなるそうです。<便の色による疾患の違い>・鮮血便痔や直腸からの出血の可能性・暗赤色便大腸の奥や小腸からの出血の可能性・黒色便胃・十二指腸からの出血の可能性腹痛の場所をチェック!痛む場所から考えられる疾患<(1)心窩部(みぞおち周辺)の痛み>食道炎、胃・十二指腸潰瘍、すい炎、虫垂炎(初期)など<(2)右季肋部(右上腹部)の痛みから考えられる疾患>胆石症、胆のう炎、胆管炎、肝炎など<(3)左季肋部(左上腹部)の痛み>すい炎、食道破裂、胃潰瘍、大腸炎など<(4)右下腹部の痛み>虫垂炎、大腸憩室(けいしつ)炎、大腸炎、炎症性腸疾患など<(5)左下腹部の痛み>大腸炎、便秘、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群など<(6)臍(へそ)周囲の痛み>腸閉塞、虫垂炎(初期)、すい炎、大動脈瘤破裂など<(7)下腹部の痛み>大腸憩室炎、尿路結石、膀胱炎、骨盤腹膜炎などキケンな腹痛ケース(3)命に関わる「心筋梗塞」<腹部以外の場所に原因が「関連痛による腹痛」>腹痛には、内臓痛・体性痛の他に、「関連痛(放散痛)」があるそうです。関連痛とは、痛みの原因がある場所とは別の部位に痛みや不快感を感じる現象のこと。通常、心筋梗塞で心臓に異変が現れた場合は脊髄を通って脳へと刺激が伝わりますが、その刺激を脳が勘違いしてみぞおちの痛みと感じることがあるのだとか。先生によると、心筋梗塞で腹痛を含めた消化器症状が現れる患者は約10%。特に高齢者の場合は、典型的な心筋梗塞の症状が現れないことがあるので、診断が難しいケースもあるそうです。<腹痛以外の関連痛も>心筋梗塞の関連痛の場合、腹痛以外にも左肩・左腕・背中・顎・歯などに痛みを感じることがあるそうです。また、肺炎の関連痛として腹痛が起こることもあるのだとか。肺の横隔膜に近い部分に炎症が起きると、みぞおち周辺に痛みとして感じられることがあるそうです。<お腹に原因があるのにお腹以外に痛みが出る場合も>胆石症は、胆のうや胆管に結石ができ、右脇腹の痛みや発熱・黄疸などを引き起こす疾患ですが、関連痛として右肩や背中に痛みが発生する場合があるそうです。<関連痛による腹痛を見極めるポイント>急性虫垂炎など腹部に原因がある腹痛は、押すと痛みが増します。一方、関連痛の場合は原因が腹部にないため、押しても痛みがないのが特徴。押して痛みがないと安心してしまいがちですが、それが落とし穴。異変がある場合はすぐに病院へ行きましょう。(2026年4月19日(日)放送CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)