塩分が1/10!?「スゴ技減塩術」で大幅減塩!冬こそ実践すべき高血圧対策

2023年2月19日(日)放送 【第544回】
塩分が1/10!?「スゴ技減塩術」で大幅減塩!冬こそ実践すべき高血圧対策

サマリーSummary

ゲスト:島崎和歌子
ドクター:東京慈恵会医科大学 副学長 腎臓・高血圧内科 主任教授 医学博士 横尾隆
放置していると心疾患や脳卒中の原因にもなる恐ろしい病気「高血圧」。実は、冬は夏に比べて塩分摂取量が増える傾向にあり、高血圧が進んでしまう可能性があるのだとか。そこで今回は、冬こそ実践すべき高血圧対策を専門家に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは東京慈恵会医科大学 副学長 腎臓・高血圧内科 主任教授 横尾隆先生です。

今回のテーマは「​​〜ひと工夫で大幅減塩も!〜冬こそ実践すべき高血圧対策

放置していると心疾患や脳卒中の原因にもなる恐ろしい病気「高血圧」。実は、冬は夏に比べて塩分摂取量が増える傾向にあり、高血圧が進んでしまう可能性があるのだとか。そこで今回は、冬こそ実践すべき高血圧対策を専門家に教えてもらいました。

血圧の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<血圧と塩分の関係>
先生によると、身体の中にはナトリウムの濃度を一定にする仕組みがあるそうです。塩分をたくさん摂ると喉が乾きます。そして、水分を摂ると血液量が増え血管にかかる圧力が増すため血圧が上がるそうです。

<1日の食塩相当量の基準>
健康な人の1日の食塩相当量の基準は男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。しかし、日本人は塩分を摂り過ぎている人が多く、食塩摂取量の平均は10g以上といわれているそうです。

塩分過多になる意外な落とし穴

<(1)寒さによる味覚感度の低下>
血圧の大敵といわれる塩分ですが、冬は塩味の感覚が鈍ってしまうのだとか。実際ある調査で夏と冬の味覚感度を比べたところ、冬は濃い味にしないと味がしっかりと感じられなかったそうです。

<(2)味覚の衰え>
先生によると、個人差があるものの人の味覚は衰えていくそうです。年齢を重ねて味覚が低下する原因は、舌の老化にあると言われています。舌には味を感じる味蕾(みらい)という器官がありますが、これが加齢によって減少。すると、味を薄く感じてしまい気付かない間に濃い味を求めてしまうそうです。

<衰えた味覚を戻す事はできる?>
先生曰く、衰えた味覚を戻すには、口腔内を清潔に保つ事。さらに、小さな味の差でも感覚を研ぎすませるなど、しっかり噛んで味わうようにする事が大切だそうです。

いつもの食事に使えるスゴ技減塩術(1)お味噌半分で絶品味噌汁

高血圧患者の食事ケアにも使われる減塩のスゴ技を管理栄養士さんに教えてもらいました。減塩味噌汁の作り方の基本は、普通の味噌汁と同じ。ただし、味噌の量を通常の半分にし、同量の酒粕を混ぜ合わせます。実は、酒粕は塩分ゼロの食材。味噌汁に入れる事でコクが増し、薄さを感じないしっかりとした味に仕上がるのだとか。味噌は、塩分の少ない白味噌を使いましょう。こちらの味噌汁は、酒粕を使う事で0.2gの減塩が可能だそうです。

<減塩味噌汁の材料(4人分)>
・味噌34g(大さじ2)
・酒粕34g(大さじ2)
・だし汁(鰹節)600mL
・豆腐 1/2丁
・ネギ 30g

いつもの食事に使えるスゴ技減塩術(2)下味の塩をカットしても味は変わらない

ポークソテーなどのソースをかける料理は、ソースに味がしっかりついているので下味に塩を使わなくても大丈夫。味にも変わりはないそうです。「下味に塩をひとつまみ」これをなくすだけで、0.5g減塩できるとの事。また、パスタを茹でる時やホウレンソウなどの葉物野菜を茹でる時も塩は入れないのが減塩術の基本なのだとか。パスタの場合は、ソースを絡めるならそれだけで味は十分。野菜も彩りは鮮やかにはなりますが、味に大きな変化はないそうです。

いつもの食事に使えるスゴ技減塩術(3)塩分が1/10!?調味料の付け方

餃子やシュウマイなどに醤油をつける際は、端っこにちょこっとつけると良いそうです。なかの餡に塩が入っているので、十分おいしく食べられるのだとか。また、食べる時にはなるべく醤油をつけた面から舌の上にのせると良いとの事。この時の塩分量は0.02g。6個食べたとすると、約0.9gの減塩につながるそうです。

減塩が血圧に及ぼす影響は?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

先生によると、イギリスで2003年から減塩政策を行ったところ、国民1人あたりの1日の食塩摂取量が1.4g減少。それにより心筋梗塞が4割、脳卒中が3割弱減ったというデータがあるのだとか。1食ではわずかな減塩でも1年、10年と積み重ねると大きな差になっていくので、日々の減塩が大切だそうです。

ドクターオススメ冬の高血圧対策!塩出し力を高める方法

塩出し力とは、塩を身体から尿として出す力の事。そのためには、食材に含まれるカリウムの摂取が大切だそうです。カリウムがナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる効果が期待できるのだとか。カリウムを多く含む食材は、穀物・野菜・果物・昆布やヒジキなどの海藻類など。なかでも、先生のオススメは主食として毎日食べられる「麦飯」だそうです。ただし、腎臓病を患っている方や腎臓の薬を服用している方などは、医師の指示に従ってください。

高血圧と腎臓との関係は?注意すべき3つの悪影響

腎臓は、腰よりやや高い背中側に2つあり、握りこぶし程度の大きさの比較的小さな臓器。高血圧と腎臓には3つの大きな関係があるそうです。

<血圧と腎臓の関係(1)塩分>
腎臓には体内の余分な塩分を排泄する働きがあるそうです。その際に腎臓に圧力がかかる事で体外へ排出するのですが、その圧力こそが血圧なのだとか。塩分を捨てるために血圧が高くなり、悪循環で腎臓に負担をかけてしまうそうです。

<血圧と腎臓の関係(2)ホルモン>
腎臓は、血圧が下がったときに血圧を上げるレニンというホルモンを出すそうです。ところが、高血圧で動脈硬化が進み腎臓の血流量が減ると、腎臓は血圧が低いと勘違いしてレニンを分泌し血圧を上げてしまうのだとか。動脈硬化による腎臓の勘違いが、高血圧を招いてしまい負のスパイラルに陥ってしまうそうです。

<血圧と腎臓の関係(3)糸球体>
糸球体とは、腎臓の中にあるろ過装置。水分・ミネラル・老廃物などを振り分け、尿として排出させる働きがあるのだとか。ところが、高血圧になると血液の勢いが糸球体の中の血管を傷つけ、ろ過機能が低下してしまうそうです。

腎臓の異変を知らせる2つのサイン

腎臓は、末期になるまで自覚症状がないそうです。しかも、腎臓が失った機能は元に戻らないといわれているのだとか。そのため、腎臓の異変にいち早く気づく事が大切だそうです。

<サイン(1)むくみ>
先生によると、腎臓の異変を知らせるサインの1つはむくみ。心当たりがある場合は、朝晩に体重を測ってみましょう。夜の方が1キロ以上重い場合は要注意だそうです。

<サイン(2)就寝後のトイレの回数>
腎臓の異変を知らせるもう1つのサインは、眠ったあとのトイレの回数。3回以上トイレに行き、毎回昼と同じような量が出る場合は腎臓が疲れているので要注意。身体に塩分が溜まった状態で寝ると、夜間排尿量も増加するそうです。

(2023年2月19日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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