あらためて「『名古屋めし』って何だろう?」~大竹敏之のシン・名古屋めし
「名古屋めし」は何種類あるのか?
「名古屋めしって何種類あるの?」
仕事&立場柄、こんな質問を各方面から受けることがしばしばあります。またとあるイベントでは「名古屋めしって22種類もあるんですよ!」と紹介されているのを目の当たりにしたことがありました。皆さんもこれを聞いて、「う~ん、何種類あるんだろう?」とか、「へぇ~、そんなにたくさんあるんだ」と考えたり思ったりするかもしれません。
先の22種類という数は「なごやめし普及促進協議会」のHPに「なごやめし22選」と紹介されていることが根拠となっています。そのラインナップは次の通りです。ひつまぶし、味噌煮込みうどん、味噌カツ、手羽先、きしめん、あんかけスパ、天むす、どて煮、鉄板スパ、台湾ラーメン、味噌おでん、小倉トースト、エビフライ、鬼まんじゅう、モーニング、カレーうどん、名古屋コーチン、ういろう、えびせんべい、守口漬、台湾まぜそば、とんちゃん。
納得のラインナップだと思う人もいれば、食べたこともないものが入っていると首をひねる人もいるでしょう。「スガキヤが入っとらん!」なんて声はあちこちから飛んできそうです。筆者がこの連載で取り上げたものでは、ベトコンラーメン、志の田うどん、海老おろしなどが含まれておらず、その他でも、伝統ある郷土食のひきずり鍋や風呂吹き大根を入れるべき!との主張もあるかもしれません。
同サイトにはこうも書かれています。「『なごやめし』は『なごやめし』を愛するもの皆で育て上げていくもの」。つまり、名古屋めしが何種類あるのか?どこからどこまでが名古屋めしなの?は、それぞれが解釈すればいいというわけです。



「名古屋めし」「なごやめし」は公式用語じゃない!
料理の種類の他、しばしば誤解されていると感じるのが、「なごやめし」が公式な用語と思われているふしがあることです。なごやめし普及促進協議会が愛知県、名古屋市、名古屋観光コンベンションビューローなど行政や外郭団体などで構成されている組織のため、認定制度をともなって各種の食べ物を紹介、推奨しているととらえられ、ここで紹介されているもの以外はなごやめし(「名古屋めし」)には含まれないと思われるむきもあるのです。
筆者は同会のアドバイザーという立場にあるのですが、実は前身となる会議の場で、お偉方から「認定制度にしてはどうか?」との提案がありました。しかし、これに断固として異を唱えて退けたのも何を隠そう筆者でした。「名古屋めし」「名古屋メシ」「なごやめし」という言葉は一般の人たちが親しんで使うことで自然と広まったもの。お上がルールをもうけて権威づけしたり、除外したりするようなものではないのです(したがって表記もこうでなければいけない、というわけではありません)。
1人1人が「名古屋めし観」を持って食べ親しむ
もちろん、「名古屋めし」がどんな食べ物を指すのか、目安となるゆるやかな定義づけは必要です。筆者の考える「名古屋めし」とは「名古屋および広域の名古屋都市圏で広く親しまれているご当地グルメ」。こう定義づけすれば、名古屋発祥ではないといわれる天むすやエビフライが入ることにも違和感がなくなりますし、某名物喫茶の珍メニューはその店独自のものなので名古屋めしと呼ぶのはふさわしくない、ということになります。伝統がありながら今ではほとんど食べられなくなった鶏のひきずり、フナ味噌などについては、文脈や個々の思い入れや認識次第でその都度考えればよいと思います。
このように、ゆるやかでも自分なりの「名古屋めし観」を持っていれば、自身の中で徐々に理解度が高まっていき、また「名古屋めし」と呼ぶべきか否かの境界線にある食べ物について思いをめぐらすのもまた楽しくなってくるのではないでしょうか。
さて、およそ2年にわたって続いた当連載は今回が最終回。今後も様々な場で、皆さんが名古屋めしをよりおいしく食べられ、より興味が深まるような情報を発信していきたいと思います。これからもおいしく、楽しく、興味と愛情をもって、名古屋めしを食べましょう!
※記事内容は配信時点の情報です
#名古屋めしデララバ
番組紹介
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