ミステリー好きは“はやみねかおる“で育った?人気シリーズ新作を書評家が解説

水曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、話題の新刊を紹介しています。10月28日の放送では、書評家の大矢博子さんが、はやみねかおるさんの『怪盗クイーン ヴェネチア・カーニヴァル』(講談社 青い鳥文庫)を取り上げました。
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著者のはやみねかおるさんは、こども向けミステリーの分野で絶大な人気を誇る作家です。1989年に『怪盗ピエロ』で講談社児童文学新人賞佳作を受賞してデビューして以来、小学生を中心としたジュブナイルミステリーを数多く刊行してきました。
特に1994年にスタートした「名探偵夢水清志郎」シリーズは大人にもファンが多いとのこと。
大矢「今の30代以上のミステリーファンは、まずミステリーの楽しさをはやみねかおるで知ったっていう人が多いんですよ」
こども向けでありながら論理的な謎解きが用意されており、本格ミステリーの入門書としても非常に質の高い作品群となっています。
人気シリーズ21作目
今回紹介された「怪盗クイーン」シリーズも、そうした大人気作のひとつです。性別も年齢も不詳の怪盗クイーンが、予告状を出してから仲間とともに盗みに入り、探偵組織やインターポールと頭脳合戦を繰り広げます。
シリーズ21作目となる本作では、時空を操作できる石「アムリタ」の存在が物語の鍵を握ります。
養父母を探してヴェネチアを訪れたクイーンたちが、アムリタを狙う犯罪組織や探偵組織と激しい争奪戦を展開。舞台はまさに華やかなカーニバルの真っ只中です。
なお、本作はアムリタを巡る4部作の3作目にあたります。大矢さんによると単体でも楽しめますが、「シリーズ第19作『怪盗クイーン インド もう一つの0』と20作目の『陽炎村クロニクル』を読んでからの方が、話がわかりやすい」とのこと。
「できれば4部作の1作目、さらにはシリーズ第1作から順に読み進めるのがおすすめ」と続けます。
ヴェネチアの魅力が満載の追走劇
本作の大きな見どころとなっているのが、情景豊かなヴェネチアの描写と舞台設定を生かしたトリックです。
劇中では、サン・マルコ広場で日本人の登場人物が和菓子を売ろうとしたり、サン・マルコ寺院の前にある鐘楼のてっぺんからユニークな警察官が登場したりと、遊び心あふれる展開が描かれます。
大矢「また、そのサン・マルコ寺院の柱と柱の間に、存在しないはずの部屋が急にできたりとか」
永岡「ちょっとなんか、『ダヴィンチコード』の世界観になってくるね」
さらに、仮面をつけた犯人が群衆の中に紛れて逃走したり、ゴンドラに乗ったはずの犯人が到着時には消えていたりと、ヴェネチアならではの行事や地理を生かした追走劇が繰り広げられます。
大矢「アムリタが実はこんな場所にあったのかというのも見どころのひとつ。ヴェネチアに行ったら『ここか!』となると思います」
親から子へと読み継がれ、物語を読むワクワク感やミステリーの醍醐味を届けてくれる児童文学。秋の読書に、ぜひ親子で手に取ってみてはいかがでしょうか。
(ランチョンマット先輩)
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