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川上憲伸が見た星野仙一監督「いつでも戦闘モード」のベンチワーク

川上憲伸が見た星野仙一監督「いつでも戦闘モード」のベンチワーク

CBCラジオ『ドラ魂キング』、「川上憲伸、挑戦のキセキ」は、野球解説者の川上憲伸さんが、自身のプロ野球人生を「挑戦」という視点から振り返るコーナーです。8月20日の放送では、ルーキーイヤーから先発投手として活躍していた川上さんが見た、星野仙一監督の姿について語りました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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「逃げたらあかんよ」鳥肌ものの迫力

川上さんは、星野監督の試合中の様子について「監督っていうのがこんなに全面的に試合中、声を張り上げて、身を乗り出して指揮をとるもんなんだとは。それはもう鳥肌もの」と振り返ります。

マウンドに立っている時、ピンチになるとベンチから檄が飛んでいたといいます。

「『逃げたらあかんよ』とか、『ワンバンだぞ』とか。『(中村)武志!もっとインコース起こせ!』とか聞こえるんですよ。『とにかく低めや!』とか、『なんや、もっと使え!』とか、そういうのは全然聞こえてきましたね」

いつでも戦闘態勢

味方の攻撃時、ベンチの一番奥に座る川上さんからは、また違った星野監督の姿が見えました。

「打席のバッターボックスに入ってる選手と自分の視界のちょうど間ぐらいに、監督が身を乗り出してるのが見えるわけですよ」

星野監督はグラウンドに片足が突っ込みそうなほど前のめりになり、いつでも戦闘モードで行くぞというような雰囲気。

その背後には島野育夫ヘッドコーチなどが並び、川上さんは「そのシルエットがいまだに浮かぶ」と振り返ります。

巨人・長嶋監督との対比

プロ野球の監督はこんな感じかと思っていた川上さんでしたが、試合を重ねるうちに他のチームの監督は違うことに気づきます。ただし、読売ジャイアンツの長嶋茂雄監督は少し星野監督に似ていたそうです。

「巨人戦はおもしろかったですよ。長嶋茂雄さんはね、腕をちょっとめくって、常にどっちかの肘をどっちかの足の膝の上に乗っけて、なんか指揮をとってるっていう感じでしたよ」

川上さんはマウンドやネクストサークルから両監督の姿が視界に入ったといいます。星野監督は守備の時は腕組みでしっかり立ち、大の字で構えていたといいます。

「巨人対ドラゴンズの対戦では、両監督がやっぱり中心になって、『さあ、ついてこい』じゃないけど、先頭切ってるなっていうのは一番感じましたね」

ルーキーイヤーのオールスターMVP

川上さんは1年目にしてファン投票でオールスターに選ばれました。東京ヤクルトスワローズの古田敦也捕手とバッテリーを組んだ川上さんは、2イニングを無失点で抑えます。

「あの古田さんとバッテリー組めた。『うわ、こういうキャッチングするんだ』っていう。吸収されるような、クッション性があるやさしい捕り方するなって」

2イニングを投げ終えて帰ってきた時、野村克也監督から「MVP狙えよ」「3イニング目いかんか」と声がかかります。川上さんは「おそらく点取られたらすぐ交代だったと思う」と振り返りますが、結果的に3イニングを無失点で抑え、見事MVPを獲得しました。

「野村監督にも、もう本当に感謝ですよね」

野村監督の采配が、ルーキー川上さんの本拠地・ナゴヤドームでのオールスターMVPという快挙につながったのです。
(minto)
 

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