通知されないことも?相続手続で申告を漏らしがちな財産

昨今、少子高齢化により中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題の一つとなっています。「人生100年時代」と言われているこの時代だからこそ、元気なうちに資産の管理や、のスムーズな承継について考えていく必要性が高まっているのです。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。7月30日の放送では、北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ 財務コンサルタントの塩崎淳さんに尋ねます。
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今回塩崎さんが説明するのは、「相続手続で漏れやすい財産」について。
塩崎「北野さん、『相続手続や税金の申告で漏れやすい財産』と聞いて何を思い浮かべますか?」
北野「庭の植木鉢の下に置いてある現金でしょうか?」
塩崎さんは、現金の他にも、家族名義のお金、生前贈与、(契約者と被保険者が違う)生命保険、不動産等も注意が必要だと続けます。
不動産について北野は、「毎年4月頃に送られてくる固定資産税納税通知書をもとに手続すれば大丈夫では?」と尋ねます。
しかし、それだけでは万全ではなく、漏れることもあるのだと塩崎さん。
北野「え!どんな場合ですか?」
塩崎「例えば、不動産が共有名義の場合です」
役所は、全員でなく代表者1人に通知書を送るケースが大半なので、代表者以外の共有者に相続が発生した場合、相続手続が漏れてしまうとのこと。
通知書が送られてこないと、その家族、遺族はわからない可能性もあります。
課税されずに通知書も来ないことも
塩崎「共有名義だけでなく、まだ注意点はあります」
不動産の固定資産税課税標準額には免税点が設けられているとのこと。
北野「一部の不動産には固定資産税が掛からないということですか?」
塩崎「はい。土地は30万円、建物は20万円未満の場合、課税されず、通知書も送られてきません」
そのため共有の道路や古いマンションの集会所も、要注意とのこと。
北野「なるほど。固定資産税を払っていないと、つい相続手続を忘れてしまうかも」
どうやって調べたら良いのでしょうか?
塩崎「まず名寄帳(なよせちょう)や公図(こうず)、登記簿謄本(登記事項証明書)などを基に役所や法務局などに確認、調査します」
名寄帳とは、個人から所有している不動産を一覧にしたもので役所が管理しています。公図とは登記所が保管している地図になります。
後からややこしくなる財産漏れには記録することが大事
北野「不動産以外でも財産漏れがあったらややこしいですよね」
塩崎「はい。基本的なことですが、お元気なうちに財産を書き出したら記録することが大切」
貸金庫に古いお札や記念硬貨を大事にしまっておく人もいるのだそう。北野も「貴金属なども多そう」と予測。
北野「あとは、エンディングノートに書くのも大切ですね。それ以外に、何か準備した方が良い事はありますか?」
塩崎「通帳や証書、取引報告書、(不動産)権利証、借地とかあれば契約書など」
さらに、繰越前の通帳も残しておいた方が良いと塩崎さん。「株の配当」「保険料や生協の引き落とし」「(デパートなど)〇〇友の会」「親戚への貸付金」など、財産を確認の手掛かりが見つかることもあるのだと言います。
北野「今から財産をピックアップするのが、シュウカツとして大切ですね」
家族のイベントなどのタイミングに将来のことを家族で話し合ってみてほしいと促す塩崎さん。さらに、「スマホの暗証番号を書いておくことも忘れないように!」と付け足した北野でした。
(野村)
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