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「コメ問題」は解決するのか?江藤農水相の後任は小泉進次郎氏に

「コメ問題」は解決するのか?江藤農水相の後任は小泉進次郎氏に

「米は買ったことがない」などの発言が問題視されていた江藤拓・前農水大臣の事実上の更迭を受け、5月21日、小泉進次郎氏が農水大臣に就任しました。新農水大臣は米の流通問題を解決し、価格を下げることができるのでしょうか?5月24日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがコメ問題に対する政策について解説します。

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支援者の前ではつい失言しがち?

江藤氏は自らの失言について陳謝・撤回をしたものの、国民から批判の声がやまず、事実上の更迭となりました。

大石「なんであんなこと、言うんですかね?」

支援者の方々から普段、米をもらっていたため、「売るほどあります。私の家の食品庫には」と受け狙いで発言した江藤氏。

大石「何も面白くなかった」

石破政権の地盤が弱く、米の価格高騰が続いていたため、あえなく辞任となりました。
「政治家は支援者の前だとつい気が緩み、失言しがちなのかもしれない」と大石。
ただし、その向こうには大勢の国民がいることを忘れてはいけません。

事態を収拾すべく、石破総理はなるべく早い時期に米の価格を「3000円台」にすると明言しました。

競争入札からスピーディーな随意契約に

「就任早々、小泉新農水大臣はいろんなことを言っていた」と大石。

まず表明したのは、競争入札から随意契約にすること。
これまでは競争入札によって競争原理がはたらき、米の値段が上がっていました。
随意契約では政府が業者を決めるため、手続きが早まります。

ただ「業者の選定プロセスが不透明」と指摘する大石。

JAの関係者によると、随意契約の場合は基本的に政府の言い値になるため、価格が下がることが予想されるとのこと。
問題は、本当に「3000円」に下がるかどうか。

大石「そこが難しいところ。今のところ、備蓄米は広くあまねく流通していません」

大石が農水省のデータを調べたところ、備蓄米はJAに19万トンあり、そのうち卸売業者に約4分の1(26%)、末端の小売業者にはわずか約1割(11%)しか行き届いていないことがわかったとか。

大石「1割しか流通していないですよ!まだ。そりゃ、備蓄米ないですよ。どこのスーパー探しても」

スーパーなどを除き、JAと普段取引していない小売業者には備蓄米がなかなか入ってこない現状があります。

大石「本当に流通させることができるのか?」

減反から増産へのシフトは可能?

専門家によると、備蓄米がある程度流通すれば、7月下旬には5キロ3900円台まで下がる可能性もあるそうです。
その頃には、放出される計50万トンの備蓄米が市場に出回っているためです。

他にカギを握るのは、米の増産。
すでに今年は田んぼが2.3万ヘクタール増えており、今後も増産予定です。

ただし、いろいろな問題点があります。
まず、種もみが必要なこと。来年用のものは今年4月に植えないといけません。
つまり、来年4月の増産に向けてどのくらい増産計画を提示するか、今の段階で決断が迫られています。

大石「増産って言っても…いま田んぼ、どんどん減っているわけですよね。なぜなら減反してきたんだから」

現在行われているのは、事実上の減反である「生産調整」。
田んぼが減少傾向にあるなかで、どうやって増やしていくのか。
また、すさまじい勢いで農家の方がやめているなか、耕す人の問題もあります。

大石「どこまでそれができるのか?」

米の生産流通にまつわる課題は山積。
かつて農林部会長を務め、現場を回っていた小泉新農水大臣の手腕に期待を寄せる大石でした。
(nachtm)
 

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