マスク生活で「頻呼吸」に!?…インフルエンザも重症化する!?現代人を襲う「頻呼吸」の恐怖

2023年11月12日(日)放送 【第580回】
マスク生活で「頻呼吸」に!?…インフルエンザも重症化する!?現代人を襲う「頻呼吸」の恐怖

サマリーSummary

ゲスト:島崎和歌子
ドクター:国際医療福祉大学 医学部教授 山王病院呼吸器センター長 呼吸器外科医 医学博士 奥仲哲弥
今、日本人の呼吸機能に危機が迫っているといいます。3年以上続いたマスク生活によって、多くの人が軽度の「頻呼吸」になっている可能性があるのだとか。「頻呼吸」とは、発熱や呼吸疾患により呼吸が浅くなった状態の事。その症状は息切れ・頭痛・疲労などさまざまで、放っておくと感染症が増えるこれからの季節、肺炎などが重症化するリスクも高まるそうです。そこで今回は、下がった呼吸機能を上げる方法を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは国際医療福祉大学 医学部教授 山王病院呼吸器センター長 呼吸器外科医 医学博士 奥仲哲弥先生です。

今回のテーマは「〜インフルエンザも重症化する!?〜現代人を襲う頻呼吸の恐怖」

今、日本人の呼吸機能に危機が迫っているといいます。3年以上続いたマスク生活によって、多くの人が軽度の「頻呼吸」になっている可能性があるのだとか。「頻呼吸」とは、発熱や呼吸疾患により呼吸が浅くなった状態の事。その症状は息切れ・頭痛・疲労などさまざまで、放っておくと感染症が増えるこれからの季節、肺炎などが重症化するリスクも高まるそうです。そこで今回は、下がった呼吸機能を上げる方法を専門医に教えてもらいました。

肺の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<頻呼吸について>
先生によると、肺は自力では呼吸できないそうです。横隔膜など20種類以上の呼吸筋群が連携して動き、呼吸をしているのだとか。普段から浅い呼吸をしていると、呼吸筋群が弱まり、浅い呼吸になってしまう負のスパイラルに陥ってしまうそうです。また、呼吸の浅い頻呼吸は、息切れや頭痛、疲労などを引き起こすだけでなく、病気になった際に重症化しやすいといいます。特にこれからの時期は風邪をひきやすくなるので、できるだけ早めの対策が必要だそうです。

<頻呼吸のセルフチェック>
1分間に何回呼吸をしているかで、呼吸に問題があるかどうかがわかるそうです。
15回前後=正常
20回位以上=軽度の頻呼吸
25回以上=頻呼吸の可能性あり

あなたの呼吸機能は大丈夫?肺テスト(1)日常生活チェック

下記の6つの項目にいくつ当てはまるかチェックをしてください。
□20年位以上煙草を吸っている/吸っていた
□よく咳払いをする
□たんがからんで一度で出しきれない
□食事中むせる事がある
□同世代の人よりも歩くのが遅い/息切れがする
□以前に比べて声がハスキーになった

<採点基準>
0〜1個=3点 大変良い
2〜3個=2点 良い
4〜6個 1点 がんばりましょう
上記の習慣や症状が4つ以上ある場合は、軽度の頻呼吸になっている可能性があるそうです。

<食事中にむせる=頻呼吸!?>
先生によると、食事中にむせてしまうのは、頻呼吸の症状の1つ。通常食べている時は息をしていませんが、頻呼吸の場合は長い呼吸ができず小さい呼吸を多くしているので、誤嚥してむせてしまうのだそうです。

あなたの呼吸機能は大丈夫?肺テスト(2)吸う力

<吸う力のテスト>
(※この方法でわかるのはあくまで目安です。正式な結果を知るには肺呼吸機能検査を受けてください)
▼直径0.6cm・長さ21cmの一般的なストローとティッシュを用意
▼机に置いたティッシュに垂直にストローをつけて吸い込む
▼完全に浮かさなくてOK
▼息が続く限り行い ティッシュが落ちるまでの時間を計測する

<採点基準>
◎男性
20秒以上=3点 大変良い
10〜19秒=2点 良い
1〜9秒=1点 がんばりましょう
◎女性
14秒以上=3点 大変良い
7〜13秒=2点 良い
1〜6秒=1点  がんばりましょう

<このテストでわかる事>
吸う力のテストは、肺の容積がどれくらいあるのかを調べるものだそうです。肺の容積が少ないと、肺が硬くて広がりにくくなるのだとか。そのため、今回のチェックでティッシュが吸えなかったり、はり付かなかったりした場合は、通常よりも肺の容積が小さくなり、吸う力が衰えている可能性があるそうです。

あなたの呼吸機能は大丈夫?肺テスト(3)はく力

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<はく力のテスト>
(※この方法でわかるのはあくまで目安です。正式な結果を知るには肺呼吸機能検査を受けてください)
▼顎を机の上に乗せて机に置いたティッシュに息を吹きかける
▼少しでもティッシュが動けばOK
▼顎の位置を0cmとしてティッシュの位置を計測する

<採点基準>
(※この基準値は40〜60代を対象とした指標です>
◎男性
140cm以上=3点 大変良い
100〜139cm=2点 良い
50〜99cm=1点 がんばりましょう
以下=危険
◎女性
100cm以上=3点 大変良い
70〜99cm=2点 良い
35〜69cm=1点 がんばりましょう
以下=危険

<このテストでわかる事>
このテストでは、1秒間に出せる息の量がわかるそうです。吐く力が弱いと、肺から空気を押し出す力も弱いため、常に呼吸が浅くなっている可能性があるそうです。

あなたの呼吸機能は大丈夫?肺テスト(4)はく長さ

<はく長さのテスト>
(※この方法でわかるのはあくまで目安です。正式な結果を知るには肺呼吸機能検査を受けてください)
▼下記の8曲から1つ選んで歌う
▼曲の最後の”いー”がどれだけ長く続くかを計測
≪楽曲リスト≫
♪DISH//『猫』※2番
♪LiSA『炎』
♪槇原敬之『もう恋なんてしない』
♪一青窈『ハナミズキ』
♪T-BOLAN『離したくはない』
♪山口百恵『いい日旅立ち』
♪石川さゆり『津軽海峡・冬景色』
♪井上あずみ/杉並児童合唱団『さんぽ』

<採点基準>
◎男性
10秒以上=3点 大変良い
5〜9秒=2点 良い
0〜4秒1点 がんばりましょう
◎女性
7秒以上=3点 大変良い
4〜6秒=2点 良い
0〜3秒1点 がんばりましょう

<このテストでわかる事>
このテストでは、深呼吸ができるかどうかが分かるそうです。はく長さが短いと、軽い「過換気症候群」になっている恐れがあるのだとか。過換気症候群とは、いわゆる過呼吸状態の事。そうなると頻呼吸がより悪化し、手足のしびれや頭痛などさまざまな症状に襲われてしまうそうです。

インフルエンザも重症化!?現代人を襲う頻呼吸の恐怖

これからの季節、頻呼吸の人が気をつけなければいけない病気が「インフルエンザ」。呼吸機能が落ちていると、肺炎などを併発しやすく最悪の場合命の危険もあるそうです。
 
<他にもある!頻呼吸で重症化のリスクがある病気>
インフルエンザ以外にも頻呼吸で重症化のリスクがある病気があります。その1つが「COPD (慢性閉塞性肺疾患)」。COPDは、たばこなどが原因で肺の組織の一部が壊れたり、気管支が慢性的に炎症を起こしたりする状態の事。そして、もう1つが「間質性肺炎」。間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症や損傷が起こって硬くなり酸素を取り込みにくくなった状態の事。最終的には肺の機能が働かなくなり、低酸素血症で命を落とす事もあるのだとか。さまざまな病気を重症化させてしまう頻呼吸。重症化のリスクを減らすためにも、頻呼吸を改善させましょう。

自宅で簡単!頻呼吸改善トレーニング

先生オススメの頻呼吸改善トレーニングをご紹介します。呼吸機能の改善・維持に重要なのは「横隔膜」と「肩甲骨」だそうです。

<頻呼吸改善トレーニング(1)「横隔膜呼吸」>
▼鼻から1〜2秒で息を吸い 口から10秒かけてはく
▼隙間時間に2〜3回やるだけでOK
≪ポイント≫
苦しくなってもお腹に力を入れて息をはき切りましょう。しっかりとはき切れば、横隔膜が上がり、自然と新鮮な空気を肺に取り入れられるそうです。逆に、横隔膜の動きが鈍く吐く力が弱いと、頻呼吸気味になりすぐに息が上がってしまいます。それによって疲れやコリ、さらには免疫力も低下。さまざまな病気に繋がる恐れがあるそうです。

<頻呼吸改善トレーニング(2)「肩甲骨の上げ下げストレッチ」>
▼鼻で息を吸いながら肩を上げる
▼口で息をはき出しながら肩を落とす
≪ポイント≫
肩を上げる時は、肩甲骨を寄せるイメージが大事だそうです。肩が前に出ないよう注意しましょう。このストレッチの目的は、肺を動かすための筋肉「呼吸筋群」を柔らかくする事。肩甲骨を動かせばその柔軟性が養われ、より深く呼吸ができるようになるそうです。

食べ物で簡単!肺機能回復

肺機能は、トレーニングのほかに食べ物でも回復が期待できるそうです。

<肺機能回復に!先生オススメ3つの食材>
(1)リンゴ
リンゴに含まれる「ポリフェノール」には、肺の炎症を抑える働きがあり「COPD」や「喘息」「気管支炎」などの病気を予防改善し、呼吸機能を高める効果が期待できるそうです。
(2)トマト
トマトに含まれる「リコピン」は、リンゴ同様に肺の炎症を抑える効果が期待できるそうです。
(3)ブロッコリー
ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」には、肺の抗酸化遺伝子の活動を復活させる効果が期待できるそうです。

(2023年11月12日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

関連リンク

あなたにオススメ

RECOMMENDATION

エンタメ

ENTERTAINMENT

スポーツ

SPORTS

グルメ

GOURMET

生活

LIFE