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死球死球四球四球!どうした立浪ドラゴンズ?ため息と怒りの「昇竜デー」ドーム観戦記

死球死球四球四球!どうした立浪ドラゴンズ?ため息と怒りの「昇竜デー」ドーム観戦記
バンテリンドーム(C)CBCテレビ

竜の“借金”が増えていく。2023年ペナントレース、中日ドラゴンズは23試合を戦い、8勝15敗で7つの負け越し。一体どうしてしまったのか?前年の最下位からの逆襲を信じて、懸命の応援を続けるドラゴンズファンのため息が、日増しに大きくなっている。(成績は2023年4月30日現在)

前言撤回「セカンド高橋周平」

「サンデードラゴンズ」より高橋周平選手(C)CBCテレビ

ゴールデンウイーク初日の4月29日は、選手が特別ユニホームを着て戦う「昇竜デー」。バンテリンドームの入場者にも、選手と同じ色のユニホームが配られるとあって、ファンにとっては楽しみな観戦日である。

今年は過去になかった金色のユニホーム。入場ゲートで受け取って、購入した5階席についてユニホームに袖を通す。ゲームの相手は、昨シーズン6勝18敗1分と大きく負け越した、苦手の横浜DeNAベイスターズ。

ちょうどドラゴンズの守備練習時間だったが、セカンドを見て驚いた。背番号「3」がそこにいる。立浪和義監督はシーズン前に、その高橋周平選手について、サードのポジションを石川昂弥選手と競わせるとして「周平のセカンドはない」と明言していた。スタメン発表で「5番セカンド・高橋周平」が場内アナウンスされた時、歓声と共に驚きの声も多かった。前言の撤回。すぐ後ろの席の男性ファンがつぶやいた「立浪さん、ブレブレだなあ」。

周平、細川、岡林のタイムリーに沸く

「サンデードラゴンズ」より細川成也選手(C)CBCテレビ

1回裏、その高橋周平選手がレフト線へ先制のタイムリー2ベース。そうなると、監督の方針転換もなんのその、スタンドは大盛り上がりだった。ファンとはそういうものである。同点に追いつかれた3回裏には、相手のベイスターズから現役ドラフトで移籍してきた細川成也選手がセンター前にタイムリーで再びリード。いい選手がドラゴンズに来てくれた。

5回裏にはこのところ好調の岡林勇希選手が、バットを折りながらもしぶとくショートの頭を越すタイムリーなどがあり、4対2とリードした。ここ最近にない、良い試合運びに、スタンドは「今日はいけるぞ」という明るいムードに包まれた。金色ユニホームが輝いて見える。

あ然!死球死球四球四球

「サンデードラゴンズ」より鈴木博志投手(C)CBCテレビ

しかし、とんでもない事態が待っていた。6回表に、先発の松葉貴大投手からマウンドを引き継いだ鈴木博志投手が、1アウトからベイスターズの4番・牧秀悟選手の背中にボールをぶつけてしまうと、続く桑原将志選手にもデッドボール。さらに関根大気選手にはフォアボールを与えて1死満塁となり、今季初登板のベテラン谷元圭介投手に交代。

「サンデードラゴンズ」より谷元圭介投手(C)CBCテレビ

その谷元投手も押し出し四球と犠牲フライで、なんとノーヒットで同点に追いつかれた。

「死球死球四球四球」という、決して見たくもない投手陣の乱調の後には、連続タイムリーが待っていた。この回5失点。ため息に包まれるスタンド。悪夢のような逆転劇に、特別ユニホームの金色は、次第に色をなくしていった。試合は4対7で敗れた。

WBCトロフィーか?試合か?

バンテリンドーム(C)CBCテレビ

この3連戦では、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の優勝トロフィーが展示公開された。ドーム北側の特設会場、しかし球場に着いた午後1時15分には「現在の待ち時間150分」という案内があった。これから2時間半を待つと、当然プレーボールには間に合わない。残念ながらあきらめたのだが、試合開始を迎えた瞬間、チケット完売のはずのスタンドには空席が目立った。まだ多くの人が優勝トロフィーに並んでいるのである。過去の栄冠を目に焼きつけるか、目の前の試合の応援か、悩ましい選択を突きつけられることになった。

優勝トロフィーの展示は午後3時まで、せめて試合終了後2時間ほど時間を延長するなど、そんな配慮がほしかった。やはりゲームの最初から、満員のスタンドで、ドラゴンズに声援を送ってもらうべきではないだろうか。ゲームが終わり、沢山の金色ユニホームが肩を落として家路につく中、展示会場はすでに閉鎖されていた。

投手が好投すると打線が点を取れない。打線が点を取ると、この日のように投手が失点を重ねる。立浪ドラゴンズの歯車が、なかなかかみ合わない。チームに勢いをつけるホームランの数も、ここまでわずかに4本である。本塁打数がひとケタなのは、12球団でドラゴンズだけである。この春『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』を上梓したが、早く『歓喜』を書きたい。『屈辱パート2』だけは勘弁してもらいたい。立浪竜の5月反攻を信じるしかない。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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