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「マウンドは世界一小さく、登るのが難しい山」 憧れの西武・菊池投手から中日・小笠原投手が受け取った言葉たち

「マウンドは世界一小さく、登るのが難しい山」 憧れの西武・菊池投手から中日・小笠原投手が受け取った言葉たち

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」

小笠原投手“憧れの”菊池投手との念願の対談

小笠原投手が、先発での対戦を懇願するほどの「憧れの人」であるライオンズ・菊池投手。対戦したマウンドでは、「今は足元にも及ばない」と話すように、8回にその日の最高球速を記録するなど、落ちることのない球威を体感したとのこと。そして、今回、念願の対談が実現したのです。これはもうドラファンとしては見逃せないところ。

今年の9月に2度目となる遊離軟骨の除去手術を行い、現在は来シーズンに向けリハビリやトレーニングで準備中の小笠原投手。
そんな折に、甲子園時代“ストレートの球威で注目されていた左腕投手同士”という共通点もあり、理想とするピッチャーとの対談は、とても大きな刺激となったのではと思いました。

世界一登るのが難しい山 マウンドでの心構え

「マウンドに登ったときに、はやく投げたいと思っていた」 - 菊池投手
「試合が常に楽しみで、絶対に抑えてやる」 - 小笠原投手

とどちらも“自分が主人公で逆境でさえも堂々と楽しむような心持ち”で登板していることが印象に残りました。

また菊池投手は
「(マウンドは)世界一小さな山であり、世界一登るのが難しい山」

と表現しています。
そんな二人の言葉を聞くと、やはり“エースとなるにふさわしい投手”が生まれ持った素質を感じました。もちろん両投手とも並々ならぬ努力と高い能力がその自信を後押ししていると思います。その上、二人は学生時代から注目を浴び、その最高峰“甲子園“という大舞台で華々しい活躍しています。

注目されて、楽しんでやりきって結果を残す。選ばれし者しか得られない経験から、さらなるゾーンで体験しているものがあるからだと想像します。そんな経験が後押しして、見ている側さえも一体となって緊張感とともに、その状況を楽しめるような気持ちを感じさせてくれる。

観客や、フィールドの選手たちをその気迫で巻き込んでいけるチカラ。
それこそがエースとなる投手の素質ではないかと感じました。

小笠原投手の場合は、まだまだこれから優勝に向けた試合など沢山の修羅場を経験していき、持ち前の芯の強さで、さらに頼れる大きな背中でワクワクするような試合を見せてくれることを期待しています。

ケガを克服して辿り着いた高速ストレート

菊池投手の凄いところは
「常時150km越えのストレートや自らが打席で対峙したときのスライダーのキレ」
が強く印象に残っていたと小笠原投手は語りました。

その凄さを語る小笠原投手の少年のようなキラキラした表情からは純粋な憧れの気持ちがうかがえます。その話題から小笠原投手が「ストレートの球速を上げたい」と言うと、菊池投手から「トレーニングとプラクティスは分けるべき」や「脳を開放していくトレーニングも必要」と、独特の用語でサラリと高度な内容を語られ圧倒される小笠原投手。

それもそのはず菊池投手は”超”がつくほどの研究熱心な選手。パーソナルトレーナーをつけて身体の構造から紐解いた複雑なトレーニング理論を実践しながら身につけているし、空いた時間にはスポーツの医学書を読み込んで知識を吸収するくらいです。

でもそこは丁寧な説明を加える菊池投手、「さらに詳しく言うと」「“肩の痛みを克服するためのトレーニング”と“ピッチングの練習”をはっきり分けて行うこと」など私たちにもわかるような具体的な話で熱心にアドバイスしてくれました。

また、菊池投手からみた小笠原投手のすごいところは、「しっかりとした下半身」
これも速い球を投げるために重要な事の一つだそうです。小笠原投手は「球が大きくなっていくような迫力のあるストレート」を持っていると評価するのも、この下半身の強さが効いていると見ているのかもしれません。

こうした素質を持っていて、なおかつそのトレーニング理論にマッチすれば、同じタイプの左腕として、もっともっと投球が良くなると菊池投手は感じたのではないでしょうか。
熱のこもった話しぶりの菊池投手にはまだまだ発展する小笠原投手の可能性がみえているようで、小笠原投手がもつポテンシャルの高さを球界最高峰の左腕投手の評価から改めて感じました。

期待させる男・小笠原 ストレートを磨きメジャーを目指せ!

スタジオで映像を見守る真剣な表情からも、対談の場では少し考えながら菊池投手の話に耳を傾ける表情からも、この先のプロ野球人生の中で幾度も今回の対談で受け取った言葉たちが反芻され、ゆっくりと彼の中で血肉になっていくのではないかと思わせるものでした。

そのためにも、まずは確実にケガから回復し来シーズンはしっかりと強いストレートに磨きをかけ戦い続けてほしいです。そして来年の目標として掲げた小さな文字で書いた2ケタが、新聞の大きな見出しに踊るような活躍を心待ちにしています。

日本プロ野球界在籍の最終年にタイミングよく実現したこの対談。
そんな持っている男小笠原投手には、菊池投手のアドバイスの先にメジャー挑戦するまでのドラマティックな大きな夢を思い描いてしまいます。

自信をもってしっかり努力を積み重ね、菊池選手が認めてくれたストレートをさらに進化させることで、日本を代表するピッチャーとなりアメリカに渡った菊池投手に再会し、その活躍からのメジャー挑戦を我々ドラゴンズファンが涙ながらに送り出したくなるような選手に育ってほしい…!

なんて遠い未来までも夢を見せてくれるから、小笠原投手が成長する過程をどんな状況でもファンは応援します!
そしていつか世界一小さな山にどっしりと腰を据えて、世界一のストレートでファンにチームに頂を見せてください!!

(ドラゴンズ妄想文筆家 澤村桃)

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