岐阜県の要請で外郭団体が取得したものの、20年ほど塩漬け状態となっていた土地が先月、岐阜県下呂市に約3億円で売却されました。もともとの取得価格は約21億円だったため、県の負の遺産を処理するのに莫大な損失を被ってしまいましたが、反省をもとに教訓は生かされるのでしょうか。4月15日放送『CBCラジオ#プラス!』では、巨額の損失が生まれてしまった背景などについて、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。30年以上放置した状態今回問題となったのは下呂市にある約5.4ヘクタールの土地で、岐阜県が障害者リハビリ施設を整備するため、1998年(平成10年)に岐阜県土地開発公社という外郭団体が約21億円で取得しました。しかし、県は2005年(平成17年)の政策総点検により整備事業の中止を決定。他の活用方法はないかと検討してきたもののずっと放置したまま、つまり塩漬け状態のままとなっていました。その後、2023年度に下呂市から特別養護老人ホームの整備用地として売却の打診を受け、県は3月、いったん28億円で公社から土地を買い戻したあと、下呂市に3億3千万円で売却しました。公社が取得した時の21億円から公社から買い戻す際に7億円分増えたのは、土地を取得し長期保有するために借り入れた資金の利子やこれまでの管理費を含めたためとのことです。 土地開発公社に任せるメリット結局、25億円もの損失が出てしまったことになりましたが、塩漬けになった土地の問題はあちこちにあるようで、よく出てくるキーワードが「土地開発公社」と石塚。土地開発公社は自治体に代わって土地を取得する団体。例えば県が将来的に施設を作りたいと思った際、県に代わって先にまとまった土地を買って、いったん保有しておきます。そして、後で実際に事業が動き出してそこの土地が必要となった際、県に売ることを行なっています。なぜ県が直接土地を買わないのでしょうか?それは自治体がある目的を持って直接土地を買う場合、予算を組んだり議会に案を通す手間がかかるため。土地開発公社であればすぐに買うことができ、いざという時にすぐ土地が使えるのです。特にバブル期は地価が上昇しており、早く土地を買って押さえておいた方が得だったのです。計画が崩れて大損にしかし、バブル崩壊後は土地を持っていてもどんどん地価が下がり、建設計画がとん挫したりと、目的がなく土地を持ち続けることが増えます。デメリットでしかありません。土地開発公社が買ったまま塩漬けされている土地は、岐阜に限らず全国各地にあるため、今後は土地売却の際にこうした損失が明るみになっていくことが考えられます。損失を穴埋めするのは、もちろん私たちの税金。石塚は「ダメだと思ったら、もっと早く対応が必要だったかもしれないですね」と語り、永岡は「我々がどう見ていけるのかというのもありますけど、ちゃんとしてほしいな」とまとめました。(岡本)