文化庁が国立の博物館や美術館に「収益目標を達成できなければ再編対象とする」方針を示したことが波紋を呼んでいます。3月11日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが博物館や美術館の再編について解説します。交付金を段階的に「ゼロ」に先月、文化庁が国立の博物館や美術館に対し、「収益の目標を立てて達成できなければ再編の対象とする」という方針を示したことが波紋を呼んでいます。つボイ「美術館とか博物館、私も大好きですから。どういうこと?」入場料のほか、昨今はグッズ販売などから収入を得ている博物館や美術館。現在は国からの交付金で5割ほど補填しています。文化庁が今回示した方針は、5年間で自己負担を65%(国の負担は35%)にし、その後段階的に交付金をゼロにするというもの。つボイ「人気のある内容の展示しか維持できない。文化財の保存や研究といった地味な部分が蔑ろにされていく」小高「まさにそれが問題」SNSなどでも疑問の声が噴出しています。歴史や文化の解釈は長い目で博物館や美術館の大切な役割は、収集・保存・研究・教育。収益だけを追求すると、すでに人気のあるアニメやいわゆる「映える」展示、グッズ販売などに偏ってしまいます。それにより、地味ながらも重要な研究や修復、話題にならないような歴史研究といった地道な作業が後回しになる恐れも。現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』の斎藤道三を引き合いに出すつボイ。司馬遼太郎『国盗り物語』は道三が油売りから武将になるまでの物語。ところが、六角承禎(しょうてい)という人物の文章では「実は親子でやっていた」という異なる知見が出たそうです。つボイ「こないだの大河ドラマ、全然違いましたもん。『国盗り物語』と」このように歴史や文化の価値観は数十年・百年単位で解釈がなされるとつボイ。つボイ「例えば日本刀の展示。十数年前までマニアのおっさん連中が『渋い!』と言っていた。今ではアニメの人気が高まり、若い女性も多く訪れるキラーコンテンツになっている」「地味で誰も入らんなぁ」と思われていたものも、細く長く続けるといつかブレイクすることもあると小高。小高「未来にはそういうことも起こるかもしれない」長い目で見て良い研究は補助すべき、という反対側の意見。儲け至上主義や収益追求の落とし穴最近、科学博物館・東京国立博物館・西洋美術館・民族学博物館など、名だたる国の文化拠点がクラウドファンディングで費用調達したことが話題に。本来、国費で賄うべきものを民間の善意で助けるのもいかがなものか、と同様に議論を呼んでいます。今後は外国人に対し、二重価格も設定されるのだそう。あるリスナーは、2017年、自民党の地方創生担当大臣の質疑にあった「一番のガンは文化学芸員。観光マインドが全くない」という辛辣な発言を問題視します。つボイ「日本の歴史や文化を大切にするため、『予算を切ろう』とする行為は慎重にしてもらいたい」「スポーツや万博ばかり優遇しているのでは?」と別の視点からの批判の声も。小高「商売なら儲けが一番かもしれませんが、収益だけを追求するのも最終的に落とし穴があるという人も」商売の世界も結局は同じではないかと指摘し、収益だけで判断するのは疑問、と締める小高でした。(nachtm)