『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)の「ズバリこの人に聞きたい」は、話題の本の著者などにパーソナリティの北野誠がインタビューするコーナー。2月21日の放送では、『日本ホラー小説史怪談、オカルト、モキュメンタリー』(平凡社)の著者で、怪奇幻想ライター・書評家の朝宮運河さんが出演。現在、モキュメンタリーホラーを筆頭にかつてないホラー小説ブームが訪れていますが、この本では戦後から現在まで80年にわたるホラー小説の歴史を紹介しています。ホラーと怪談の違い現在盛り上がっているモキュメンタリーホラーとは、架空のホラー作品をあたかも事実のドキュメンタリー作品のように語るもので、日本ではフェイクドキュメンタリーとも呼ばれています。ただ、今までホラー小説ブームは平成や昭和にも何度か起きているため、脈々と受け継がれてきています。そこで、朝宮さんは昔のホラー小説ブーム、怪談ブームを知らない今の人たちにも知ってもらおうと思い、本としてまとめたとのことです。昔から多くの怪談本、ホラー小説を読んできた北野も、この本で取りあげられている作品を見て、懐かしいと感じたようです。朝宮さんは怪談とホラーの大きな違いについて、「ホラーは基本的にフィクションで、怪談はフィクションもあるけど実話も含む」と語りました。北野は2000年代に怪異蒐集家の中山市朗さんと木原浩勝さんが書かれた『新耳袋』シリーズは、怪談の中でもおどろおどろしさのない部分で新しかったと指摘。朝宮さんは令和のホラーは怪談に近く、中山さんのテイストが取り込まれてリアルなホラー小説が生まれてきたのではないかと語りました。江戸川乱歩から始まった日本で最初に怪談やホラーが流行ったきっかけについて、この本では江戸川乱歩の『怪談入門』というエッセイが始まりと定義。海外の作品を紹介するだけではなく、自分がこれまで書いてきたミステリーは、海外の基準に照らすとホラーにあたるということも紹介していました。その後、現在に至るまでホラー小説ブームは繰り返されるのですが、これは10年に1度ぐらい新しい人が出てきて、その人が10年ほど業界を牽引することで、人気が絶えなかったのではないかと朝宮さんは考えています。そのうちの1人が荒俣宏さんで、テレビ出演などさまざまな分野で才能を発揮されていますが、ホラーのジャンルでも活躍。また小松左京さんの『くだんのはは』という作品に、北野はかなり恐怖を感じたと語りました。昔のホラー作品を見直すきっかけにそして、90年代には『リング』や『らせん』など、Jホラーブームが訪れました。朝宮さんは怖いものが時代によって変わるので、新しいものが時代によって出てくるのではないかと語りました。さらに10年後、どのようなものが出てくるのか楽しみですね。この本ではその時代時代の作品が紹介されていますので、昔のホラー作品を読んでみたいという方にとって、ガイド本としても重宝する内容となっています。(岡本)