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実は前から狙われていた。ビール会社4社のカルテルを解説

実は前から狙われていた。ビール会社4社のカルテルを解説

10月7日、ビールなどの出荷価格を調整するカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は大手ビールメーカー4社に強制調査に入ったと報じられました。10月13日放送の『CBCラジオ #プラス!』で、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に「カルテル」を深掘りしてもらいました。

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カルテルとは?

今回報じられた価格カルテルは、古くから続く業界の慣習だった可能性があり、一部では非公式会合の存在も指摘されています。

正木「カルテルとは独占禁止法で不当な取引制限として禁止されている行為です」

簡単に言うと、本来競争するはずの企業同士が示し合わせることで競争を制限する行為。

健全な自由競争が働いていれば、より良い商品・サービスが手ごろな価格で提供されます。
しかし数社が価格、販売数、販売地域などを調整することで不当に高い価格が維持され、結果的に消費者や取引先が損をしてしまうのでカルテルは禁止されているそうです。

カルテルの罰則

正木「ペナルティとしてはいろいろあります」

まずは行政上のペナルティ。カルテルは止めさせるための排除措置命令があります。
さらにカルテルで得た不当な利益プラスアルファの課徴金の納付命令。これは売り上げなどを計算して算出されるとか。

また、例えば繰り返しやっている社(人)とか主導的な社(人)に対しては、より高い課徴金の納付命令が出されるそうです。

調査に協力すると

正木「カルテルは闇でするものなので実態が表に出にくいんです。なので先に手を上げて、報告して公正取引の調査に協力するとメリットが与えられます」

課徴金の納付命令には内部告発のような制度があるそうです。

1番最初に告白した会社には課徴金の納付命令は無し。
2番目はちょっと減らします。3番目も少なくはあるがちょっと減らす、という具合に、手を上げて調査に協力した企業に対してはメリットを与えることで、カルテルの実態を表に出す効果があるそうです。

無茶な主張はダメ

刑事上のペナルティは、関与した個人に関しては5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金。
関与した法人については5億円以下の罰金が課されるそうです。

損害賠償の面で見ていくと、普通は故意や過失がなかったら損害賠償責任は負いませんが、カルテルに関しては…

正木「カルテルした企業は、自分に故意がなかった、過失がなかったと主張したとしても責任は免れられません。厳しい損害賠償責任が課されています」

カルテルを故意ではないと考えるのは基本的に無理があります。

前から怪しかった

今回のビール会社のカルテルについては、長年同じような時期に横並びで値上げがあり、かなり以前から注目されていたそうです。
90年代や2000年代初頭には値上げが同調的なので、ビール会社は公正取引委員会から3回ほど値上げ理由を報告させられたこともあったとか。

正木「ただその時にはカルテルと認定されてはいないんです。でもずっと公正取引委員会はカルテルじゃないかと疑ってきていました」

今年に入り、今月、強制的な権限を持ってアサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの本社などを捜索。

現在、押収した資料や関係者の証言等を照らし合わせてカルテルかどうかの調査を行なっている段階だそうです。

正木「何十年も同じ時期に一緒に値段が上がるのは偶然なんですか?となるとカルテルと疑われていたのはやむを得ないと思います」

カルテルと談合の違い

カルテルとよく似た言葉で談合があります。カルテルと談合の違いは?

正木「不正な取引制限のひとつであるということでは同じなんですが、対象が違います」

カルテルは物の値段を決めること。談合は入札に対する言葉。国、公共団体、民間企業が発注する入札で、事前に話し合って誰がいくらで取るかを決めるものです。

カルテルが発覚した最近の事件は、2023年、企業向けの電力販売を巡る電力会社4社による独占禁止法違反があります。この時には1010億円という巨額な課徴金が科せられました。

主導したのは関西電力ですが、真っ先に手を上げて自主申告したので課徴金は0円と免れました。以下、中国電力が約707億円、中部電力が約275億円、九州電力が約27億円と続きます。

これからどうなる?

今回のビール会社4社の一件はどう進んでいくのでしょうか?

正木「調査は数年かかることもあります。全容が見えるまでには場合によっては数年後かもしれません」

このタイミングでビール各社が関西電力のように自主申告をすると課徴金は免れる可能性があるとか。その動向にも注目です。
(尾関)
 

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