冬季パラリンピック開幕するも、開会式に選手はまばら…その訳は
大盛況に終わったミラノ・コルティナオリンピック。その余韻の中、ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックが開幕しました。障害のある選手が競うスポーツの祭典、その開会式が3月6日に行なわれ、選手たちが堂々と入場…と思いきや、盛大な盛り上がりを見せるはずの式典に、主役である選手たちの姿はまばらでした。3月7日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がその理由について解説します。
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石塚「ミラノ・コルティナパラリンピックが始まりましたね」
開会式はイタリア北部ベローナ市にある、歴史ある円形闘技場にて行なわれました。10日間の大会が開幕し、6つの競技の79種目で争われます。
イラン選手団は「安全に渡航できない」として、不参加が決定したとのこと。
石塚「僕も開会式を見ていましたけど、ボイコットする国がとても多かったんです」
開会式では各国・地域の旗とプラカードをボランティアが掲げながら、その後に続く形で選手たちが入場します。しかし旗とプラカードのみで、選手の姿が見えない国がいくつかあったようです。
参加国に不満
石塚「なぜかというと、今回の大会にロシアやベラルーシが参加していることに反発している国があるからです」
先日まで行なわれていたミラノ・コルティナオリンピックでは、ウクライナ侵攻をしたロシアと、それを全面的に支援していたベラルーシの2国の選手は、国を代表する選手としては参加してはいけないことになっていました。
石塚「戦争や侵略を支援しない、賛成しないという中立的な立場であれば、個人として特別に参加しても良いという事にはなっていましたが」
ただし国家は名乗れないため、国旗を掲げることも国歌を斉唱することもできません。このように、ミラノ・コルティナオリンピックではロシアとベラルーシに対してかなり厳しい措置が取られていました。
石塚「でもパラリンピックの方はそれと全く真逆で、ロシアもベラルーシも国として参加していいということになっているんです」
その対応に不満を抱き、開会式をボイコットする国があったのです。
調整のため
政治的理由でボイコットをしたのは、ウクライナ、チェコ、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ポーランドの7か国。
石塚「開会式を見ていても、入場行進は寂しいものでした」
しかしそれらの国以外にも、開会式に選手が姿を見せない国がありました。というのも、開会式の会場が3か所の競技会場から離れていたからです。
石塚「パラリンピックのアスリートですから。明日からもう競技が始まるのに開会式まで行っていられない、準備をしたいという動きもあったみたいで」
競技でのパフォーマンスを優先するため参加を辞退したのは、ドイツやカナダ、イギリスやフランスなど。こういった国々もあったため、開会式はより閑散としたものになっていたようです。
多数決の結果
そもそも、なぜミラノ・コルティナオリンピックの時とミラノ・コルティナパラリンピックの時とで、ロシア・ベラルーシに対する対応が異なるのでしょうか?
最大の理由は、参加・不参加の決定方法にありました。
ロシアとベラルーシの参加の是非については、国際パラリンピック委員会の総会で審議が行なわれました。総会に出席した各国の代表が参加・不参加に対してそれぞれ1票ずつを投じ、多数決で決定したとのこと。
石塚「実はロシアの顔色をうかがいたい国はいっぱいいるんです。国の大小にかかわらずどんな国・地域にもそれぞれ1票ずつ権利があるため、多数決をした結果『ロシア・ベラルーシもいいのでは』という国が多くなってしまった」
国際パラリンピック委員会は「これこそ民主的だ」とコメントしていますが、石塚は「多数決」という方法の難しさを感じたようです。
それに加えてアメリカとイスラエルがイランを攻撃したことを踏まえると、アメリカやイスラエルがお咎めなしでパラリンピックに参加というこの状況にも疑問が湧いてきます。
石塚は「結局何をするにしても、こうして世界の情勢が絡んでくるんだな」と複雑な様子で締めくくりました。
(吉村)
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