中日OB・中村武志が忠告。「ピッチクロック」は打者と捕手がキー
元中日ドラゴンズ捕手の中村武志さんが、2月26日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』に出演し、キャンプでのキャッチャーの役割と、WBCで導入される「ピッチクロック」について解説しました。聞き手は佐藤楠大アナウンサーです。
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佐藤「キャンプを見ていて思ったのが、キャッチャーって役割多くて大変じゃない?ということです」
ブルペンでピッチャーの球を受けたり、シート打撃ではキャッチャーとして全体に指示を出したりといろんな役割があります。
全体が終わってからウエイトトレーニングをして、マシンを使ったキャッチング練習をして、さらに個人のバッティング練習をする。
佐藤「長くまで残っているのはキャッチャーだという印象があったんですが、大変ですよね」
中村「僕らの時のキャンプはとにかくピッチャーと同じメニューですよ」
ピッチャーにお付き合い
中村さんが現役の時は「ピッチャーと同じ動きをしなさい」と言われていたそうで、自分の次のメニューはバッティングだとしても、ピッチャーがやめない限り受け続けていたとか。
そのためバッティング練習がない時もあったそうです。
キャッチャーは前日にピッチャーから、その日に投げ込むか投げ込まないかを聞いておくそうです。
投げ込む日は、早めに行ってマシンを打ったり、その日のバッティング練習はなしと決めてピッチャーに付き合うとのこと。
受けないと分からない
中村さんがドラゴンズのコーチをしていた時も、たくさんピッチャーのボールを受けるメニューを組んでいたそうです。
中村「自分で受けて感じて、初めてピッチャーとの会話ができるので」
去年との違いや仕上がり具合は、数字で見るだけでなく、受けないとわからない部分があるとか。
佐藤「ブルペンでピッチャーが何球か投げた後に、誰だれに受けてもらいたいんだよねって言って、呼んでくることがありますよね」
中村「取り合いというかね」
止めるわけにいかない
エースクラスのピッチャーは、この時期までは裏方さんに捕ってもらうそうです。仕上がってきたら選手に見て欲しいということになるとか。
そうなるとキャッチャーは自分の練習は後回し。まずピッチャーのもとへ向かうそうです。
中村「川上憲伸も山本昌さんも投げるし。投げ合いでやめないんですよ。その中でも野口茂樹は特別投げましたね」
野口さんは火がついたら止まらないタイプで、長い時は4時間付き合ったことがあるそうです。
中村「止めるわけにはいかないから覚悟を決めて行かないと。それだけキャッチャーにとってブルペンは大事です」
キャッチャーとピッチャーの気持ち
この時期のキャンプではサインプレーの練習をするそうです。
キャッチャーは全体のコミュニケーションを取ったり、盗塁阻止やクロスプレーを考えながら、ピッチャーの配球やフレーミングもします。
ピッチャーも仕上がってきて、キャッチャーが気をつけていることとは?
中村「サインプレーが入るんですが、やり始めてもミスが多いんですよね。サインミス、プレーのミス。今はたくさんミスが出た方がいいんですよ。気も引き締まるし」
ミスなくうまく行っていると逆に不安になるとか。
キャッチャーとしては、抑えるよりは打たれてくれた方がいい。ピッチャーとしては抑えたい。今の時期の心理はキャッチャーとピッチャーではまるで逆なんだそうです。
中村「今のうちにいろんなことを知っておきたいんです。それに打たれないとピッチャーの気持ちも引き締まらないんですよね」
俺は掃除機か洗濯機
佐藤「となると、キャッチャーはどんな性格の人が向いてるんですか?」
中村「わかりやすく言うと掃除機か洗濯機みたいなもんですよね」
一家に一台まず必要なもの。電気ケトルよりまず掃除機や洗濯機のイメージ。
中村「チームの選手、監督、コーチがそういうイメージを持つキャッチャーにならないといけないです」
入団した時からそのイメージがあるわけではありません。こつこつ信頼を得て、チームにあって当たり前という存在になるのがキャッチャーだそうです。
キャッチャーがキー
WBCではピッチクロック、ピッチコムが導入されます。
ピッチャーは走者がいない場合は15秒、走者がいる場合は18秒以内に投球動作に入らなければなりません。違反すると1ボール加算されます。
メジャーや、韓国プロ野球では導入されていますが、日本ではまだ導入されていないシステム。侍ジャパンへの影響はあるのでしょうか?
ピッチャーばかりがフィーチャーされますが「意外とキーになるのはキャッチャー」と中村さんは。
昨年中村さんは、韓国プロ野球チームの起亜タイガースでコーチをしていました。
中村「キャッチャーがピッチャーにボールを返してから、たぶんタイムがスタートすると思うんですよ。だからキャッチャーがどうするかですよね」
韓国では
日本人ピッチャーは慣れていない上に、タイムが目に入るところに表示されるので焦ってしまう可能性があるので、「まず慣れること」と中村さん。
慣れるためには3秒ぐらい短いイメージで練習が必要。本番ではその3秒が長く感じるとか。
中村「バッターもそうでしょ」
バッターは、ピッチャーが15秒、18秒の投球間のうち残り8秒までに打席で準備を完了しないといけません。
中村さんの経験では、韓国ではピッチャーよりバッターの違反の方が多かったそうです。バッターの違反は1ストライクになります。
中村「僕もベンチから見てて、いま何が起こってるの?ってありました。バッターもわかりませんってなるし、審判も時計を指してしかたないだろって」
バッターは要注意
ピッチャーは、タイム表示が目に付くところにありますが、バッターはいちいち確認しなければならないので感覚でやっているんだとか。
中村「これ意外と短いんですよ。それでどっからスタートしてるか分かんないんですよ」
バッターの違反が、例えばランナー満塁でツースリーだと大変なことになります。
中村「これで試合終了だったらやってられない。今大会1回ぐらいあるんじゃないかなと思います」
23日の福岡ソフトバンクホークスとの壮行試合では、侍ジャパンの佐藤輝明選手がバッターでピッチクロック違反を取られていました。侍ジャパン、本番までに慣れることを祈りましょう。
(尾関)
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