元妻のこどもへの相続は避けられる?再婚家庭の法律相談
身近な疑問・質問・お悩みを解決する『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリ法律相談室」のコーナー。10月22日の放送には、リスナーAさんから夫と元妻との間にできたこどもたちへの相続を避けたいという切実な相談が寄せられました。オリンピア法律事務所の原武之弁護士が、遺留分という法律上の制約がある中で、どのような対策が可能かを解説しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く疎遠な元妻のこどもたち
「うちの旦那は再婚なんですが、元嫁との間に3人こどもがいます。大学を出るまで土地付き一軒家が建つくらいの養育費を支払いました」(Aさん)
公正証書で面会などの約束事を取り決めたにもかかわらず、面会は片手で余るぐらいしかさせてもらえず、週に一度はこどもの様子をメールで連絡するという約束も守られることはなかったといいます。
上の子の結婚式には呼ばれず、お祝いは封も切らずに突き返される始末。下の子の結婚式にも呼ばれず、孫が生まれてお祝いはしたものの、写真を見せてもらっただけだったそうです。
「旦那の両親が『息子が死んだ場合、この3人の子に遺産相続をさせないためにはどうしたらいいのか』を最近検討しています」(Aさん)
遺留分はゼロにできない?
遺言書で「現在の家族にすべて相続させる」と定めても、遺留分は本人が生前に放棄しない限り残ります。
結局、別れた奥さんとの間にできた3人のこどもが自らの意思で放棄しない限り、遺留分は残ってしまうそうで、遺留分を完全にゼロにすることはできないとのことです。
原弁護士は遺産額を減らすため、今の家族への生前贈与を勧めました。しかし、亡くなる前10年ぐらいの贈与は相続財産に含まれる可能性があるため、注意が必要だそうです。
そのうえで、塾代を多めに払う、学校に行かせてあげるなど、正当な形で減らしていくのが現実的だといいます。
話し合いという選択肢
前妻のこどもたちと話し合いをして、生前にいくらかを渡して精算しておくという方法もあるそうです。とはいえ、結婚式のお祝いを封も切らずに返されたという事実がある以上、相続も不要だと言ってくる可能性もあります。
原弁護士はまた、「もう1人こどもがいるので、そこにお金がかかるからそちらは引いてもらう」といった話し合いもしてよいとアドバイスしました。
結論として、まずは遺言書をきっちり作成することが第一歩。そのうえで、生前贈与や話し合いなど、複数の方法を組み合わせて対策を講じることが重要であるようです。
(minto)
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