突如現れた給付金配布、消費減税とどちらが良い?

7月に投開票が行なわれる参議院議員選挙に向けて、与野党の公約が徐々に出てきています。自民・公明の両党は公約に「給付を明記する」と合意し、立憲民主党は「食料品の消費税率ゼロ」を掲げています。どちらも最近の物価高に苦しむ国民に向けた施策ですが、実際に有効なのはどちらなのでしょうか?6月11日放送『CBCラジオ #プラス!』ではCBC論説室の石塚元章特別解説委員が、各党が打ち出している物価高対策について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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自民党は1人当たり2~4万円の一律給付を検討していますが、所得制限を設けるのか、給付方法をどうしていくのかなどについてはまだ決まっていません。
ただ、今年の4月に1度、自民党が給付金の話を出そうとしたところ、「選挙目当てのバラマキではないか」と批判が出て、取り下げたことがあります。
野党がおおむね消費減税を選挙の争点にしようとしている中で、同じことは提案できない状況。
さらに自民党からすると、将来の社会保障に影響するため、減税はできないというスタンス。
そうすると、野党からは「今の政府は給付金も消費減税も行なわず、物価高対策をしない」と責められてしまいます。
石塚「(春に自民党が給付金を提案した時に)バラマキだって言って責めてたのは野党なんだけど、与党としてもまずいということももちろんあって。
今度の給付のアイデアでも、赤字国債を出すわけでもないし永久にやるわけでもないし、ちゃんと税収の上振れを計算したら、これだけ配っても影響がないよと」
食料品の消費税ゼロを提案
トランプ関税の問題や物価高は以前から起こっており、今さら「生活が苦しい国民のために給付金を配る」と言っても、選挙目当てと見られてしまいます。
一方、立憲民主党は一律2万円の給付に加え、食料品の消費税は最長2年間ゼロを提案。
財源については「外為特会の余剰金や政府基金の減額で賄える」と主張しています。
ただ、民主党時代の政権交代時「霞が関に埋蔵金はある」「事業仕分けで無駄を省くので財源はある」と力説したものの、実際には財源は十分になく事業仕分けも不評でした。
そのため「今回も本当に実現できるのか?」との疑問は拭えません。
お金も大事だけど
選挙の争点として、どうしても給付金やコメ問題など生活に直結した問題ばかりが話題になります。
石塚は「メディアの大きな責任」と断りつつ、有権者が本当に給付が良いのか消費減税が良いのか、社会保障はどうなるのかなど、きちんと考えて投票しているのかに疑問を呈します。
さらに「お金がもらえるならうれしい」というだけで決めていないか、と苦言を呈しました。
もちろん、そのような有権者ばかりではありませんが、多くの人が興味があると思われているからこそ、政治家が考える施策も給付金や減税に舵をきってしまうと語りました。
今のことはもちろん、先のことを見据えて政策を立案しているのか、よく見た上で投票に行く必要がありそうです。
(岡本)
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