日産が再びリストラを発表!どうなる日本の自動車業界

5月13日、大手自動車メーカーの日産自動車は2028年3月期までに世界で7工場を削減すると発表しました。今回は国内工場も含まれており、世界の全従業員数の15%に相当する2万人の削減にも踏み切って行くとのこと。これまで何度か構造改革を行なってきた日産ですが、コスト高体質から脱却できないまま、主力となるアメリカや中国の売り上げも減っているという状況が続いています。5月14日放送『CBCラジオ #プラス!』では自動車業界の現況について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くトランプ関税で大打撃
日産はすでに2024年11月、9千人のリストラを発表していますが、さらに多くの人員削減を行なうこととなりました。
どの工場を閉めるのかについては今後検討するとのことですが、開発工程の刷新も行ない、部品の種類を現状から7割削減することも考えているとのことです。
そして、最近大きなマイナス要因となっているのがトランプ関税。
日産はメキシコからの輸出が約30万台、日本からは約12万台で、それに対して関税が重くのしかかるため、通期ベースではなんと最大4千5百億円のマイナスを見込んでいるそうです。
一方で今年2月、日産はホンダとの経営統合の協議が破談で終わりました。
ホンダとはアメリカでの協業をあらためて検討しているとのことですが、頼りのホンダも6千5百億円の減益と苦しい状況です。
工場閉鎖で地域に打撃
1999年、カルロス・ゴーン氏が不振の日産に乗り込んできて「リバイバルプラン」と称した経営再建案を示しました。
その後、再び拡大路線に進みましたが、不調で終わってしまいました。
2024年度の稼働率は中国の工場を除くと全体の70%で、工場によってはもっと低いところもあるようです。
日産は2025年3月期の純損益で、過去3番目となる6708億円の赤字を叩き出したことを発表しました。
過去25年の間に何度も6千億円規模の赤字が出ているのは、かなり厳しい状況といえます。
国内工場の閉鎖は、地域の雇用が失われるだけでなく、周辺の飲食店なども大きな打撃を受けてしまいます。
永岡は以前のカルロス・ゴーンによる改革後の状況について「2000年代の時にだいぶ生産能力が過剰になっちゃって、アメリカでは安売りをかなりして」と紹介しました。
業績改善につながるか?
それだけ厳しい状況が続く中、今回メキシコ出身のエスピノーサ社長は再び大ナタを振るい、再び大きなリストラを進めることになりました。
石塚「本当に思い切ったことをどこまでできるかですよね。業績改善までつなげられるかどうか」
今や100年に1度の変革期と言われている自動車業界。
内燃機関で動いている車は今もありますが、今やコンピュータやソフトウェアがかなり組み込まれている状態。
EVなどが増えてきている中で、これまでのタイプのエンジンが作れなくても、電化製品のように作ることができるようになってきたため、他業種からの参入が増えてきています。
トヨタは自動車以外の業種も模索している中で、日本の基幹産業といわれる自動車産業の将来が気になるところです。
(岡本)
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