きっかけは運動会?大型連休明けに不登校が増える理由。

大型連休明けの5月は夏休み明けと並んで、不登校が1年で最も増える時期とされています。4月の新年度が始まって1か月で大型連休を迎えられるものの、それが終わって次の夏休みまでの長い期間を思うとストレスが溜まるようです。5月8日の『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーと山本衿奈が朝日新聞の記事を基にこの話題を取り上げ、意見を交わしました。
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大型連休後に学校に行きたくない理由として、学校での人間関係の不安や体調不良、勉強面の不安があるようです。
永岡「こどもの中には本人も気持ちの整理、分析ができない、学校に行きたくない理由がわからないけれど『なんか行きたくないんだ』ていうところがあるみたい」
そういう場合に大人は無理に原因を聞き出さず、つらさ、悲しさといった感情表現に耳を傾けることが大切です。
こどもが体調不良を訴えた場合、親は仮病と疑わずに、こどもの味方であることをしっかり伝えるべきとのこと。
また、生活リズムを見直すなどして少しずつこどもの体力を取り戻すことも必要です。
大人でさえも逃げる判断は難しい
もちろん連休明けの憂鬱はこどもだけではありません。大人にもありますが、最近目立つのは退職代行を使う人が昨年よりも増えているということ。
山本「大人だったら退職代行を使って自分で逃げられるけど、小さい子っていうのは、自分からなかなかこう、逃げられないというか」
だからこそ親や教員が寄り添うことがより大事になってくるのではないかと続けます。
また永岡は「大人になっても逃げるべきストレスなのかわからないことがある」と言います。
永岡「『退職するんだ、仕事を変えるんだ』って決意までできる人って、それもそれでまた強い人だったりもするから」
「次の仕事などが見つからないかもしれない」といった不安で、行動に移すことができない人もいます。大人でも見極めるのは簡単ではありません。
永岡「小学生、中学生、高校生、学生なんて余計にっていうところあるよね」
運動会が不登校のきっかけ?
こどもが学校に行きたくなくなるひとつのきっかけに運動会があるそうです。
運動会は「みんなで」の意識が普段以上に強く、苦手なこどもにとって苦しい時間になってしまうとのこと。
これに共感する山本。
山本「運動苦手な子って『足を引っ張っちゃいけない』とか、『自分がリレーで転んじゃって責められちゃう』とか、小学生の時とかね、あるかもしれないので」
永岡「なるほど。みんなで踊るダンスとかも『なんでそこできないんだ』みたいなのがわかってるけど、できない子っているし。見たものはそのままできる子もいると。やっぱり、そこの個人差っていうのがまたね」
能力の個人差を感じさせられる運動会で苦しい思いをするこどもは案外多いかもしれません。
だからこそ運動会後の親の寄り添いは必要不可欠です。
親や教員に言えない時には
法務省では、こどもに無料や低額の食事提供をする「子ども食堂」などの地域の交流拠点に、人権擁護委員を派遣する取り組みを始めます。
こどもと直に接して悩みを聞くことで、いじめや虐待の兆候を早期に把握する狙いがあるということです。
この取り組みにふたりは賛成の様子。
永岡「こどもたちに『自分でSOSを出しなさいよ』とは言うけど、そりゃ難しいぜっていう話だよな」
山本「つらさを感じても、どこに助けを求めればいいかわからないっていうね、状況も本当に多いと思う」
親や教員では関係性が近すぎて言いずらい悩みも、人権擁護委員などの第三者には言えるかもしれません。
こどもたちの心の健康ために、大人ができることが今後も増えていくことを願います。
(ランチョンマット先輩)
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