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公平な遺産相続に意外なアイディア!遺言書と生命保険の組み合わせ

公平な遺産相続に意外なアイディア!遺言書と生命保険の組み合わせ

少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。4月30日の放送では、財産承継時に遺言書と生命保険を一緒に活用したケースを北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ株式会社 名古屋営業部 財務コンサルタント山﨑 徹治さんに伺いました。

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3人兄弟の中で一番世話になった長男

今回山﨑さんが紹介するのは、こどもたちへの財産承継に、遺言書と生命保険を活用した事例とのこと。

北野「これまで遺言のお話はいろいろ伺ってきましたが、生命保険というのは初めてですね」

どのような相談だったのでしょうか?

山崎「お子様が3人いらっしゃいました。ご主人様を早くに亡くされて、長らく長男家族と同居されています」

山崎さん曰く、おそらく将来も療養看護や介護の面で長男に面倒を看てもらう予定とのことで、依頼者は長男に大変感謝しているそうです。
あと2人の子は県外で生活していて、帰ってくる様子はなさそうです。

こどもたちに差をつけたくない

北野「そうなると長男にしっかり財産を遺す遺言がいいですよね」

山崎「そうですね。私もまずはそのようにお勧めしました」

ところが依頼者は、確かに長男にはしっかり報いるようにしたいが、3人ともかわいいことには変わりないので、「あからさまに差をつけるような遺言は書きたくない」との希望があったそうです。

北野「確かに子を持つ親としては、その気持ちはわかります。でも、そこからどう生命保険につながるんでしょうか?」
 

死亡保険金は遺産分割の対象ではない

まず、山崎さんは生命保険の「死亡保険金」について解説します。

一般に被保険者が死亡したときに支払われるのが「死亡保険金」です。
この死亡保険金は相続財産との見方はありますが、権利としては受取人の固有の財産として、原則遺産分割の対象にはなりません。
遺言があった場合でも、死亡保険金には遺言の効力が及ばないとされています。

次に、生命保険契約には少なくとも3種類の登場人物があります。契約者、被保険者、保険金受取人です。
「契約者」はその保険の持ち主で、一般には保険料を支払った人。
「被保険者」は、その保険の対象となる人。
「受取人」は文字通り保険の支払い事由が発生したときに保険金を受け取る人です。

山崎「今回のケースでは、契約者と被保険者がご相談されたお母様、死亡保険金受取人を長男様とする契約を結んでいただくことにしました」

つまり、預貯金などの遺産はこども3人で分けることになりますが、そのお母さんの死亡保険金は長男が単独で受け取ることができます。

お金に宛て名をつける

高齢になりつつある北野には懸念があるようです。

北野「生命保険というと、ご高齢の方や、持病があったりすると入れない場合もあるんじゃないでしょうか?」

山崎「最近は、健康の告知が不要なものや、あっても簡単な告知で足りるものもあり、ご高齢でもご利用されている方はいらっしゃいます」

北野「特定の子にあげたいと思っている場合、生命保険の活用は有効!」

山崎「このことを『お金に宛名をつける』表現する方もいらっしゃいます」

保険会社は預かった資金を運用して受取人に支払うため、保険商品は遺言のように資産承継に有効な側面がある、と続ける山崎さん。

ただし、保険金がその方の財産に比して過大な契約額であった場合や、相続人間で著しい不公平が生じる場合などは、受取人固有の権利とみなされない可能性があるとのこと。

公平感のある財産承継

ちなみに、事例の依頼者は遺言書も書いたのでしょうか?

山崎「はい。預貯金はこどもたちに3等分で相続してもらう遺言を書いていただきました」

生命保険との組み合わせにより、子を区別することのない公平感のある遺言とは別に、長男に対しては死亡保険金を渡せます。
感謝の気持ちを保険金で残せる財産承継が実現できたそうです。

遺言と保険を組み合わせた相続対策に、目から鱗の北野でした。
(野村)
 

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