イラン情勢、クマ出没、猛暑さらに物価高、2026年夏休みを取り巻く波乱の要素
列島各地から梅雨明けのニュースが届き始め、いよいよ夏休みシーズンが到来する。どんな夏休みを過ごすか、2026年(令和8年)は例年以上に、不透明な要素に包まれているようだ。
予算総額は増えている
調査会社インテージが、全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象に行った「夏休み」に関する調査結果が発表された。まず、全体の傾向が最も分かりやすいのは予算である。夏休み予算総額は、2年連続のマイナス傾向から一転し増加していることが分かった。前年よりも1,618円増えて、総額5万8,902円と、6万円台に迫る勢いだ。
物価高と円安が理由
夏休みへの勢いが加速しているのかと言えば、そうではない。予算が増える理由として、最も多かったのは「物価高・円安だから」と答えた人が、回答者の半数近い45.7%。前年よりも2割近く増えている。結局、夏休みのための予算が増えたとは言っても、それは、物価高や円安といった“外的要因”によるものが大きいのだろう。
イラン情勢の影響は?

こうした背景の中、海外旅行の予算は、前年から13万円近く増えた53万1,505円と132.3%のアップとなっている。やはり夏休みを利用して海外へ行く人は多い。ただ、今年は“特殊事情”がある。年初の米国による攻撃に端を発したイラン情勢である。特に不安定なホルムズ海峡の危機は、夏休みの海外旅行にどう影響しているのだろうか。自らの予定に「影響がある」と答えた人は全体の26.2%、4分の1を上回っているのだから、やはり深刻だ。「海外旅行を控える」「国内旅行に変更した」こんな回答も目立つ。
クマの出没に警戒
国内旅行では、クマの影響が今年の特徴である。全国各地でのクマの出没、国内旅行や帰省に影響があると答えた人は18.1%だった。「アウトドアを控える」「中止した」や「旅行先を変更した」、さらに「国内旅行や帰省を控える」「中止した」という回答も見られた。連日ニュースをにぎわしているクマ騒動は、夏休みの予定にも影を落としている。「クマ」をテーマにした質問が登場すること自体が“異常事態”とも言えそうだ。
8割が「猛暑は不安」

そして猛暑、厳しい暑さへの警戒は、今回の調査結果でも色濃く出ている。猛暑への不安について「とても不安」または「不安」という回答は、全体の53.1%と過半数を超えた。「やや不安」という人を加えると79.1%、実に8割近くが、猛暑が夏休みにも影響していると答えている。「もし猛暑でなかったら行きたい場所」として、遊園地、テーマパーク、そしてキャンプなどが挙がり、屋外で過ごす夏休みに躊躇している人が増えていることが分かった。
巣ごもり派が増える

そうなると、夏休みはどう過ごすのか。最も多かった回答は「自宅で過ごす」で38.6%。「宿泊付きの国内旅行」や「ショッピングや食事など」という回答を2倍以上も上回り、全体の4割となった。年々増加を続けている。長引く物価高に加えて、中東情勢、クマの出没、そして猛暑への警戒など、“複合要因”によって、“巣ごもり”型の夏休みになる傾向が明らかになった。
波乱万丈の夏休み、しかし、大人にとっても、子どもたちにとっても、人生の楽しい時間を刻む大切な機会でもある。知恵をしぼったり、発想を転換したり、それぞれで思い出に残る2026年の夏を過ごしたいものである。
【東西南北論説風(704) by CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】




