なぜ神社を囲むように造られた?静岡県にある“謎のループ道”を調査!
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、YouTubeチャンネル「おもしろ地理」でさまざまな道を紹介している道マニアのかずまるさんと、珍しい道や変わった標識などを求めて全国を巡る道マニアの石井良依(らい)さんの二人が、静岡県にある“謎のループ道”を調査します。
大嶺八幡神社を囲むように存在する“謎のループ道”

二人が訪れたのは、静岡県浜松市を流れる天竜川の近く。今回は石井さんたっての希望で、どうしても調査したい場所があるそうで…
(道マニア・石井良依さん)
「この近くに謎のループ状の道路があり、その真ん中に大嶺八幡神社がある。なぜ神社を囲むようにループ道が造られたのか解明したい」
地図で確認すると、県道285号・286号がぐるっと一周する形で走っており、その真ん中に大嶺八幡神社があります。
(道マニア・石井良依さん)
「一般的には、急な高低差を緩やかな坂で繋ぐためにループ状に設計されることが多い。丘の上を通る秋葉(あきは)街道から対岸に橋をアクセスすれば、わざわざループにしなくても高低差的には十分確保できたのではないかと思うが、なぜその形になったのか気になる」
まず二人は、実際にその道を車で走ってみることに。

(道マニア・かずまるさん)
「確かにこれはループ道。このくらいの高さだったら、ループさせて高さを稼がなくても行けると思う」
丘のふもとを走る県道に勾配をつければ、ループ道にしなくても高さを稼げたのではないかと疑問を抱く二人。

さらに丘に沿ってカーブする道を進み、コンクリート製の「鮎釣(あゆつり)隧道」を抜けて一周ほどすると、天竜川に架かる橋が見えてきます。
続いて二人は、車を降りて徒歩で調査。天竜川に架かる橋は、昭和30年(1955年)竣工の「竜山(たつやま)大橋」と判明。橋のたもとには「上流には秋葉ダム、秋葉発電所がある」と書かれた表示があり、すぐ隣にループ道の内側へ行けそうな階段が。

舗装された階段を上っていくと神社が現れ、明治34年(1901年)建立と記された鳥居も姿を見せます。
(道マニア・石井良依さん)
「この神社は125年の歴史がある。地域にとって重要な存在だったのでは」
「さっき上ってきた階段は、後にできた感じがする」とかずまるさんは言い、さらに念入りに観察すると、小道には分岐がいくつか存在することも判明。
(道マニア・石井良依さん)
「地図で見るとループ道と秋葉街道はものすごく近接しているので、徒歩で行き来する道もあるのではないか」

小道を辿ってみると、ループ道の内側にある道は推測した通り秋葉街道に接続しており、秋葉街道と鮎釣という集落を繋いでいます。しかし、ループ道の上部を通る道がなぜ複数に分岐しているのか分からず、ますます謎は深まります。
“謎のループ道”ができたワケとは

一体なぜこの場所にループ道が造られ、神社を囲うような形になったのか?地元の人によると、戦後の天竜川では、深刻な電力不足と慢性的な洪水被害を解消するためにダム開発が進められ、1958年に「秋葉ダム」が完成。
雨量の多いこの地域はダム放水時の水位も高くなることから、橋は鮎釣の対岸側にある標高が高い「戸倉(とくら)」に合わせて造られました。

標高の高い秋葉街道から戸倉へ繋げるよりも、高低差がなく最短で橋をかけられるのが、大嶺八幡神社のある丘だったとのこと。
戸倉と同じ高さにあるこの丘には、地域の氏神様である大嶺八幡神社とその参道があり、ループ道ができるずっと前から神社では大きな祭りが行われ、屋台が並ぶほど賑わっていたそう。「昔は信仰が厚かったから、神社を潰したり移動させたりすることは考えられなかったのでは」と地元の方は言います。

当時、神社に干渉せず勾配を稼ぐには、周りを囲むようなループ道にするのが最適な方法ということで、ダムの建設にあわせて竜山大橋とループ道が資材運搬の専用道路として建設され、秋葉ダムが竣工した1958年に県道指定されたとのことです。
そして昔から存在していた秋葉街道へと続く分岐した小道も、ループ道完成とともに舗装されました。
CBCテレビ「道との遭遇」2026年6月2日(火)午後11時56分放送より





