若い世代が増えている?「最後の選択肢」ではなくなった結婚相談所 2025年の婚活事情とは
かつては「最後の選択肢」と見られがちだった結婚相談所。しかし2025年の今、その扉をたたく人たちの顔ぶれは大きく変わりつつあります。
若年層の利用増加、恋愛経験がないまま大人になった世代、さらには親と一緒に訪れるケースも。現場のリアルな声や会話から、いま結婚相談所が担っている役割、そしてそこに足を運ぶ人たちの本音を紐解いていきます。
若すぎるではなく「タイパ」と考える婚活
「隣の女性」のリアルな本音を伝え「今」を生きる女性たちを応援したい――。そんな思いから、CBCテレビは「me:tone編集部」を立ち上げました。今回は、婚活業界で活躍するブライダルサロンbouquetの佐藤香織さんに、いま結婚相談所の扉をたたく人たちのリアルについて伺いました。
佐藤さんは2025年における結婚相談所来訪者の年齢層に、明らかな変化を感じているといいます。かつては20代後半から30代が中心だったものの、最近では20代前半でカウンセリングに訪れる人も珍しくなくなったそう。

metone編集部:「若い方が増えてきた背景には、やはりコロナ禍を経験した世代が大人になってきた影響があるのでしょうか?」
佐藤さん:「本当にその通りで、高校生や大学生の時期に生活が止まってしまったような感覚を持つ方が、今ちょうど20代前半として来られている印象です」
コロナ禍という特殊な時間を青春期に過ごした世代。
進学し、友人と語り合い、恋をする――。そうした“当たり前”の学生生活が突然制限され、人との距離を縮める経験を十分に持たないまま社会人になった人たちが多いと、佐藤さんは分析します。
佐藤さん:「恋愛経験が少ない、あるいはまったくないことを気にされる方も多いですね」
ただ、相談所の世界ではそれは決して不利な条件ではありません。むしろ「遠回りをせず、安心できる環境で経験を積みたい」という前向きな選択として受け止められているといいます。
「出会いがなかった」というよりも、「出会い方を知らないまま大人になった」。
そんな感覚を抱え、将来への不安を感じ始めたタイミングで、結婚相談所という選択肢にたどり着く人が増えています。時間も気持ちも無駄にしたくない、いわゆる「タイパ」(タイムパフォーマンス)を重視する今の若い世代にとって、結婚相談所は「早すぎない婚活」の場として機能し始めているのです。

親と一緒にたたく扉──変わりゆく親子の距離感
静かに増えているのが、親と一緒に結婚相談所を訪れるケース。特に多いのは、20代前半の女性と母親という組み合わせです。
佐藤さん:「若い女性とお母様が一緒に、初めてのカウンセリングに来られることがあります。お母様のほうが熱心で、ご本人はまだピンときていない場合も少なくありません」
背景にあるのは、親子関係の変化だと佐藤さんは話します。
近年は反抗期が比較的少なく、日常的に会話を重ねてきた親子が増え、進学や就職といった人生の節目を親と相談しながら決めてきた人が多い。その延長線上で、結婚相手選びも「一緒に考えるテーマ」になっているのです。
佐藤さんが活動する東海地区、特に愛知県の女性は、実家や地域との繋がりが強く、親子関係がとても良好なケースが多いといいます。信頼関係がしっかりと築かれているからこそ、人生に関わる相手選びで迷ったとき「お母さんに確認したい」という本音が生まれるのではないか、と佐藤さんは推察します。
親が前に出ることを過干渉と捉える見方もありますが、当事者にとっては必ずしもそうではありません。身元確認が徹底され、第三者であるプロが介在する結婚相談所は、親にとっても子どもにとっても「安心できる仕組み」として受け入れられていると実感しているそうです。
30代・40代が気づく「今の心地よさが続く保証はない」という現実
一方で、30代後半から40代の相談者も依然として多く訪れています。
仕事に打ち込み、収入も安定し、趣味や交友関係にも恵まれている人たち。結婚を人生の必須条件とは考えず、自分なりの充実を築いてきた世代です。
佐藤さん:「『今まで結婚のことを考えたことがなくて、仕事が楽しくて走ってきたら、気づいたらこの年齢でした』と話される39歳残後の方はとても多いですね」
決して不幸ではなく、むしろ日々は満たされている。それでも、年齢の節目や親の老い、友人のライフステージの変化を目の当たりにしたとき、ふと立ち止まる瞬間が訪れます。
me:tone編集部:「寂しいわけではないけれど、人生のプランの中に必ず結婚があったわけでもない、という感覚ですよね」
佐藤さん:「そうなんです。ただ、“いつまでも今の心地よさが続く保証はない”と気づいたときに、初めて結婚を意識される方が多いですね」
恋や人生に失敗した人が駆け込む場所としてではなく、これからの人生をどう生きるかを考え直すための、静かな選択肢として結婚相談所が選ばれています。

最終的に『この人にしよう』と決める理由
結婚相談所の扉をたたく人たちは、最初から「こんな人と結婚したい」という明確な答えを持っているわけではありません。多くの人が、「何が正解かわからないけど、今の生活を変えたい」という思いを胸に訪れます。
me:tone編集部:「最初は条件を重視して来られる方も多いのでは?」
佐藤さん:「そうですね。最初から理想像がはっきりしている方もいます。ただ、扉をたたく時点では、迷いの途中でありながらも、『何かを変えたい』という気持ちははっきりしている方がとても多いです」
活動を重ねる中で、条件が揃っていても会うたびに疲れてしまう相手とは続かないこと。本当に求めているのは“自然体でいられて安心できる人”だということに、少しずつ気づいていきます。

佐藤さん:「最終的に『この人にしよう』と決める理由は、結局のところ昔とほとんど変わっていないんです」
扉をたたく心理の奥にあるのは、完璧な相手を探したいという願いではなく「安心して隣にいられる人と生きていきたい」という、シンプルで普遍的な思い。
2025年、結婚相談所の扉をたたく人たちは、追い詰められているわけではありません。
自分の人生を丁寧に考えた末に、「今、動くこと」を選んだ人たち。その静かな決断こそが、今の婚活を象徴していると言えそうです。

【ブライダルサロンbouquet代表 佐藤香織氏 経歴】(写真左)
日本航空グランドスタッフとして4年勤務し、20代で結婚。
夫の海外赴任によって、2年間アメリカでの生活を経験。
駐在中に第一子を出産、帰国後に第二子を出産。
2014年 名古屋市・千種駅前で、「ブライダルサロンbouquet」を開業
カウンセラー歴11年
「ベスト仲人賞」受賞(県内唯一)、IBJ AWARD9期連続受賞、他計19回の表彰歴。
≪保有資格≫
JLCA認定婚活カウンセラ・スペシャリスト/上級心理カウンセラー/メンタル心理カウンセラー
番組紹介
働く女性のリアルな声を届けるWEBメディア『me:tone』。
名古屋を起点に、座談会や美容・キャリア・お金の話題まで、身近で共感できる情報を発信し、女性たちの「今」を応援します。
共感と気づきで毎日を前向きに。毎週不定期で更新。


