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高齢者の「転倒」半分以上が家の中...自宅に潜む『骨折』リスクと専門医に学ぶ「骨を強くする方法」

高齢者の「転倒」半分以上が家の中...自宅に潜む『骨折』リスクと専門医に学ぶ「骨を強くする方法」
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

サマリーSummary

ゲスト:榊原郁恵
ドクター:伊奈病院 副院長 整形外科科長 医学博士 石橋英明
高齢になると思わぬ場面で転倒してしまい、骨折につながる事も少なくないといいます。それがきっかけとなって寝たきりになると、健康寿命を大きく縮めてしまう事もあるそうです。さらに、高齢者の転倒は半分以上が家の中で起こっており、住み慣れた家だからこそ油断は禁物なのだとか。そこで今回は、転倒が起こりやすい家の中の危険ポイントや、骨を強くする方法などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。

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メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは伊奈病院 副院長 整形外科科長 医学博士 石橋英明先生です。

今回のテーマは「〜ちょっとした油断が命取り!?〜自宅に潜む『骨折』のリスク」

高齢になると思わぬ場面で転倒してしまい、骨折につながる事も少なくないといいます。それがきっかけとなって寝たきりになると、健康寿命を大きく縮めてしまう事もあるそうです。さらに、高齢者の転倒は半分以上が家の中で起こっており、住み慣れた家だからこそ油断は禁物なのだとか。そこで今回は、転倒が起こりやすい家の中の危険ポイントや骨を強くする方法などを専門医に教えてもらいました。

骨折につながる危険スポット(1)ベランダの「サッシ」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<油断大敵!家の中の1センチ>
歳をとると思ったように足が上がらず、ベランダなどのちょっとした段差でつまずく事があるそうです。事実、加齢とともに下半身の筋肉量は大きく減少。足を上げにくくなる事で1センチ程度の段差でも転倒し骨折のリスクが高まってしまうのだとか。ベランダ以外にも、足が上げにくい事で転倒しやすいのが「カーペットのフチのめくれた部分」。これを防ぐためにも、カーペットのフチはテープで止めるのがオススメ。他にも電化製品のコードは部屋の隅にまとめる。敷居は、室内用スロープで段差を埋めるなど転倒のリスクを減らすように工夫をする事が大切だそうです。

<転倒だけじゃない!他にもある骨折の原因>
骨折の原因は、転倒だけではなく骨が弱くなっている事も関係しているそうです。先生曰く、骨が脆くなるのは骨の新陳代謝のバランスが崩れるから。骨には、骨を溶かす破骨(はこつ)細胞と骨を新しく作る骨芽(こつが)細胞の2つが存在します。通常は、破骨細胞が古くなった骨を溶かし、骨芽細胞はその溶けた部分を埋めるように新しい骨を作ってくれるそうです。ところが、何らかの原因で破骨細胞が働きすぎて骨を過剰に溶かすと、骨を作るのが追い付かなくなり、骨が弱くなります。これが、一般的に骨粗しょう症といわれる状態だそうです。

<骨の新陳代謝のバランスが崩れる原因とは?>
骨の新陳代謝のバランスが崩れる原因の1つが、女性ホルモンの減少だそうです。女性ホルモンは、本来破骨細胞の働きを抑制してくれるそうですが、40歳を過ぎたあたりから女性ホルモンは減少。破骨細胞が活発になって骨が脆くなりやすくなり、骨折のリスクも高まってしまうそうです。

<体重が軽い人は骨が弱くなりやすい!?>
先生によると、骨は基本的に力がかかると強くなる性質があるとの事。体重が軽い人は、骨にかかる負荷が少ないため、骨が弱くなりやすいそうです。他にも、加齢・喫煙・飲み過ぎ・運動不足なども骨が弱くなる事がわかっています。そのため、男性も注意した方が良いそうです。

骨折につながる危険スポット(2)「階段」

<尻もちでも骨折に!?>
背骨にはいくつもの小さな骨がつながっています。それによりしなやかに動き、外からの衝撃を吸収してくれるそうです。ところが、骨粗しょう症で骨が弱っていると、衝撃を吸収しきれず、尻もちはもちろん、ちょっとした衝撃で骨折につながる恐れがあるのだとか。先生によると、衝撃が吸収できずに骨が潰れてしまう圧迫骨折をすると1週間は寝返りが打ちづらくなり、生活の質も下がってしまうそうです。

<圧迫骨折につながる意外な原因とは?>
くしゃみをすると、背骨に大きな負荷がかかるため、骨が弱くなっているとその衝撃で圧迫骨折を起こす事があるそうです。

<折れているのに痛くない!?「いつの間にか骨折」>
骨粗しょう症で骨が弱っていると、些細な動作や姿勢によって圧迫骨折を起こす事があるのだとか。気づかないうちに起きてゆっくりと背骨が潰れるため、痛みなどの自覚症状もなく「いつの間にか骨折」といわれているそうです。

<いつの間にか骨折セルフチェック>
□昔と比べて身長が3cm以上縮んだ
□最近背中が丸くなった
上記のいずれかに当てはまる場合は、いつの間にか骨折によって背骨が潰れている可能性があるそうです。背骨が丸くなると肺や心臓が圧迫され心肺機能が低下する場合もあるそうなので、気になる方は一度整形外科を受診してみてください。

骨折につながる危険スポット(3)「玄関」

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<最も転倒が多い「玄関」に潜む危険>
玄関は、「靴を履こうと片足を上げる」「高い段差」「誤って靴をふむ」など、転倒につながる要素が多いので注意が必要だそうです。

<高齢者に多い「大腿骨」の骨折>
先生によると、高齢者の骨折で多いのが大腿骨の頸部骨折。大腿骨は人間の骨の中で一番大きくて強い骨ですが、骨盤に近い頸部や転子部という部分は破骨細胞が密集しているので骨が弱くなりやすいのだとか。実際に、その骨折患者数は年間20万人以上にものぼるそうです。

<大腿骨の骨折が寝たきりにつながる!?>
大腿骨の骨折は、最も寝たきりにつながりやすいそうです。実際に65歳以上の高齢者が大腿骨を骨折すると5年後の生存率が63.5%まで下がるというデータも。骨折を防ぐためにも、玄関では靴を履くための椅子や台を使うのがオススメ。こうした小さな工夫が健康寿命を延ばすきっかけになるそうです。

骨粗しょう症を予防するために!骨を強くする方法

<名医オススメ!骨を強くする方法>
歳を取っても骨を強くする事ができるそうです。骨は、荷重や衝撃がかかると強くなるという性質があるのだとか。先生によると、大切なのはやはり運動。オススメは「少し速めのウォーキング」や「スクワット」。適度に骨への負荷がかかり、骨芽細胞の働きが活発になって骨が強くなるそうです。

<名医オススメ!骨を強くする食材>
骨を強くするために大事な栄養素はカルシウムだそうです。ところが、カルシウムは腸での吸収が悪い栄養素なのだとか。そのため、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」も十分に摂る事が大切。そしてもう1つ、「ビタミンK」も骨にカルシウムが沈着するのを助ける働きがあるそうです。ビタミンKが不足すると骨折しやすいという疫学調査もあるのだとか。「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK」これら3つの栄養素をバランスよく摂取して骨を強くしましょう。ビタミンDは、シャケやキノコに多く含まれるほか、日光を浴びる事で皮膚でも生成されます。ビタミンKは、納豆をはじめキャベツやブロッコリーにも含まれているそうです。

<3つの栄養素を1度に摂れるメニュー「しらす納豆」>
先生曰く、骨を強くするのに大事な3つの栄養素をまとめて摂れるオススメメニューが「しらす納豆」。しらすには「カルシウム」と「ビタミンD」、納豆には「ビタミンK」が含まれているそうです。(※高血圧や腎臓病の持病がある方は主治医にご相談ください)

骨粗しょう症と診断されたら?

先生によると、骨粗しょう症と診断されたらさまざまな薬を使って治療をするそうです。 薬は大きく2種類あり、1つは破骨細胞が骨を溶かすのを抑制する薬。もう1つは、骨芽細胞が骨を作るのを助ける薬。骨密度検査や血液検査の結果から最適な薬を処方し、治療を続けていくそうです。そのため、諦めずにまずは検査から始めましょうとの事です。

(2023年8月27日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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