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引退・中田翔「ドラゴンズファンの声援は一生忘れない」ドラゴンズでの2年間を振り返る

引退・中田翔「ドラゴンズファンの声援は一生忘れない」ドラゴンズでの2年間を振り返る
「サンデードラゴンズ」より中田翔選手(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

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インスタグラムに不意にアップされた、背番号6の背中を見せたコメントのない投稿。見ていたものは報道の前に全てを悟っただろう。1783試合、1579安打、1087打点、309本塁打(2025年8月17日時点)と華々しい成績を残した中田翔選手は、プロ18年目で引退を決意した。

中田選手「満足のいくスイングができないだとか、思い通りに体が動かないというのを感じてきたなかで、これ以上チームに迷惑をかけられないとそういう決断を自分自身で下しました。」

そこに至った2年間のドラゴンズでの想いを振り返る。

『お前と純粋に野球をやりたい!』心機一転のドラゴンズ移籍の思い

「サンデードラゴンズ」より中田翔選手(C)CBCテレビ

2023年の12月ドラゴンズへ加入、フレッシュな気持ちで1から頑張りたいという気持ちでいっぱいと語り心機一転新天地での活躍を誓った。当時の立浪和義監督に『お前と純粋に野球をやりたい!お前の力を貸してくれへんか?』という言葉でスタートラインに立たせてもらったという気持ちが一番強かったと語る。当時の課題として、得点力不足解消が急務だったこともあり、ドラゴンズファンからの期待も大きくかかった。

中田選手「自分の出来ることを一生懸命やるだけ。なるようになるかな。」

余計な力が抜けたのが功を奏して、2024年シーズンは開幕4番を任され6連勝で首位に躍り出た。中田選手はその中心にいた。

その当時、平田良介氏がインタビュアーとしてこう質問した。

平田氏「打点10ってどうなの?」

中田選手「ホームラン2本より、打点10の方が少ないっすね。最低ラインは毎年100打点でやっている。これからホームランも増えてこれば。一気に3、4打点といくと思うので。まあでも少ないですね、10は。」

しかし、持病の腰痛が悪化すると打率も低迷し二軍降格となった。その時の心情は。

中田選手「(腰痛が)ここまで長引くのは初めてなので、不安な気持ちはもちろん強い。どうなるのかなというのははっきりと分からない。もう限界なのかなと考えたりもしてますから。」

15キロ減量の挑戦、腰痛との苦しい闘い

「サンデードラゴンズ」より中田翔選手(C)CBCテレビ

再起をかけた2025年オフには、トレーニングと食事制限で15キロの減量に成功した。しかし、今年5月中旬に腰痛が再発した。

中田選手「体重は関係なかったのかなと思いながらも、でも関係なかったと思いたくないですし。今いろんなことを考えている。」

そして、8月15日ユニフォームを脱ぐことを決意した。

中田選手「ファイターズに中田翔という選手を育ててもらった。そのあとジャイアンツ、ドラゴンズ本当にたくさんの方にお世話になりましたし、3球団とも個人的には大好きなチームなので、そういうチームのユニフォームを着られてすごく幸せだったと思います。はっきり言ってうまくいかなかったことの方が多かったかもしれませんし、でもそういう厳しい世界というのは承知した上でこうやって野球人生を続けてきたなかで、1つ挙げるのであればドラゴンズに対して全く貢献できなかったというのはすごく、ファンの皆さんに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいですし自分自身悔しい思いが強いという気持ち。」

―3球団でプレーして印象深かったことは?

中田選手「思い出というか、出せばキリがないんですけどドラゴンズに来て初めてお立ち台に立ったときはあの歓声だったり、自分自身の気持ちを含め特別な1日になりましたし、まさかあれが最後になると思っていなかったがドラゴンズファンの皆さんの声援というのは、一生忘れないと思います。」

「ヒーロー」というかすごい存在だった、チームメイトからの言葉

「サンデードラゴンズ」より根尾昂投手(C)CBCテレビ

共に戦ったチームメイトからはこんな声が届いた。

大野雄大投手「寂しいという気持ちが一番。翔とは年齢も一つ違いですし、昔から対戦したバッターですし、お疲れ様でしたという気持ちで、ドラゴンズに来てくれて本当に良かった。」

ブライト健太選手「グラウンドだけじゃなくて、外でも本当に可愛がってくれる方なのですごく寂しいというのが率直な思いです。都度、『お前はポテンシャルがあるんだから、しっかりトレーニングすれば、すごい選手になる!』と言っていただいて、僕の中ですごく励みになって取り組んでいます。」

根尾昂投手「本当に優しくて、ご飯に連れてってもらったりもしてましたし。ずっと『ヒーロー』というかすごい存在。」

平田コーチ「翔からもLINEで『最後に6番つけられて良かったです』と送られてきたんで、良かったなと。高校からですけど、一緒のユニフォーム着て、最後にまた同じユニフォームを着て、翔の最後を見られるのは本当に良かった。」

中田選手「力を持っている選手は沢山いますし、まだまだこんなもんじゃないでしょという選手も沢山いる。そういう子たちがこれから結果を残して、レギュラーに定着して日本を代表する選手になってもらえば僕も個人的にすごく嬉しい。この何ヶ月か二軍で過ごしてきた中でみんなが切磋琢磨して一軍に上がって結果を残すんだという気持ちを持ってやっている子が沢山いるので、尚更下の子たちに対しては頑張ってもらいたいなという気持ちも強いですし、この舞台に1日でも早く下の子たちが来れるように頑張るのを応援していきたいなと思います。」

冒頭のインスタグラムにアップされていた写真はファイターズ時代のユニフォームで、引退発表後にアップされていたのは、ドラゴンズ時代の移籍後の第一号ホームランの写真だった。引退に込められた複雑な心中と、チームメイトのコメントや、会見で語られた言葉はプロ野球チームという環境で中田選手自身が今できることを全うしようという強い気持ちが感じられた。その託された言葉に報いることができるような選手を応援していきたい。頑張れドラゴンズ!ありがとう中田翔選手!

澤村桃


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