寿命を縮める座りすぎの恐怖

2020年11月15日(日)放送 【第432回】
寿命を縮める座りすぎの恐怖

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:トラウデン直美
ゲンキリサーチャー:なすなかにし
ドクター:北里大学 教授 整形外科医 医学博士 高平尚伸
日本人は、座っている時間が世界で最も長いといわれています。さらに、在宅ワークが増えて歩く時間も少なくなった昨今、座る時間がより増えた方も多いのでは?実は、それが大問題。1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人に比べると心筋梗塞や脳梗塞の死亡リスクが高まるという研究結果もあるのだとか。そこで今回は、座りすぎがもたらすリスクと対策法を専門医に教えてもらいました。

「座りすぎ」が寿命を縮める3つの原因 ①筋肉

立っている時は、バランスを取るため全身の筋肉に適度な負荷がかかっています。一方、寄りかかって座っている時は、バランスを取る必要がなくなるので全身の筋肉がほぼ使われなくなります。筋肉の量は30代をピークに加齢とともに減少していくので、楽だからといって座り続けていると、筋肉量の減少に拍車をかけてしまうそうです。このように筋肉量が減少する状態は、「サルコペニア」と呼ばれ、転倒や骨折、さらには寝たきりにつながる危険性があります。

<下半身の筋肉減少が大病の引き金に!?>
立ったり歩いたりしている時は全身の筋肉が使われるため、血液中の糖や中性脂肪をエネルギーとして消費します。なかでも、エネルギー消費のため盛んに使われているのが、大腿四頭筋をはじめとした下半身の筋肉です。しかし、長く座り続けると下半身の筋肉が使われないため、血液中で中性脂肪が増えやすくなります。結果、知らず知らずのうちに糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まってしまうそうです。事実、1日9時間以上座っている人は、7時間未満の人と比べ、糖尿病のリスクが2.5倍高くなるというデータもあります。

「座りすぎ」が寿命を縮める3つの原因 ②血流

座った状態は、股関節周りの血管が圧迫されるため、血流が悪くなり足から心臓へ戻る血液が滞ってしまいます。さらに、その状態が続くと血栓ができやすくなってしまうのだそうです。血栓が何かの拍子で流れ出し、肺に詰まると「肺血栓塞栓症」別名エコノミークラス症候群につながってしまいます。肺血栓塞栓症の主な症状は、息苦しさや胸の痛み。最悪の場合、命を落とす恐れもあるそうです。

「座りすぎ」が寿命を縮める3つの原因 ③脳

脳は、全身の筋肉に指令を出して動かしています。ところが、座りすぎると下肢または全身に指令を出すことがほぼなくなるため、脳本来の動きが低下してしまいます。さらに、座りすぎで足の血流が悪くなると全身の血流も悪くなるので、脳の血流量にも悪影響。すると、脳の認知機能が低下し、ひいては認知症にまでつながる恐れもあるそうです。

ドクターおすすめ!座りすぎのリスクを減らす方法

先生がオススメするのは、30分に一度立って身体を動かす事。また、テレビのリモコンをテレビ台に置くなどして、家の中でもこまめに立つよう自分ルールを作るのも大切。この積み重ねが、座りすぎによるさまざまな危険を防いでくれるそうです。また、体内の水分が失われると血液の粘度が上がり、血流が悪くなるのでこまめな水分補給を心がけるのも大切との事です。

座りながらでもできる!血流をアップさせる方法

仕事中などでどうしても座らないといけない時は、座りながらできる対策法をぜひ!血流アップの効果が高い順にご紹介します。

<血流アップ効果1位!むくみ予防にも!「かかと上げ下げ」>
かかとを上げ下げすると、ふくらはぎが活発に働くので血流アップ効果が期待できます。ふくらはぎは、第二の心臓とも呼ばれ、動かす事でポンプのような働きをして血液を心臓へ力強く押し戻してくれるのだそうです。先生曰く、血流を戻すには20分に一度、30秒ほど行うと良いとの事。血の巡りが良くなって、むくみの予防にもつながるそうです。

<血流アップ効果2位「台に足を置く」>
足の静脈は、重力に逆らって血液を心臓に送り出しています。そのため、足を上げる事で重力の負担を軽くでき血流量が増加するそうです。

<血流アップ効果3位転倒予防にオススメ!「足指グーパー」>
足の指は、地面を掴むように曲がる事で身体のバランスを取っています。そのため、足指の筋肉を鍛えると転倒予防につながるそうです。血流アップ効果は薄いですが、転倒予防にオススメです。

<血流アップ効果4位 ひざ痛予防に!「ゴルフボールコロコロ」>
足の裏でゴルフボールを転がす「ゴルフボールコロコロ」は、血流アップの効果は薄いものの、ひざ痛予防にはオススメ。ボールを転がす事でひざの関節液が分泌されやすくなり、スムーズにひざを曲げられるようになるそうです。

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