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「僕も監督だったら、福永さんをセカンドにすると思う」虎視眈々と竜のセカンド奪取を狙う田中幹也の思考

「僕も監督だったら、福永さんをセカンドにすると思う」虎視眈々と竜のセカンド奪取を狙う田中幹也の思考
「サンデードラゴンズ」より田中幹也選手(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

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「忍者」と形容される巧みで芸術的な守備でファンを魅了する田中幹也選手。その影で、指定難病である潰瘍性大腸炎により大腸全摘出を乗り越えながら、身体を人一倍気遣って日々の鍛錬を重ねている。今回のサンドラの特集は、そんな田中選手がセカンドのレギュラー争い、自主トレを共にするカープ菊池涼介選手からのアドバイス、課題と目標について語った。それでは早速振り返る!

「僕も監督だったら、福永さんをセカンドにすると思う」セカンド奪取の一つの手段とは

田中選手は、昨シーズンセカンドでチーム最多103試合出場し、今季更なる飛躍を目指した。しかし、就任した井上監督からは、昨シーズン打率3割と打撃を牽引する存在だった福永裕基選手のセカンドコンバートが明言された。原因は田中選手の打率.224、本塁打2という打撃だ。そこにはレギュラーメンバーの打撃面のテコ入れをはかりたいという意図が感じられた。

「サンデードラゴンズ」より田中幹也選手(C)CBCテレビ

田中選手「僕も監督だったら、福永さんをセカンドにすると思う。打撃の面で考えても仕方がない。僕が結果を出せなかったことが全て。福永さんにバッティングで勝てって言われたら絶対無理なので、まずは自分の武器を磨いてから、他にできることを自分で考えながらやっていこうかなと思っていました。」

田中選手の最大の武器は、もちろん守備。10年連続でゴールデングラブ賞を受賞した名手、カープの菊池涼介選手と自主トレを共にして更なる高みを目指した。

菊池選手「ビッグプレーもあれば、『ここでこんな送球してしまうんだ』とか勿体ないところもたくさんあると僕は思っていて、そこを軌道修正して、こういう場面ではこういうプレーをした方がアウト取れるんじゃないかとわかってほしいと思って、いろんなことを伝えています。」

田中選手「去年僕の中で、見えないエラーがすごく多かったので、何が違うかなって考えたときにやっぱり『送球』。全然違うと思って、キャッチボールひとつでもそうですし練習見て『レベルが違うな』と改めて思いましたし、僕のレベルも上げないといけないと改めて思った。」

逆境の中、さらなる試練「有鈎骨骨折」をバネに鍛えた部分とは

そんな中悲劇が起こった。3月の春季教育リーグの実戦でファールを打った際に左手有鈎骨鉤部骨折で離脱してしまった。しかし、そこで折れることなく更なるバージョンアップを図る。リハビリ中、課題とされていた力強いバッティング力をつけるために、オフから取り組んでいた体重の増加に取り組んだ。その感触について田中選手はこう語る。

「サンデードラゴンズ」より田中幹也選手(C)CBCテレビ

田中選手「バットが振れているなとは感じますし、体重が増えたからといって動けなくはない。力強さは去年よりあると思う。」

昨年のシーズン終了時から10キロの増量に成功、5月に一軍の舞台に戻ってくるとその成果を早速発揮する。約1年ぶりのホームランでチームを勝利に導いた。ヒーローインタビューでも、今まで打ったことのないような打球と新たなスタイルに手応えを滲ませた。

「サンデードラゴンズ」より田中幹也選手(C)CBCテレビ

田中選手「去年よりも良い姿を見せられたら、僕の中では十分だと思うので。個人的にはまずは優勝したい。」

小柄で少年のような爽やかな風貌とすこしギャップのある、しっかりと落ち着いていて力強い発言
はチームのレベルアップに欠かせない存在であると改めて認識させられる。田中選手の堅実かつアグレッシブなプレースタイルを見ればしっくりくる気がする。

また川上憲伸氏からレギュラーを掴むために必要なものとして挙げられたのは、意外にも「野球脳」ということだった。

「サンデードラゴンズ」より川上憲伸氏(C)CBCテレビ

川上氏「十分野球脳はあるんですよね。レギュラー掴むためには球界トップレベルの野球脳が必要。例えば、2番を打つことが多いと思うんですけど、ランナーが一塁にいた時に、ベンチからのサインでヒットエンドランか、ランナーのスタート次第で見送って盗塁かそういう判断を任せられるような選手になってほしい。」

川上氏の指摘は、田中選手が野球における判断力が秀でているからこそ更なる精度の向上と、一点を取るためのもう一段上の智略を目指してほしいのではないだろうか。ドラゴンズファンにとって身近な例だと「アライバコンビ」と呼ばれた荒木雅博氏、井端弘和氏が想像される。攻守ともに勝つための思考を止めないようなプレーが理想形だろう。荒木氏もレギュラー定着前は打撃での非力さを指摘されていたが、最終的に2000本安打達成するレジェンドクラスのプロ野球選手となった。武器となる部分を磨きあげれば、野球という複雑な要素が絡み合うスポーツだからこそ相乗的に能力が向上することもある。どんな選手になっていくのか止まらない進化の先が楽しみである。

澤村桃


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