ドラ岡林・英智師弟対談「落ち込んでいるヒマはない!」「僕が悪役になって指摘していく!」

ドラ岡林・英智師弟対談「落ち込んでいるヒマはない!」「僕が悪役になって指摘していく!」

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

英智さんサンドラ初登場!

「あいつが捕れなきゃ誰も捕れないよな」

かつてドラゴンズを指揮し、黄金時代へ導いた落合監督から絶大なる信頼を得ていた守備職人をドラゴンズファンなら忘れることはないはず。

蔵本英智さん、現役時の登録名“英智”。

1999年にプロ入り。2012年に現役引退するまで常勝チームを支え、コーチ時代も含め23年間ドラゴンズのユニホームを着続けた“リアルブルー”がサンドラ初登場!特集では愛弟子であり、今やドラゴンズの主力として目覚しい活躍を見せる岡林勇希外野手との師弟対談が実現し、大盛り上がり!“英智ワールド”と呼ばれる独特の言い例えで迫る師匠の問いに、岡林外野手はどう答える!?

独特の世界観“英智ワールド”

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手©CBCテレビ

「昨年までドラゴンズで育成コーチをやらせていただいておりました英智と申します。本日は岡林さん、よろしくお願いします」

伏し目がちで用意された台本を棒読みする英智さんに思わず吹き出しながら“めちゃくちゃやりにくいな!ヒデさん!”と本音を漏らす岡林選手。

インタビュー開始前から独特の世界観“英智ワールド”を炸裂する英智さんに何を質問されるのか?岡林選手の表情から緊張…は全く感じられず、“いつもの感じね!”の余裕モードが漂う。

緊張感ゼロのインタビューが始まる。まず英智さんがチョイスした質問はアスリートにとって欠かすことのできない“食”。と言っても、英智ワールドというフィルターを通した質問となるわけで。

英智氏「きょうの朝食は何を?」

客観的に自分を分析できる才能

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手©CBCテレビ

岡林選手を和ますジョーク質問はここまで。英智さんの専門分野である走攻守について独特の視点で迫った。

まずは打撃。

英智氏「二年連続最多安打という目標も見えています。打撃に関して、ずっと変えていないものと、ここは変えましたという点はありますか?」

岡林選手「開幕の頃はあまり調子が良くなく、トップに入るのが遅くて、身体が先に開いていた状態でした。調子を上げるために、まずは構えの時からまっすぐに立って、胸をピッチャーの方に見せないような構えにしました。タイミングの取り方やバットの位置とかはあまり変えていません。」

7月から現在にかけて、矯正後のバッティングで感じを取り戻したと話す岡林選手。

英智さんがドラゴンズコーチ時代に岡林選手を見て、感心したこと。それは19、20歳という若さにも関わらず、自分の状態を把握する能力というか、客観的に自分自身を分析できる才能を持ち合わせている点。その積み重ねで球団記録を更新した、あの話題に触れないわけにはいかない。

悔しさにじませる記録更新ストップ

球団記録を74年ぶりに更新し、29試合まで連続安打を伸ばした岡林選手。当時の心境について聞いてみた。

英智氏「連続試合安打というのは、どう捉えていましたか?」

岡林選手「気にしないようにというか、周りが連続試合安打について言っていましたけど、自分の中では目の前の試合は変わらないと思ってプレーしていました」

しかし岡林選手も人の子。日本記録まであと4試合と迫りながら記録更新できなかった悔しさは相当あったと明かし、反省の弁を述べた。

岡林選手「どこかで打てるタイミングがあったのではないかと考えましたね」

自身について分析する岡林選手へ、おもむろに英智ワールドをぶっ飛ばす。

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手と蔵本英智氏©CBCテレビ

英智氏「29試合で止まったけど、来年は30試合まで伸ばし、その次のシーズンには31試合まで伸ばす、そんな“ブブカ方式”で、毎年自分の記録をクリアするパターンを築いてもらうと“オカブブカ”なんて呼ばれたりするかも。でもブブカなんてきっと知らないんでね、あんまりピンときていないと思いますけど」

一応説明を。
セルゲイ・ブブカとは、自身の持つ世界記録を更新し続けた男子棒高跳びの伝説的名選手である。

まさかのオカブブカ。苦笑いを浮かべ、英智さんを見つめた岡林選手。英智さんの名(迷)言について、あまり響いていない様子だったことを記しておく。

あえて僕が悪役になる

「サンデードラゴンズ」より蔵本英智氏©CBCテレビ

続いては守備。英智さんが気になったのはこのプレー。8月16日、バンテリンドームで行われたジャイアンツ戦。左中間に放ったフライを岡林選手がキャッチ。その後、二塁走者がタッチアップを図り、進塁を許したシーン。

英智氏「自分から見て、右に飛んだ打球をサードに投げる時に少し不具合が起きるという話をコーチ時代に話しましたが、今回もボールを捕りながら早く投げようとして左肩を早く構えてしまうので、投げようとする時に左肩を開きながらでないと投げられない。その場合、腕が横振りになるのでリリースポイントが合いづらいと見ていますがどうでしょうか?」

英智さんの指摘に岡林選手も納得顔で答える。

岡林選手「左中間への打球の送球は良いボールがいく時もあれば、本当に逸れてしまうボールもあるので、そこは改善しないといけないですね」

そして改善すべき点を英智さんが提案。

英智氏「できれば捕る時に左肩を外しておけば、投げる時に左肩が入ってくる。そうすれば安定した送球ができるはず」

ここで三たび“英智ワールド”が炸裂する!

英智氏「岡林選手といったら、みんな褒める方向ばかり見ているから、あんまり指摘しづらいんですよ。だからあえて僕は悪役になって指摘して行こうと思います」

いや失礼!これは英智ワールド発言ではない!いくら一流選手になったとしても指摘を受けて、さらなる高見を目指してもらいたいものである。

納得済みのタッチアウト

そして走塁。英智氏が注目したのは9月6日、バンテリンドームで行われたタイガース戦。キャッチャーがボールを逸らし、三塁を狙うもタッチアウトになった場面だ。

英智氏「僕はキャッチャーが弾いた瞬間、“全国早押しクイズ”だったら、ピンポーンとボタンを一番早く押して、“岡林!サードへ行け!”と答えてました」

これこそが英智ワールド!そんな発言にも冷静かつ、ある意味真面目に応対する岡林選手。

岡林選手「一番早く行けると思ったのは僕だと思います。早押しクイズ的には僕がコンマ1秒ぐらい早かったのかなと。自分の中ではあそこは行けると思って、止まることなく行ってアウトになったので、良しとしています」

ただ反省も忘れない。

岡林選手「ベースを回る時に、もう少し小さく回れていれば、セーフになったのかなと思います」

落ち込んでいるヒマはない

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手©CBCテレビ

そして最後の質問として誰もがそこには触れられないアンタッチャブルな質問を英智氏はにこやかな顔で言い放つ!

英智氏「どうですか?チームの雰囲気は?」

岡林選手「そっすねー。ええ…(沈黙)」

何か岡林選手が口にしようとした瞬間、手に持ってもいないストップウォッチを押す動作を見せ、遮った英智さん!

英智氏「4.53秒かかりました(笑)。大体分かりました。あまり良くないですね、おそらく」

話しやすい雰囲気を作り、バトンを岡林選手に渡すあたり、なかなかのテクニシャンである。

岡林選手「苦しい状況ではありますけど、落ち込んでるヒマはないと。何かあればその課題を克服できるように練習をするべきかなと思います」

英智氏「落ち込んでいるヒマはないと。では“落ち込んでいるヒマはない”Tシャツでも作りましょうかね」

ドラゴンズ営業の皆さん、早速デザイナー英智さんと打ち合わせをお願いします!

なんでも言い合える師匠と弟子の二人。今後とも苦しむ弟子の姿を見たら、すぐに優しい手を差し伸べて欲しいものです。

がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

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