パンのプロ達が認めるパン。それはまさに、至高の味です。悔しいけどうまい！人気パン屋さんの店主が認める極上のパンを数珠つなぎで紹介するのが「人気ベーカリーが認める！絶品パンリレー」です。今回は、愛知県の“バリバリ食感クロワッサン”と、“クロワッサン×ベーグル”の進化系パンを紹介します。
「パリッ」じゃなくて「バリッ」の秘密は層の数にあり
前回推薦された、名古屋市中区にある人気ベーカリーチェーン「ハートブレッドアンティーク」のオールハーツ・カンパニー商品企画室の城所聡シェフに、“最近食べて感動したパン”を尋ねました。
（オールハーツ・カンパニー商品企画室・城所聡シェフ）
「安城市『ボンルーン』のクロワッサン。1日にクロワッサンを400～500個作っている。個人店レベルではない量。かなり朝から晩まで頑張ってる。食べた瞬間にバリバリバリッ、ホロホロ落ちてこぼれちゃう」
お店に行ってみると、入口にはすでに行列が！店内は、平日の午前中にも関わらず大賑わい。そんな人気店「ボンルーン」を切り盛りするのが、この道25年の大場逸貴店主です。
（ボンルーン・大場逸貴店主）
「大体100種類ぐらいある。選ぶ楽しさがあるお店にしたかった。（Q240円ばっかり？）原価計算はしたことがなくて」
種類の多さとお手頃価格以外にも、お客さんを虜にしていたのが、パリパリサクサク食感のデニッシュパン。そんなデニッシュパンの中で1番人気なのが、今回推薦された「自慢のクロワッサン」です。なんと、１日500個以上売れることもあるといいます。
一見普通のクロワッサンですが、ボンルーンを推薦した城所シェフが感動したポイントが“バリバリ食感”。秘密は生地の折り込み方でした。クロワッサンは生地とバターを何層にも折り重ねて作るのですが…。
（ボンルーン・大場逸貴店主）
「普通は27層が一般的。うちは12層。折り込みが少ない分、生地とバターの厚みがしっかりある。パリッじゃなくてバリッ」
一般的なクロワッサンの半分以下の12層で仕上げるため、その分それぞれの層の厚みは倍以上に。27層のクロワッサンと比較すると、１層１層が厚く、重厚感のある断面です。そして、表面はバリッとした強い食感のクロワッサンに仕上がります。バターなど材料にもこだわっており、粉とバターの味がダイレクトに伝わりやすいクロワッサンです。
40年以上！町の人々に愛される「グルマンヴィタル」
「ボンルーン」の大場逸貴店主に、最近食べて感動したパンを尋ねました。
（ボンルーン・大場逸貴店主）
「グルマンヴィタルのクロワッサンベーグル。（Qクロワッサン？ベーグル？）形はドーナツ状のベーグル。生地はクロワッサンのよう。クロワッサンの食感、ベーグルの粉のおいしさ、両方を楽しめるパン」
愛知県一宮市の「グルマンヴィタル一宮店」は、地元民に愛される人気ベーカリーで店内イートインも朝から満席です。ドリンク代でサンドイッチなどのパンが４つも付くモーニングのコスパが良いと、遠方からもお客さんが来るほど大人気。そんな「グルマンヴィタル」のパンを作るのが、ディレクターの鈴木誠也シェフ。
（グルマンヴィタル ディレクター・鈴木誠也シェフ）
「うちの父親が焼きたてパン屋を約40年前に始めた」
約80年前「マルセパン」という学校給食などを作るパン屋さんから始まり、今では岐阜の垂井本店を始め、東海エリアに４店舗を展開する人気ベーカリーに。
自慢のハイブリッドパンは「クロワッサン×ベーグル」の良いとこどり
グルマンヴィタルで特徴的なのが、大きな石窯で焼き上げる石窯パン。高温の遠赤外線で一気に焼き上げるため、外は香ばしく、中はしっとりとした食感はここでしか味わえません。デニッシュ生地のパンも食感が強く人気商品。そんな中、今回推薦されたのが「クロワッサンベーグル」です。
クロワッサンベーグルは、ベーグルらしいドーナツ状ですが、クロワッサンのような層も見て取れます。作り方はクロワッサン同様、バターを生地で包み、折り重ねていくのですが…。
（グルマンヴィタル ディレクター・鈴木誠也シェフ）
「お店のクロワッサンは16層。もっと生地のガリッと感を出したい。4×２＝8層」
通常に比べて折る回数を少なくし、食感を強くしたクロワッサン仕立て！しかし、大場シェフが感動したのは、クロワッサンらしからぬ、バターに負けない強い粉の風味。使用しているのは香り高い国産全粒粉の小麦で、こちらを使用することで大量のバターに負けない「粉の風味」を保持しています。
さらに生地には米粉も使い、ベーグルらしいむっちり感を追加。クロワッサンらしいバターの芳醇な香りも同時に味わえるハイブリッドなパンです。プロが認める味を、１度試してみてはいかがでしょうか？
CBCテレビ「チャント！」11月28日放送より
