「うわーって歓声が上がったので、入ったのがわかった感じですね」。昨年の中日クラウンズ大会3日目。プロ14年目の小西たかのりが歴史的な一打を放ち、和合は大きな歓声に包まれた。小西たかのり選手(C)CBCテレビ前澤杯でのツアー初優勝の勢いそのままに、和合へと乗り込んだ小西。彼が叩き出したのは、中嶋常幸(なかじま・つねゆき)以来となるアルバトロスだった。和合に刻まれた歴史的一打と、ほろ苦い結末舞台は、距離は短いが罠だらけの和合コースだ。パー5の2番ホールで、小西はユーティリティの21度を振り抜いた。「風とぶつかりすぎて、ショートしてもいいとは思って打ったんで。それがいい感じに飛んで喧嘩して落ちて、本当イメージ通りに飛んだって感じですね」。この一打は、65年の歴史を誇る大会において、2番ホール史上初の快挙となった。しかし、歴史に名を刻んだ彼を待っていたのは、ほろ苦い結末だった。小西たかのり選手(C)CBCテレビ首位タイで迎えた最終日。和合の魔物が、静かに牙を剥く。風の読みが全く合わず、10番ホールでは不運も重なり3パット。「いい感じにちょっと盛り返したり、戻っちゃったりって感じですね。流れがちょっとつかめず、そのまま終わっちゃった」。結局、スコアを落として4位タイ。優勝にはあと一歩、届かなかった。ジンクスに負けたあの日を超えてゴルフ界には、不思議なジンクスがある。「アルバトロスを取ると勝ててないっていうジンクスがちょっとあったので、自分が初めて破ろうと思ってたんですけど、ちょっとジンクスには勝てなかったですね」。だが、決して立ち止まらない。愚直に反復練習を繰り返し、静かに闘志を燃やしている。小西たかのり選手(C)CBCテレビ今度こそ、和合を支配するために4月30日から、いよいよ第66回中日クラウンズが開幕する。あの日崩れた自分を超えようとする小西が、今年の意気込みを語った。「またアルバトロスが出たらいいなとは思いますが、勝ちたいというのがあるので、今度は優勝したいと思います」。その言葉には、確かな自信と決意が込められていた。今度こそ、最後の一打まで和合を支配し、王冠(クラウン)を掴み取れるか。期待は高まるばかりだ。