今年4月30日、日本最古の民間トーナメントである第66回「中日クラウンズ」が開幕する。「和合の魔物」が棲む日本屈指の難コースで、圧倒的な飛距離ではなく知略が試されるこの舞台において、最も注目すべき知性派ゴルファーが堀川未来夢だ。堀川未来夢選手(C)CBCテレビイップスからの復活昨シーズンは賞金ランキング7位、平均パット数2位という安定感抜群の成績を残した堀川だが、その裏には壮絶な過去があった。2019年頃から深刻なパターのイップスに陥ったのだ。「ハーフで5回とか3パットして、ロングパットはもう横に打ってしまうんで、もうグリーン出ちゃうんじゃないかとか」。グリーンに上がるたびに極度の緊張と恐怖に襲われ、ラウンドが終わる頃には精神的に疲労困憊になる日々が続いた。しかし、彼は逃げなかった。「必ずパターを打たなきゃいけないし、これはもう克服するしかない」と圧倒的な練習量をこなし、試行錯誤の末に新しい繊細な感覚を掴み取り、かつての弱点を「最大の武器」へと昇華させたのだ。まさに「イップスからの復活」である。堀川未来夢選手(C)CBCテレビ「無欲のマネジメント」で和合制覇へそんな堀川が導き出した和合攻略の答えは、驚くほどシンプルだった。それは「欲を出さない」こと。「120ヤード、130ヤードというのはピンを狙いたくなるんですけど、少しでもずれたときにコロコロとバンカーに入ってボギーになってしまう」。だからこそ、アドレナリンに身を任せるのではなく、自分を客観視して「おいおい攻めすぎだぞ」とブレーキをかける。押し引きを計算し、バーディをご褒美と捉え、とにかくボギーを減らして1日1〜3アンダーを積み重ねるのが知性派ゴルファー流の「無欲のマネジメント」だ。堀川未来夢選手(C)CBCテレビ「歴代のチャンピオンを見たら、その面々たちの横に自分の写真が飾られるということはすごく名誉なことだと思う。目標はもちろん優勝したいですね」と堀川は静かに闘志を燃やしている。魔物さえも味方につけるような冷静沈着なプレーで、悲願の王冠を掴み取る。