直前キャンセルは違法?タイミーを提訴
仕事や家事の空き時間に働くスポットワークが浸透してきました。その契約を勤務の直前にキャンセルされたのは違法だとして、4月21日、利用者9人が仲介アプリの最大手タイミ―を東京地裁に提訴しました。未払い賃金や慰謝料のおよそ312万円の支払いを求める内容です。スポットワークの直前キャンセルをめぐり、労働者側が組織的に仲介事業者を提訴したのは初めてです。スポットワークの直前キャンセルは違法なのでしょうか?28日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、「タイミー提訴」について、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士が解説します。聞き手は西村俊仁アナウンサーです。
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今回の件を改めて整理していただけますか?
正木「タイミーというのは労働者を募集する会社と応募する労働者をつなぐ、マッチングのプラットフォームを提供している会社です。
2021年10月から今年の3月にかけて、9人の方が飲食店などマッチングをしたが、前日など直前キャンセルをされた。それが合計135件もあった。これに対して、すでに労働契約が成立しているのに、直前キャンセルは違法だ、賃金を払ってくれと請求したのが今回の訴訟です。
一般的には、こういった場合直前キャンセルをした企業を相手に訴えるのですが、プラットフォームのタイミーを訴えたというところに特色があります」
三者の契約関係
今回の場合、どことどこが契約しているかは、見えてそうで見えてないですね。
正木「説明すると、タイミーと募集する企業と働く人、この三者がいます。日雇いの労働契約というのは募集している会社と働く人で直接結ばれます。
では、タイミーはどういう存在なのか。
企業との間では、労働者を紹介します、紹介できたら、手数料くださいとなります。さらに、給料が直接企業から労働者ではなく、タイミーが立て替え払いをします。なので、給料が確保されるという安心があります。企業との間では給料の立て替えサービスをしてくださいという契約もしています。
労働者との間では、給料即時振り込みますという契約と、企業を紹介するという契約が成立しています」
バイト情報誌と同じようなアプリだと思っていましたが、立て替え払いをしてくれるという違いがありますね。
正木「企業としても募集しやすくなります」
労働契約はいつされた?
今回の裁判のポイントは何ですか?
正木「争点は大きく二つあります。まずは、直前キャンセルが違法かに関わる部分です。募集する企業と労働者の間で直接労働契約が結ばれますと言いました。では、どの時点で結ばれるのでしょうか?これが第一の争点です。
実は昨年7月、厚労省がコメントを出していて、面接などがなく先着順で決まるスポットワークの募集の場合には、特別の合意がないかぎり、求人にユーザーが応募した時点で契約が成立したと考えられるというコメントを出しています。
では、直前キャンセルは違法ではないか?というのが今回の争点です。
今は厚労省のコメントと同じ扱いになっていますが、もともとはタイミーの規約ではマッチングの時点ではなくて、当日働くときQRコードの読み取りをしていたが、その時点で労働契約が成立するという取り扱いをしていたそうです。
なので、直前キャンセルに関するペナルティも企業側にはなかったので、こういうことが頻繁に行われていました。
ですが、厚労省のコメントを受けてこれはいけないと、タイミー側も応募した時点で労働契約が成立しているという扱いになっています」
タイミーの責任は?
正木「二つ目の争点は、そもそもプラットフォームは法的責任を負いますか?直前キャンセルに関係ありますか?ということです。
直前キャンセルをするのは企業さん自身、雇っているのも企業さん自身。そうなると、その解除が違法かどうか責任を負うのは、企業であってタイミーではない。
ここに関しては、直前キャンセルに対して企業に対するペナルティがないということでかなり横行している状況にありました。
なのでこういうサービス設計をしていたこと自体が直前キャンセルを誘発していた。だからプラットフォームとしても責任を追うべき構造だったと原告は主張しています」
乱立するプラットフォーム
同じようなプラットフォームがたくさんありますよね。
正木「いろいろ乱立しています。同じようにキャンセルも問題になったり、給料が振り込まれないとか、もともとと違う給料だったり、場合によっては詐欺サイトまであります。
直前キャンセルに関してはすでに別の裁判も起きていて、マッチング時点で労働契約が成立するという裁判例もあるので、同様の判断が出てくるのかと注目されています」
プラットフォームを選ぶ
今後どうすればこのようなことは減りますか?
正木「応募する方は、サイトの規約、掲載されている募集の内容を確認する。労働条件が違うのはそもそも違法です。そこで確認して説明を求めることがユーザー側にも求められます。トラブルがあったら労基署にも相談して欲しいです。
あと何のプラットフォームを使うか。基本的には職業紹介は許可が必要です。だから適法の許可を得ている業者かは厚労省のサイトで見ることができるので、自分が使おうとしているサイトが適法かどうか、確認していただきたいです」
(みず)
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