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映画のヒットから30年。『学校の怪談』の今

映画のヒットから30年。『学校の怪談』の今

8月16日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)は、この時期恒例となったお盆怪談特集を企画。『よみがえる「学校の怪談」』(集英社)の著者で怪談作家の吉田悠軌さんが登場し、学校にまつわる怪談について解説しました。聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサーです。

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「学校の怪談」の現在

『よみがえる「学校の怪談」』は恐怖が生まれ進化していく、学校の怪談を巡る論稿集です。
教育学や民俗学だけではなく、マンガや文芸などあらゆる視点から専門家が分析されています。

学校の怪談というジャンルは昔からあったものの、大流行したのは映画『学校の怪談』がヒットした90年代あたり。
その後、30年ほど経った現在「学校の怪談」がどのようになっているのかを振り返る1冊です。

現在は危険性の問題からか、あまりこどもの間で肝試しが行なわれる機会はなく、新しい怪談が生まれているほどでもないように思われ、以前ほどの勢いはなさそうです。

「トイレの花子さん」の起源

学校の怪談で有名なもののひとつが『トイレの花子さん』。
そのルーツは意外と古く、実は戦後には存在していたようです。

女子トイレの3番目の個室で扉越しに声をかけると返事をする、後には水が流れる音がするなど、時代を問わずさまざまなバリエーションで広まっていきました。

吉田さんによると、「花子さん」の名が資料に登場したのは70年代以降だそうですが、人伝てに聞くと、すでにその名は戦後にあったようです。

怪談については、2010年代以降は口伝いというよりもネットで広まることが多くなっています。

学校でお化けが出やすい!?場所

学校の怪談でよく出てくるのはトイレ以外にも体育館や理科室、音楽室といった場所。
やはり非日常の場所、人体模型や音楽家の肖像といったものが怖さを増幅させるのかもしれません。

例えば「1、2、3のピエロ」という話では、学校が呼んだサーカス団のピエロが、バク転に失敗して亡くなった後、体育館の倉庫に首の折れたピエロが現れるという内容です。

これも校舎から離れていて人があまりいない場所だからこそ、「お化けが出てきそう」と思わせるのかもしれません。

大学にも怪談が

「学校の怪談」の舞台は小中学校に限りません。
実は大学でも七不思議として広まっていることがあり、それぞれの大学によって個性があるようです。

大学のある地域にも拠ったり、昔、大学の校舎を軍が使用していたため秘密の地下道がある、学生運動で亡くなった人の霊が出るといった噂も。

特に歴史のある学校で噂が立ちやすいようですが、かつて後発で作られた旧制姫路高校では「(歴史が浅かったため)我が校には怪談がないので作らなければならない」という、逆転の発想のような話が出たこともあるそうです。

当時は旧制高校に怪談があると箔がつくといった考えがあったのかもしれません。
(岡本)
 

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