CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

日航機墜落事故から40年。令和の今見えてくる新たな課題とは?

日航機墜落事故から40年。令和の今見えてくる新たな課題とは?

1985年8月12日に起こった日本航空123便墜落事故、通称日航ジャンボ機墜落事故から今年で40年が経ちました。単独の航空機事故としては最も多い520人の犠牲者を出しており、二度と起こることのないよう教訓を語り継いでいく必要性が強く説かれています。ちょうど40年目となるこの日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、河原崎辰也と小高直子アナウンサーが、40年経った現在抱えている新たな課題について解説します。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

40年前の衝撃と驚き

リスナーからも事故について投稿が寄せられました。

「当時の自分はバンドに明け暮れる日々だったのですが、ライブのためたまたま飛行機に搭乗されていた坂本九さんの『上を向いて歩こう』を演奏していたことを思い出します。
音楽の素晴らしいところは、ご本人が亡くなられても作品は永遠に人の心に残るところです。今でも『上を向いて歩こう』は弾き語りをしています」(Aさん)

小高「私は当時中学生だったんですよ。そんなにニュース番組なんて見ない生活の中で、このニュースだけは映像が強く頭に残るくらい印象的で」

テレビ中継されていた救出作業を、大人たちがかたずをのんで見守っていた様子を鮮明に覚えているという小高。

河原崎「そもそも日本の飛行機が国内で落ちるっていうことが衝撃ですよね」

飛行機は世界一安全な乗り物と言われており、高度な技術と安全対策に裏打ちされた信頼性を誇っています。それでも子供心に「飛行機って落ちるんだ」と信じられないような気持ちだったと振り返ります。

現在の課題

河原崎「本当に悲しい事故だったので、40年経っても忘れるわけにはいかないという思いがありますよね」

小高「遺族の方は毎年慰霊登山もされていますね」

今年は戦後80年ということもあり、次第に語り継いでいく人たちがいなくなっていく問題をどうしたらいいのか、という部分がこれまで以上に論点になっているように感じますが、日航機墜落事故に関しても同様のことが言えます。

小高「事故から40年が経って、現在日本航空の正社員の中でも当時のことを知っている人って0.1%、たったの17人なんですって」

そんな状況の中で、事故を風化させないためにどう伝えていくべきか、という課題が新たに浮上しているようです。

小高「相変わらずパイロットの飲酒なんかが問題になっていますし」

ちょっとずつの「まぁいいだろう」や、ほんの少しの油断の積み重ねが、こういった大きな事故につながっていくということを忘れてはならないのです。

自動車も同じ

飛行機事故というと「自分が運転するわけではないし」と考えてしまいがちですが、同じようなことは我々の身近な生活にもいえるのです。

河原崎「僕も皆さんも車を運転するじゃないですか。大きかろうが小さかろうが、何かしらの事故は経験したことがあるんじゃないでしょうか」

小高「ヒヤッとしたこととかね」

自身も車をぶつけてしまった経験があるという河原崎。その時は不注意を反省しても、しばらく年月が経つとつい同じような状況を起こしてしまいがちだと感じているそう。

河原崎「運転って簡単じゃないですか。エンジンかけてギア入れてアクセル踏んでハンドルひねったら動くんですけど、1トン以上の鉄の塊をある程度の速度で走らせているという基本的なことをやはり忘れるべきではないと思います」

自分にできることは?

河原崎「戦争も80年経って、平和になったことによって忘れていくというのは、ある意味では素晴らしいかもしれない。でも忘れられることで軽んじられてはいけない」

誰も戦争を望む人なんていないはずなのに、一向に悲しい出来事がなくならないと嘆く河原崎。飛行機事故と同じで大きなスケールの話だと思わず、一人ひとりが個人的なことに落とし込んで考えていかなくてはならないと語ります。

小高「自分が飛行機に乗る時って大抵浮かれてるわけですよ。でもやっぱり衝撃を覚えたあの時のニュース映像や、大人たちの反応を思い出すんです」

楽しい旅行のさなかでも、事故のことを思い返して非常口の場所や救命具の使い方を確認するようにしていると小高。

小高「こうやって自分の中に戒めとして落とし込んで、乗客側も何を気をつければいいのかを考えないといけない」

戦争も飛行機事故も同じです。悲しい出来事を決して忘れず、一人ひとりそれぞれができることを考え、行動する。その積み重ねが平和で笑顔溢れる未来に繋がっていくのではないでしょうか。
(吉村)
 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP