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認知症を患った父とその息子の愛の映画『父と僕の終わらない歌』

認知症を患った父とその息子の愛の映画『父と僕の終わらない歌』

超高齢化社会を迎えて人生の後半を明るく元気に過ごすにはどうしたらいいかを考える、CBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』のコーナー「終活のつボ」。6月2日の放送では、小高直子アナウンサーがつボイノリオに認知症にまつわる映画を紹介します。

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実話がもとの映画

先日、歌手の橋幸夫さんが認知症であることを公表したことに対し、番組にリアクションが寄せられました。

「橋幸夫さんが認知症を公表されたことで私が思い出したのはこの映画です。海外での実話をもとに製作された映画『父と僕の終わらない歌』。
歌を歌い続けることで、ご本人も周りの人も最後まで幸せを感じながら過ごせるようになるといいですね」(Aさん)

実際にこの映画を観たという小高。
『父と僕の終わらない歌』(監督:小泉徳宏)は、寺尾聰さんが主演ということで話題となっています。

2016年にイギリスでアルツハイマー型認知症を患った男性。その息子が車の中で父が歌う姿を撮影した動画をアップしたところ、話題を呼んで再生回数6000万回を超えました。
それをきっかけにこの男性は80歳でCDデビューを果たしたという実話が基になっています。

ファンタジーとリアルの配分

今回の映画は、日本の横須賀を舞台に変え、音楽がつなぐ家族の愛の物語として描いています。お父さん役に寺尾聰さん、息子役に松坂桃李さん、寺尾さんの奥さん役に松坂慶子さんという配役です。

小高「本当に寺尾さんと松坂桃李さん親子の演技が絶妙でした。監督さんによると、実話自体がおとぎ話みたいにできすぎているので、逆にリアリティを持たせて、ファンタジーとリアルの配分に気を使ったそうです。
その通り、その配分が絶妙で、それを見事に体現しているのが役者陣です。

大筋はそのままですが、認知症がどんどん悪くなっていくのもリアルに描いています。忘れっぽくなったり、外に行くのもありますが、ものすごい暴力が始まります。それもアルツハイマー型認知症のひとつの症状です。

そして、こどもに今まで言ったことのない、言ってはいけないことを言い放ってしまいます。とてもつらいシーンもあります。

ただその中に流れている家族のあたたかい雰囲気というのが非常に素敵に描かれていました。リアリティも感じられるし、見やすくもなっていました」

リスナーからの感想

すでに見た方も多いようです。

「主演の寺尾聰さんの歌が素晴らしくて、まるで息をしているかのごとくの歌声でした。松坂桃李さんも表情から心の揺れ動きが表現されていて感動しました。

私の母もアルツハイマーの初期はこんな感じだったし、日々変わる症状についていけない時期があったのを思い出しました。ロビーに出るとものすごい人でした」(Bさん)

「寺尾聰さんの歌はさすがです。劇中内で流れるジャズに癒されました。その反面アルツハイマーの父と向き合い、苦しむ家族の姿には心が痛みました。

介護の現場、デイサービスでたくさんの認知症の利用者さんを見てきました。ご家族の大変さも見てきました。いずれ訪れるかもしれない現実に覚悟を新たにした映画でした。

自分がそうなるかもしれない時は『息子よ、よろしく!』という感じです」(Cさん)

最後に残るもの

しかし、映画ではつらいことだけを描いているわけではありません。

小高「寺尾聰さんの演技を見てどんどん症状が出てきて、自分というものがわからなくなるんですが、生き方とか、やさしさとか、おおらかさとかが一番最後には残っていて、それがしっかり家族の絆としてあり、息子もお母さんもこのお父さんを支えていくんです。
認知症になったとしても、それまでの生き方がすごく大事だと考えさせられました」

つボイ「上映中ですので、ぜひみなさんご覧ください」
(みず)
 

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