目からウロコ!初「日傘」効果に驚く夏、あなたはどんな熱中症対策していますか?

各地から梅雨明けの便りが届き始め、早くも2025年(令和7年)は本格的な夏を迎えた。そんな中、筆者も初めて日傘を持つことになり、早速使い始めたのだが、その効果に正直驚いている。
初めて持った日傘

日傘については、2019年(令和元年)に環境省が、熱中症への対策として「男女問わず活用することが望ましい」として、使用の呼びかけを行っている。しかし、雨の日に雨傘を差すと片手がふさがってしまう不便さを味わっているだけに、晴れた日にわざわざ片手を日傘のために使うことに、正直言って抵抗感があった。これまで家族から勧められても、日傘を持たなかった理由である。しかし、このほど職場の仲間から、中日ドラゴンズのマスコットキャラクター「ドアラ」仕様のUVカット日傘を贈られた。これが使い始めのきっかけとなった。
15度も温度が下がる
日傘と雨傘の兼用なので、外出時は常に持ち歩いている。早くも猛暑到来のため、晴れた日に開いてみたら、暑さの体感がまったく違うのである。今さらながら、直射日光を遮ることがこれほど効果的なものとは思わなかった。株式会社ウェザーニューズのインターネット「ウェザーニュース」が公開している「日傘の効果」によると、真夏の昼下がりに日射しが当たる頭髪の温度は55度前後に上昇するが、日傘を使うと40度前後とのこと。一気に15度も下がるのならば、効果てきめんと言えよう。
男性にも広がる日傘
株式会社インテージが、全国15歳から79歳の男女5,000人を対象にした「猛暑」についての調査結果が発表された。それによると、この夏の暑さ対策として最も多かったのは「エアコン(冷房)の使用」で、男女共にトップで64.8%の人が挙げた。実は、これに続く女性の第2位は「日傘を差す」で52%、過半数からその回答があった。日傘は、長い間“女性が使うもの”というイメージや傾向があったが、今回の調査では男性の1割近い8.3%が「日傘を差す」と答えている。「ウェザーニュース」の調査でも、男性の10%が日傘を所有しているという結果だった。
屋内ではエアコン利用

さて、外出の際は日傘を活用するとしても、猛暑から体調を守るためには、屋内においても注意しなければならない。インテージの調査によると、エアコンの利用率は高齢層ほど高くなっており、ここ数年、「適切にエアコンを利用しましょう」という呼びかけが、着実に広がってきていることが分かる。昨年夏の暑さ対策についての問いに、70歳以上の場合、8割以上の人がエアコンを「使用している」と回答し、「使用していない」という人は15%ほどにとどまっている。
暑さは“異常”でなく“日常”
それでも、70歳以上でエアコンを使わない人に理由を尋ねると「窓を開けたり扇風機で十分」という人が4割もいた。また1割近くが「暑さを感じずエアコンは必要ないと思うから」と答えている。世代を問わず、全体では「電気代が気になる」という回答が最も多く、依然として「エアコンはもったいない」という感覚は根強い。しかし、ここ数年の暑さは、すでに尋常ではない。西日本の梅雨明けのスピードは、異常とも言える早さであり、でもその“異常”がすでに“日常”になっているほどに、地球環境は変わってきている。暑さによるダメージは無意識の内に忍び寄る。身を守るための“発想の転換”は、必要かつ急務と言わざるを得ない。
「自分の身は自分で守る」

インテージの市場アナリスト、依田亜矢香さんは「光熱費など気にしながらも猛暑対策費の予算は前年よりも2桁近く増加している。それは、今年の夏は例年以上に厳しいという危機感の表れ」と分析している。と同時に、東京都が夏の水道料金の軽減を決めたような公的な援助や対策が、暑さに対しても必要だとしている。しかし、今すぐにできることは「自分の身は自分で守る」という、より身近なところでの暑さ対策であろう。
実は日傘も、直射日光を4割防ぐだけで、周辺に反射などする紫外線の6割は防ぐことができない。日焼け止めクリーム、さらに、こまめな水分補給も必要である。汗を拭くタオルや着替えのシャツも必要だ。薄着になって身軽になりたい夏、しかし、猛暑を前に手荷物はどんどん増えそうである。
【東西南北論説風(597) by CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
<参考>ウェザーニュース「熱中症対策におすすめの日傘の効果とは」
株式会社インテージ「2025年、猛暑・熱中症対策はどうなる?」