伊豆半島に眠る3連隧道 大地震で国道の名を外された悲しき廃道を巡る旅

2024年3月19日(火)放送
伊豆半島に眠る3連隧道 大地震で国道の名を外された悲しき廃道を巡る旅

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、廃道と遺構を愛する道マニア歴9年の渡邊美樹さんが、静岡県にある“大地震で国道の名を外された伊豆の廃道”を巡ります。※安全対策をしてロケをしています。廃道は危険ですのでむやみに立ち入らないでください。

大地震で廃道化したかつての国道135号と「黒根隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

渡邊さんと一緒に旅をするのは、プロギャルのMAAACHIRIN(まーちりん)さん。訪れたのは、東伊豆町。

(道マニア・渡邊美樹さん)
「伊豆の廃道に行きたい。トモロ岬に、昔使われていた道が今も廃道になって置き去りにされている」

古くから観光地として名高い伊豆ですが、実は火山活動が活発なエリア。そのため地震が多く、廃道になってしまった道も少なくないとのこと。その中から今回は、被災によって国道の名を外されてしまった、旧国道135号の廃道区間を探索します。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

昭和53年(1978年)、マグニチュード7を記録し伊豆半島の東部を中心に甚大な被害をもたらした“伊豆大島近海の地震”。海岸沿いを走っていた当時の国道135号は、修復不可能なほど崩落しました。そこで、もともとあった東伊豆道路が新たに国道として認定され、現在の国道135号に。かつての国道135号は廃道となりました。

(道マニア・渡邊美樹さん)
「廃道区間には、隧道が3本ある」

廃道には「黒根(くろね)隧道」「城東(きとう)隧道」「白田(しらた)隧道」が今も眠っているとのことで、2人は旧国道135号を南から北へ向かって隧道を目指します。荒れた道なき道には錆びたガードレールや標識の支柱が残っており、随所に道の痕跡が見られます。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

そして、歩くこと30分。現れたのは、昭和3年(1928年)竣工の「黒根隧道」。入口は土砂で狭くなっていますが、通り抜けることができ、隧道内には大地震で取り残された車がそのままにされています。

廃道に存在する「ハサミ石神社」の鳥居と「はさみ石」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

「黒根隧道」を通過して北上すると、廃道には不釣り合いな赤い鳥居を発見!廃道になって46年経つ場所には、「ハサミ石神社」と書かれた鳥居と、海にほど近い場所には、数十万年前の溶岩流が固まり、波の浸食を受けて形成されたという2つの大きな「はさみ石」がそびえ立っています。

地元の方の話によると、「はさみ石」はかつて多くの人が訪れるほどの名所だったそう。しかし、周囲が廃道となり訪れる人は減少。そこで、「はさみ石」を観光名所にしようと、10年がかりで新しく道を造って行けるようにしたとのこと。2年前に赤い鳥居を造り直したり、道を整備したりと今も地元の方が支え続けています。

柱状節理に浸食された「城東隧道」と素掘り部分が残る「白田隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

「はさみ石」を後にし、廃道区間を進み続けて現れたのは、昭和4年(1929年)竣工の「城東隧道」。内部は完全に埋まっており、東側の入口付近を少し覗くことができます。

(道マニア・渡邊美樹さん)
「この地質が廃道になる原因。いかにも脆そうな感じ」

地震により、隧道の上の地盤が崩落。マグマや溶岩が冷えて固まり、柱状に亀裂が入った“柱状節理”が隧道に雪崩れ込んでいるのが見えます。隧道が崩れた部分から、「ブロックを積んだ後に、鉄筋を通して固める工法だったことが分かる」と構造を垣間見たり、当時の人の頑張りが伝わったりすると渡邊さんは言います。

「城東隧道」の北には、昭和3年(1928年)竣工の「白田隧道」が存在。一部に土砂が堆積しているものの、内部は綺麗なまま保たれています。隧道の真ん中あたりは素掘りの状態で、入口付近のコンクリート部分とは違う空気が漂います。

3月19日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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