皮膚が知らせる病気のサイン…皮膚の新常識!身体を守るスーパー臓器「皮膚」を守るケア法もご紹介

2023年5月14日(日)放送 【第555回】
皮膚が知らせる病気のサイン…皮膚の新常識!身体を守るスーパー臓器「皮膚」を守るケア法もご紹介

サマリーSummary

ゲスト:高島礼子
ドクター:京都大学大学院医学研究科 皮膚科学 教授 医学博士 椛島健治
皮膚は、外敵の侵入を防ぐバリアや、内臓の異変を知らせてくれる警報機、ウイルス・細菌からの感染症を防ぐ免疫力の要など、さまざまな機能を持っているそうです。しかし、とてもデリケートで、これからの季節は紫外線によるダメージで免疫力が低下する恐れもあるのだとか。そこで今回は、身体を守るスーパー臓器・皮膚の驚きの機能や、その働きを守るケア法などを専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは京都大学大学院医学研究科 皮膚科学 教授 椛島健治 先生です。

今回のテーマは「〜身体を守るスーパー臓器〜必見!皮膚の新常識

皮膚は、外敵の侵入を防ぐバリアや、内臓の異変を知らせてくれる警報機、ウイルス・細菌からの感染症を防ぐ免疫力の要など、さまざまな機能を持っているそうです。しかし、とてもデリケートで、これからの季節は紫外線によるダメージで免疫力が低下する恐れもあるのだとか。そこで今回は、身体を守るスーパー臓器・皮膚の驚きの機能や、その働きを守るケア法などを専門医に教えてもらいました。

皮膚は身体の中で一番大きな臓器!?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

体重70kgの成人男性の場合、皮膚の表面積は畳約1畳分ですが、見えない毛穴や、汗を出す器官である汗管などのくぼんでいる部分も合わせると総面積は約25平方メートル。畳15畳分にもなるのだとか。また、皮膚の下の皮下脂肪も皮膚に含まれるため、総重量は約10kgになるそうです。

知られざる皮膚のパワー(1)外敵の侵入を防ぐバリア

<身体を外敵から守ってくれている「角層」>
皮膚は、上から「表皮」「真皮」「皮下組織」「皮下脂肪」という構造になっています。さらに、表皮の一番外側は「角層」という膜で覆われているのだとか。皮膚にセロハンテープを貼ってはがすと、テープが白くくもりますが、この白いものが角層だそうです。角層は10層ほどの薄い膜で厚さは約0.02mm。とても薄いですが、アレルゲン・細菌・ウイルスなどの侵入を防ぐ働きがあるそうです。

<「角層」は水分の流出を防ぐ働きも>
角層は水をはじく油の膜でもあり、外から入ってくるものはじくだけでなく、水分を外に出ないようにする働きがあるそうです。

<ゴシゴシ洗いがバリア機能の低下を招く!?>
薄くても多機能な角層ですが、はがれやすいという特徴もあるそうです。先生によると、お風呂で身体をこすったりした時に出てくる垢が角層。そのため、垢すりや身体を洗う時にゴシゴシこするのは、バリア機能が落ちてしまうそうです。また、年を取ると下半身が乾燥し角層がはがれやすくなってしまうそうです。

知られざる皮膚のパワー(2)感染症を予防する免疫力の要

<免疫力の要!表皮に存在する免疫細胞「ランゲルハンス細胞」>
皮膚を形成する表皮・真皮・皮下組織の三層のうち、外側の表皮には「ランゲルハンス細胞」という免疫細胞が存在するそうです。ランゲルハンス細胞が占める割合は、表皮全体の2〜5%。皮膚は身体の中で一番外界に接し、外から異物が侵入しやすい所だからこそ、免疫を高めるランゲルハンス細胞もいっぱいいるそうです。

<身体中の免疫細胞を活性化させる司令塔「ランゲルハンス細胞」>
ランゲルハンス細胞は、それぞれが突起を伸ばし合って、網目状のネットワークを形成。その突起で異物の侵入を察知すると、他の免疫細胞に伝えてやっつけさせるそうです。一方で皮膚の免疫力が衰えると、細菌感染による発疹や白癬菌の侵入によって起きる水虫、ウイルス感染による帯状疱疹や口唇ヘルペスなど、さまざまな感染症を起こす危険性があるそうです。

<皮膚の免疫力が落ちる原因は?>
皮膚の免疫力が落ちてしまう原因には加齢やストレスなどがあるそうです。さらに、これからの時期に気をつけたいのが「紫外線」。紫外線を浴び過ぎると、活性酸素によってランゲルハンス細胞のDNAが傷つき、結果として免疫力が低下し体調を崩しやすくなるそうです。

<紫外線を防ぐ基本ポイント>
(1)紫外線が強い時間帯(正午前後)の外出を避ける
(2)日陰を利用する →地面や建物の反射にもご注意を!
(3)日傘や帽子を活用する→日差しが強い日は、ぜひ男性もお忘れなく!
(4)日焼け止めを正しく使用する

<正しい日焼け止めの塗り方>
・顔に塗る場合
先生によると、クリーム状なら真珠2個分、液状なら一円玉2個分が適量。一度ではムラになる事も多いため、2回重ねて塗るのがおすすめとの事。また、額・鼻の上・両頬・アゴに分けてつけると、満遍なく塗りやすくなるそうです。

・腕に塗る場合
腕の場合は、直線を引くようにつけて手の平で螺旋を描くように伸ばすと良いそうです。

知られざる皮膚のパワー(3)病気の異変を知らせる警報機

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<皮膚は全身を映し出す鏡!?>
健康状態が悪いと皮膚に現れる事があり、皮膚の症状が目安となって病気が分かる場合もあるそうです。

<皮膚が知らせる病気のサイン(1)高コレステロール値>
コレステロールが高いと、血管からコレステロールが漏れる事があるそうです。通常は、異物を処理する「マクロファージ」が処理していますが、処理しきれなくなるとコレステロールが皮膚にたまってしまうのだとか。コレステロールが皮膚にたまると、瞼の一部が少し膨らみ、黄色っぽく変色した「眼瞼黄色腫」という症状が現れる事があるそうです。

<皮膚が知らせる病気のサイン(2)糖尿病>
糖尿病で血管に異常があると、傷の治りが悪くなるそうです。すると、よく使う手のひらや足の裏などの血管に傷ができ、それがしこりとなって動かしづらくなる事があるのだとか。また、足のすねに赤いまだら状の皮膚症状が現れるのも、糖尿病のサインの1つだそうです。

<皮膚が知らせる病気のサイン(3)肝臓の疾患>
肝硬変など肝臓に問題が起きると、異常なホルモン状態になり血管が拡張するそうです。それにより、血管がクモ状に広がる「クモ状血管腫」という症状が現れる事があるのだとか。クモ状血管腫は、顔・首・胸など、皮膚の薄い所に出やすいそうです。

<皮膚が知らせる病気のサイン(4)大腸がん・胃がん>
大腸がんや胃がんになると、内臓の上皮という皮膚のような組織が増殖するそうです。その時に出てくる成長因子が皮膚にも作用して、イボが増える事があるのだとか。イボができたからといって必ず内臓にがんがあるわけではありませんが、短期間にイボが増えて気になる場合は専門の先生に診てもらうと良いそうです。

知られざる皮膚のパワー(4)暑さ・寒さの体温調節機

<体温調節の要は「汗」>
体温調節の要となるのは、皮膚から出る汗。汗が蒸発する時に熱を奪うため、体温を低く保つ事ができているのだとか。また、汗をかけないと肌が乾燥してしまい免疫力の低下にもつながるそうです。そのため、汗をかく事はとても大切。運動して汗をかく習慣をつけると、汗をかける身体になるそうです。

<ドクターおすすめ!皮膚を健康に保つ3つの方法>
(1)エアコンを正しく使う
湿度が40%未満になると、皮膚の乾燥とそれに伴う悪影響が増えると考えられているそうです。一方、湿度が60%を超えるとカビや雑菌が繁殖しやすくなってしまうのだとか。そのため、湿度は40〜60%に保つのがおすすめ。ジメジメとしたこれからの季節も、室内での湿度コントロールに注意して快適に過ごしましょう。

(2)身体は優しく洗う
ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは、バリア機能を低下させるのでNG。人間の肌はターンオーバーで絶えず作られ、自然と古い肌は剥がれ落ちるようになっているため、肌は不要物を自力で排出してくれるのだとか。身体を洗う際は、やわらかめのタオルで優しく洗う事を心がけましょう。

(3)40℃未満のお風呂で乾燥を防ぐ
40度以上の熱めのお湯は、肌の潤いを守る皮脂膜や、細胞間脂質を溶かし出してしまい、乾燥の原因になってしまうそうです。また、急激に血行が促進されると、かゆみ成分・ヒスタミンを放出しやすくなるのだとか。かゆいからと身体をかくと角層を傷つけてしまうので、熱いお湯は避けるのがベター。そして、お風呂から出た後は乾燥する前に、外から保湿する事が大切だそうです。

(2023年5月14日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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