劇勝と完敗を現地観戦!井上竜のオールスターゲーム明け、残り試合に直言する
「前半戦終了」という言葉に錯覚してはいけない。オールスターゲームがシーズンの分岐点だったのは、まだ4月の開幕時代のこと。ドラゴンズもすでに94試合を戦い、残り試合も50を切っている。そんな“前半戦”最後の2試合を本拠地バンテリンドームで観戦した。(敬称略)
信長に負けない“激勝”

まさに“劇勝”だった。“激勝”でもいい。特別ユニホーム着用の「昇竜デー」、2026年(令和8年)は、郷土の三英傑がコンセプトで、7月26日は織田信長をモチーフにした深紅のユニホームだった。まるで広島東洋カープ?と思うように、赤く染まったスタンドで、配布されたユニホームを着て応援した。先発の金丸夢斗は丁寧な粘りのピッチング、それをリードする石伊雄太が先制ホームラン、そして、1対1の均衡を一気に破った8回裏、板山祐太郎の満塁走者一掃の決勝3ベース。ドームの竜党は“夏祭り”状態に沸いた。
前日は重苦しい完敗

時計の針を24時間巻き戻すと、ドームは重苦しい空気に包まれていた。先発はプロ1年目から22年連続の勝利を達成するなど、40歳になっても好投を見せる涌井秀章。しかし、横浜DeNAベイスターズ打線にホームランを打たれ、1点また1点と奪われていった。ドラゴンズのベンチはもちろん、スタンドで応援する我々ファンのストレスも高まっていく。試合は0対5で完敗、今季9度目の零封負けだった。疲れ切った観戦だった。
沖縄からの応援団

この日は「めんそーれ読谷デイ」として、ドラゴンズの2軍が毎年春にキャンプを行う沖縄県読谷村のスポンサーゲームだった。試合前にはグラウンドで、勇壮なエイサー踊りも披露された。入場口にいた読谷村の人たちと話をした。大挙60人ほどが来名したそうだ。沖縄を上回る名古屋の暑さに驚きながらも、心からドラゴンズを愛して応援を続ける村の人たち。そのためにも、ドラゴンズには勝利を見せてほしかった。
石伊の「スタメン捕手」継続を

2試合続けてデーゲームを観て、今後のドラゴンズに、特に2つのことを言いたい。まず、石伊雄太をスタメン捕手として、可能な限り起用し続けてほしい。涌井の相手を務めてきた加藤匠馬が2軍に行き、ようやく石伊かと思いきや木下拓哉がマスクをかぶった。石伊に出番は来なかった。その悔しさを晴らすような、次の試合での先制ホームランだった。負け続けた歳月に別れを告げるため、新時代の“正捕手”として、石伊を重宝してほしい。
信長?いや明智光秀ユニでしょう

もうひとつは、先ごろ登場したマスコット「ブラックドアラ」である。デビューした直後は物珍しさもあって注目を集めたが、この2試合は“マスコットのひとつ”として埋没しつつある印象だ。少なくとも、ライバルであるドアラとじゃれ合ってはいけない。「昇竜デー」で、ブラックドアラまで深紅の“信長ユニホーム”を着ていたことに驚いた。違うでしょう。ここは、特別仕立ての“明智光秀ユニホーム”をブラックドアラに用意してほしかった。球団による今後のキャラクター確立は、とても大切だと痛感した。アイデアを出して、もっと盛り上げるべきである。
残り50試合を切って・・・

オールスターゲーム前まで、ドラゴンズは94試合を戦った。38勝55敗1分で借金17,最下位である。7月は月間で勝ち越すなど、勢いはついてきた。しかし、交流戦が終わった時点の借金は19、それから30試合を戦って、借金は2つ減っただけなのである。実は、チームの立て直しは、まだ道の半ばである。残り試合も50を切り、もう49ゲーム“しか”ない(成績は7月26日現在)。不甲斐ないシーズンをどう締めくくるのか、来季からの戦いをどう準備するのか、ドラゴンズは目の前の大きなテーマに直面している。
本拠地バンテリンドームのチケットは、すでに多くの試合が9月21日の最終戦まで完売である。最下位であろうが、ファンの期待はまだまだ高い。球団創設90周年、それを裏切らないためにも、オールスターゲーム後の1戦1戦を心して戦ってほしい。
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。











