芸術の神髄?「ヘタウマ」なコンクリート像を東海に500体以上残した浅野祥雲
コンクリートで作られた、身の丈2、3メートルの人形。愛知や岐阜には、それがずらりと並ぶ場所がいくつもあります。犬山市の桃太郎神社、日進市の五色園、岐阜県の関ヶ原ウォーランド。手がけたのは、すべて同じ人物でした。9月9日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナーでは、松岡亜矢子が浅野祥雲(あさの しょううん)という造形家と、その作品について語りました。
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浅野祥雲の名前に笑う北野誠。心当たりがありました。
北野「犬山のあの神社。過去にロケに行ったことがあるので。これはなんや?というね」
犬山市の桃太郎神社に立つコンクリートの巨像。桃太郎が生まれる場面が、人形で再現されています。
北野「なんとも言えん、めっちゃヘタウマな人形みたいなイメージでしたね」
コンクリートの人形をペンキのような塗料で彩色しているため、つるつるテカテカでカラフルな印象です。
松岡が浅野祥雲を知ったのは、20年ほど前の『タモリ倶楽部』。名古屋在住のフリーライター・大竹敏之さんが「浅野祥雲評論家」として出演していた回でした。
以来、気になりつつもタイミングをつかめないまま。今年8月の終わりに、ようやく足を運びました。
土では大きくできない
浅野祥雲は大正から昭和にかけて、東海地方を中心に500体以上のコンクリート像を製作した人物です。明治24年、岐阜県の生まれ。実家は地元に伝わる土人形を作る職人の家系でした。
家業を継いで技を磨きますが、土では等身大の巨大な作品は作れません。なんとか大きな作品を作りたいという思いを抱き続け、晩年になってコンクリート像を手がけるようになったといいます。
作品が残るのは、北野がロケで行った犬山市の桃太郎神社と、松岡が今回訪れた日進市の五色園、そして岐阜県の関ヶ原ウォーランド。
五色園は親鸞聖人(しんらんしょうにん)の物語を、関ヶ原ウォーランドは200体で西軍と東軍の戦いを表現しています。
北野「僕は桃太郎神社でね、初めて見たとき、なんか心をわしづかみにされました。これはどう言うたらええのやろと思って」
とにかくデカい五色園の像
五色園で撮った写真を、松岡は北野に見せながら説明を続けます。
北野「デカい」
松岡「とにかくデカくて」
像の横に並んで写った1枚では、身長160センチの松岡が半分ほど。2、3メートルはあるといいます。単体で撮ると大きく見えませんが、横に人が並ぶと伝わります。
祥雲は大正に入ってから家族で名古屋に引っ越し、土人形作りから離れて映画の看板を描くようになりました。
ペンキの扱いも、この頃に身につけたのかもしれません。看板を描きながらも、もっと大きく迫力のあるものを作りたいという思いは消えなかったそうです。
草履が脱げている親鸞聖人
北野が資料に目を留めたのが、その独特な作り方です。松岡も、コンクリートで人形を作ると聞いた時は、型に流し込んでパカッと外すものだと思っていたそうです。
ところが大竹さんの資料によれば、骨組みに直接コンクリートを盛り付け、固まる前に削り出して形を整えていく手法でした。
北野「独特やな」
松岡「左官みたいな感じなんですかね」
骨組みから作ることで、頭に思い描いた自由なポーズが形になります。
五色園には、親鸞聖人が草原を駆けていく像もあります。後ろに回ると草履が脱げているなど、細かいところで作り込まれていました。
片足で立つような複雑なポーズも、この作り方だからこそ可能になったのです。
彫刻家ではなく造形家
自由な発想と作りが、思わず見てしまうヘタウマな味わいを生んでいます。
コンクリートは年月が経つと塗装が剥げてくるもの。それがまた妙な風合いになり、北野もつい見入ってしまったといいます。
祥雲のすごいところは、彫刻家ではなく、ずっと造形家と呼ばれてきた点です。
彫刻というと、美術館や歴史のあるお寺で静かに見るイメージです。祥雲の作品は顔もポーズもユニークで、同じポーズをして横で写真を撮る人もいます。
木彫りの親鸞聖人ならうかつに近づけないところを、手で触れられる親しみやすさが一番の特徴です。
珍スポットか、芸術の真髄か
熱意のこもった、純粋な作品作り。松岡はそう受け止めています。
松岡「B級とか珍スポットっていわれますけど、ひょっとすると祥雲は芸術の真髄をコンクリートで作り出してるんじゃないか」
北野「でも、珍スポットにはなってましたよね」
松岡が訪れた日も、ひとりで見に来ている人が結構いたそうです。いずれもCBCから車で1時間ほどの距離。涼しくなった頃に浅野祥雲の作品を見に行ってみてはいかがでしょうか。
(minto)
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