妄信に注意!グルテンフリーは健康にいいのか?
最近「グルテンフリー」という言葉をよく耳にします。なんとなく健康的、セレブが愛好しているというイメージがありますが、実際はどうでしょうか?1月20日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、グルテンフリーの食事に関する質問に、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くグルテンフリーの食事
39歳の男性リスナーからの質問です。
「グルテンフリーに自分もチャレンジしようと思います。グルテンフリーの食事をするにあたって、これは気をつけなければいけない、これはダメといった禁止事項はありますか?」(Aさん)
まず、グルテンフリーとはどういうことでしょうか。
吉田「グルテンとは小麦、大麦、ライ麦に含まれるたんぱく質で、パンのもちもちとした感覚とか、麺のこしを作ってくれています。このグルテンを避ける食事をグルテンフリー食事法といいます。
どうして必要かというと、セリアック病という病気があり、グルテンを摂取すると免疫力が異常をきたして、自分自身の小腸を攻撃して下痢とか腹痛を起こしたりします。
セリアック病の人は普段からグルテンを口にしてはいけない。小麦、大麦を食べなければいいですけど、普段口にするものには小麦が含まれているものがとても多いです。それでグルテンを除去した小麦であったり、パスタも販売されています」
セリアック病の日本人
日本人の場合、セリアック病にどれくらいの人が該当するのでしょうか?
吉生「セリアック病はヨーロッパ、とくに北欧に多く、日本人にはすごく少ないです。大学の研究では人口の0.05%、つまり日本人の2000人にひとりです。
少ない理由は、発病に関係している、HLA-DQ2遺伝子や、HLA-DQ8遺伝子を持つ人が日本人には少ないし、また、日本人は主食として長く米を食べてきましたけど、コメにはグルテンが含まれていないことが関係しているとも言われています。
厳密にいうと、グルテンフリーの食事が必要な人はごくごく一部に限られています。 セリアック病は検査をしたらわかりますので、小麦を食べたら下痢を起こすという人は必ず内科で検査を受けてください」
健康効果は?
グルテンフリーの食事で健康になった、ダイエットになったという話を聞きますが、実際はどうなんでしょうか?
吉田「講演会を開くと、『グルテンフリーの食事で健康になったんですよ』という話をよく聞きます。
実際そう感じている人は多いと思いますが、理由はストレスや緊張で頻繁に下痢をしてしまう病気、過敏性腸症候群の下痢型といいますが、そのうち一部の人が、小麦粉が下痢を悪化させていることがわかっています。
以前はこれもグルテンが症状を起こす犯人だと思われていました。
ただノルウェーのオスロ大学の研究で、グルテンというよりはフルクタンという別の成分が症状を引き起こしているというデータが出ています。
この場合も小麦粉を摂るのをやめたら下痢が治まるというのがありますので、それでグルテンフリーの食事法が効いた、と本人が感じるということが大いにあると思います」
本当に身体にいい?
グルテンフリーの食事にしたらニキビ、肌荒れがなくなったとか、倦怠感が解消されたという話がよくあります。スポーツ選手であれば体調がよくなり成績が良くなったという話も。
これはどういうことでしょうか?
吉田「これは医学的にいうと、主な理由はインスタント食品であったり、駄菓子には小麦粉が巾広く含まれています。グルテンフリーということで、そういったものを口に入れない食生活に切り替わる。それで血糖値や中性脂肪が上がりにくくなる。その効果が大きいと思います。
それから小麦から米、大豆に切り替わることで食生活が和食中心になりやすくて、和食の健康効果でお肌や体調がよくなるということもあります」
妄信はむしろリスク
ただし、グルテンフリーを妄信的に信頼する人に警告する吉田先生。
吉田「グルテンフリーの食品だから健康、と思いこんでいる人が結構いて、これがよくないです。そもそもセリアック病以外の人にとって、グルテンだけを抜いても健康上のメリットはほとんどないです。
市販のグルテンフリーのお菓子やパンはセリアック病の人には必要ですが、砂糖、脂肪が多いものがあります。だから普通の人がこういうものを食べて健康になるかというとまったく話は別です。
小麦を全部悪者にして、白いご飯とかパンも米粉のものしか食べませんという人がいますが、この場合、食物繊維とかビタミンB群とか鉄分が不足しやすくなるという傾向があります。やはり極端はよくないです。
あと小麦を口にしたら下痢をする人は日本人に少ないとはいえ、セリアック病の可能性があります。ただこの場合検査を受けずにグルテンフリーの食事法を始めるのはやらないでください。
どうしてかというと、先にグルテンを抜いてしまうと血液検査をしても正確な診断ができなくなることがあります。だからまずは内科で検査をしてください。
現代人の食事は小麦に偏りすぎているという問題点はあるので、米、大豆を含めてバランスよくしていく、そのくらいにとどめるのが私は健康にとって理想的だと思います」
(みず)
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