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妊娠・出産だと不戦敗?日本将棋連盟が規定見直しへ

妊娠・出産だと不戦敗?日本将棋連盟が規定見直しへ

最近、妊娠・出産における働き方の取り扱いについて、将棋界に動きがありました。妊娠・出産により女流タイトル戦が事実上不戦敗になってしまうという規定について、見直しが進められているとのことです。12月17日放送『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーが気になるニュースとして取り上げ、CBC論説室の石塚元章特別解説委員とパーソナリティの三浦優奈がコメントしました。

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対局の延期ではなく負け

これは妊娠や出産により将棋の対局ができる状態ではないと判断され、出産予定日を基準に産前6週、産後8週の計14週の間に日程が重なる対局は、対局者を変更するという規定によるもの。

つまり不戦敗の扱いとなってしまいますが、これに対して福間香奈女流六冠は日本将棋連盟に対して規定の見直しを求めていました。

主催者や女流棋士に対して、この規定は機械的に判断されると受け取れる説明をしていたことがわかり、日本将棋連盟は「深く反省しており、再発防止に取り組む」と発表しました。
連盟では新たな規定を検討する委員会を設置し、来年4月に決定する予定とのことです。

この決定に対して永岡は、うやむやにすることなくハッキリと反省の言葉を述べたことに感心し、「ある意味進んでいる業界ではないか」という感想を持ったようです。

今回、連盟が動いた理由

これに対して石塚は「対応が早かったのは良いこと」と前置きしつつ、動かざるを得なかった事情もあったと語りました。

女流棋士のタイトルは8つあるため、福間六冠は8つ中6つも獲得しているという実力がある棋士。
さらに記者会見も開いていることでニュースに大きく取り上げられたため、連盟にとっては大きなプレッシャーとなったと語ります。

また、石塚は気になる点として挙げたのが、主催の岡山県倉敷市が連盟に不戦敗になることについて問い合わせた際、「本人の了解を得ている」と答えたこと。
「本人の了解」というのが、規定で決まっているからと一方的に言われてやむなく了解したのか、それとも理解はしていないと伝えているのに、連盟がそう答えてしまったのかは不明。

こうした背景があったからか、今回は倉敷市も規定改正の申し入れを行っています。

仕事か出産かという2択はおかしい

現在はリプロダクティブ権という言葉があり、これはこどもを産むのか産まないのか、いつ産むのか、何人産むのかといったことは自由に決められるという権利のこと。

将棋に限らず、仕事を続けるのか、それともこどもを産むために仕事を辞めるのかという選択を強いられるのはおかしいという時代となっています。

ただ、将棋のタイトル戦は過密スケジュールとなっているため、実際に続けるのは難しい状況。
タイトルを獲得するには全国を1ヶ月かけて転戦しなければならず、タイトルを集めるとなると、ずっと対局をし続けなければなりません。

一方で対局を支援するスポンサーや自治体も経費が大きくかかってしまうため、対局場所や日程の変更には消極的になるという面もあるようです。

福間六冠もスポンサーやファンなどに感謝しつつ、「変えられる部分もあるのではないか」と語られています。

何よりも棋士にとって、良い環境で対局できることが大事だと思います。
(岡本)
 

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