井上竜キャンプイン!監督が“優勝を断言”した手応えの背景とは?
「優勝をめざすことを断言する」という井上一樹監督の力強い宣言で、球団創設90周年を迎えた中日ドラゴンズの春季キャンプが、沖縄の地でスタートした。新しいデザインのユニホームが、ひと足早い春の空に美しく映える。(敬称略)
逆襲への戦力は整った!
2年目を迎えた井上監督が、力を込めて「優勝」を口にした背景には、チームの戦力が整ってきたという手応えがあるのだろう。2012年(平成24年)を最後に、12球団で最もクライマックスシリーズから遠ざかっているドラゴンズ。しかし、FA宣言した柳裕也と松葉貴大が残留するなど、チームからの戦力減はない。
むしろドラフト指名の成功や新たな助っ人外国人選手の加入など、ファンから見ても期待を抱かせる顔ぶれである。もっともシーズンは長く、何が起きるか先は分からないので、あくまでも「現時点では」というクレジット付きなのだが。
金丸の「開幕投手」に期待

投打の注目選手をひとりずつ挙げる。“投”では、2年目を迎えた金丸夢斗だ。ルーキー年は、5月のデビュー以降、ほぼ先発ローテーションを守った。その投球技術は、さすがにドラフトで4球団が競合しただけのものはあり、15試合で100イニング近くを投げた。
高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表に選ばれたことから、一躍、開幕投手候補のトップに踊り出たと見る。オフの調整も順調なようで、背番号「21」への期待は高い。ブルペンでの投球が楽しみだ。
細川はホームラン量産を
“打”では、細川成也を挙げたい。現役ドラフトでドラゴンズに移籍して以降、3年連続で20本塁打以上を記録した。昨季は、井上監督の方針で開幕4番の座を石川昂弥に譲ったが、本人の内心は「4番は自分だ」であろう。
何と言っても、ライデル・マルティネスからゲーム土壇場で打った、2本の“起死回生”ホームランは、2025年(令和7年)ドラゴンズのハイライトシーンだった。本拠地バンテリンドームもホームランウイングの新設で外野スタンドがぐっと近くなる。ホームラン王と打点王を“両取り”するくらいの打撃練習を、北谷の球場でも見せてほしい。
ドラ1投手とパワー助っ人

新戦力からも“投打”の注目選手2人を挙げたい。ドラフト1位投手の中西聖輝は、キャンプ初日からブルペン入りして、力強いボールを披露した。高校時代も大学時代も、日本一を経験した右腕には、どうかケガなどなくキャンプとオープン戦を1軍で完走して、開幕からの先発ローテーション入りを期待したい。
新外国人のミゲル・サノーは、その大きな体から存在感を発揮している。メジャーで通算164本のホームランを打った強打者であり、ファンはかつてのタイロン・ウッズやトニ・ブランコのような豪打の活躍に夢を馳せる。屋外球場での打撃練習は、今回のキャンプの呼び物になるだろう。ただし、日本の野球に合うか合わないかは“ふたを開けてみなければ”分からない。チーム挙げての指導と調整が必要だろう。
休日が多くないですか?
2026年(令和8年)の春季キャンプで気になることは、今年も休日が多いという印象だ。かつて黄金時代を築いた落合博満監督時代は「6勤1休」として、ペナントレースの日程に合わせて、月曜日だけを練習休みとした。キャンプ期間中、休日はわずか3日だった年もあった。
さらに、これも去年に続いてだが、キャンプ中盤の2月11日からは連日のように練習試合が組まれて、そのままオープン戦へなだれ込む。実戦は大切だが、それによって練習時間が短くなりはしないか。サブロー新監督率いる千葉ロッテマリーンズが、初日から8時間もの猛練習をしたという報道にも触れて、ドラゴンズも質量共に負けてほしくないと願う。長く低迷するチームが浮上するためには、他球団を超える“よほどのこと”をしないといけないからだ。
厳密に言うと、井上監督が断言したのは「優勝」ではなく「優勝をめざす」こと。ただ、毎年のように裏切られ続けてきた竜党にとっては、どちらでもいい。監督に贈る言葉はただひとつ、「有言実行」に尽きる。
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。










