あなたの個人情報は600円?グーグルがプライバシー侵害で敗訴

読売新聞などによると9月3日、米カリフォルニア州の連邦地裁はグーグル社が利用者のデータを同意なく収集してプライバシーを侵害したとして、4億2,570万ドル(約630億円)の損害賠償を命じました。原告に参加したのは約1億人、つまり1人あたりの賠償金額は約600円と見込まれています。9月7日放送のCBCラジオ『河原崎辰也 いくしかないだろう!』では、日々収集され続けるデータの安全性と懸念について河原崎辰也と清水藍が語ります。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く原告1億人の大規模訴訟
誰もが利用しているスマートフォンなどのインターネット検索の裏側で、常時収集されている個人情報データ。
先日、利用者のデータを「同意なく」収集していたことについて、プライバシー侵害を巡る5年越しの訴訟の判決が下されました。
原告は訴状で、利用者がアプリの閲覧履歴や利用状況を収集されないように設定しても、グーグルは他社のアプリに自社のソフトウェアを組み込んでデータを収集していた、と指摘。
この訴訟は2020年7月に提訴され、裁判所は集団訴訟と認定。グーグルの利用者約1億人が原告に参加しています。
グーグル側は「収集した情報は匿名化されており、利用者を特定するものではない」と控訴する構えです。
河原崎「1億人が原告に参加して、グーグルが裁判で負けたということですね」
清水「すごい人数、すごい金額!」
ただし、1人のユーザーあたりの賠償金額はたった約4ドル(約600円)です。
超便利な社会、すなわち監視社会
河原崎「スマホを持った段階で、当然ながら『自分の情報は吸い上げられてるな』と感じることはありませんか?」
清水「確かに検索すると、検索した物がショッピングサイトのおすすめに出たりする」
日頃便利に利用していると、あらゆる個人情報が企業側に筒抜けになっている事実をつい忘れがち。
地図アプリを使えば位置情報、ECアプリを使えば購入履歴など、自分に紐づいた情報が世界のどこかに散らばる恐れもあります。
河原崎「フィッシングメールが来るってことは、超便利な社会になるってことは…監視社会になっていることをどこかで認識している。そんなもんだよな、と納得している」
得られる情報がだんだん偏る恐さ
清水「一応、収集された情報は匿名性があって…『清水藍がこういう物を欲している』と特定されているわけではない」
しかしこうした断片的な情報の積み重ねから個人が特定されるリスクはあります。
河原崎「サービスは基本無料じゃないですから。何かは取られる。ただより高いものはない」
ネット上のサービスを利用する際。ユーザーが同意を求められることがあります。しかし表示される長い文書を隅々までチェックするのは大変です。読んだことにして「同意する」ボタンをクリックした経験をお持ちの方も多いでしょう。
また、最近X(旧Twitter)では欲しい情報にアクセスすると、得られる情報がだんだん偏ってくると言われます。
河原崎「いろいろニュースを調べたら…外国人問題のポストばかりですよ」
清水「私、初音ミクばかりですね(笑)」
これだけ近くにいても、見ている情報が全く異なる二人。情報最適化に特化したSNSは視野を狭めることにもつながります。
利便性を推し進めるあまり、同時にいろいろなものが失われ続けている現代。
「ユーザーの購買意欲を思いのままにするために取られた情報がどこで扱われるか、わからない社会に生き続けていることは自覚したい」と戒める河原崎でした。
(nachtm)
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