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ミニストップの消費期限偽装はなぜ起きたのか?

ミニストップの消費期限偽装はなぜ起きたのか?

8月18日、大手コンビニチェーンのミニストップは、一部店舗でおにぎりの消費期限を偽って販売してことを発表しました。8月23日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、偽装の理由や組織的な関与の有無について解説します。

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23店舗でラベル偽装が発覚

大石「食の信頼を揺るがす大きな問題。平たく言うと、食品偽装ということになります」

別の産地の牛肉に「松阪牛」、別のコメに「コシヒカリ」と表示するなどの食品偽装はさまざまな企業で行われてきました。今回の件は、原材料の問題ではなく消費期限の偽装。

その内容とは。製造から数時間経過したおにぎりにラベルを貼り、消費期限を偽ったこと
東京、埼玉、大阪、愛知など7都府県・23店舗で行われたことが発覚しました。

コンビニ業界では、セブンイレブンが2万1770店舗でトップを独走状態。
2位のファミリーマートは1万5千店舗超。3位のローソンがおよそ1万5千店舗。業界4番手のミニストップは1800店舗です。

大石「やはりトップ3社と比べると、大きく水を開けられている」

製造2、3時間後にラベルを貼付

そのため、競合各社は「武器」となる特色を打ち出す必要があります。
例えば5位のデイリーヤマザキはパンの美味しさを追求。一方のミニストップが力を入れてきたのは惣菜やおにぎりでした。

大石「一番の武器だったんですけども、その武器で偽装が起きてしまった」

大石が取材したところ、通常はおにぎりを作った後5分くらいで消費期限のラベルを貼るそうです。

今回の報道では、厨房におにぎりを2、3時間放置した後、ラッピングしてラベルを貼っていたようです。
つまり、正しい製造時間が2、3時間ずれていたことになります。

さらに店頭に並ぶおにぎりのラベルの上から、もう1枚ラベルを貼っていたことも発覚。
2枚目を貼るまでのタイムラグが気になるところですが、現在調査中とのことです。

組織的な偽装はあったのか?

では、どうしてこのような偽装をしていたのでしょうか?

ひとつは「廃棄を減らしたい」という動機。売れ残りの廃棄が増えるほど売上がマイナスになるため、ラベルを張り替えて売り切ろうというものです。

また「作業効率を上げたい」という動機も。おにぎりを4つ作ってラベルを貼るよりも、50個握ってから一気にラベルを貼る方が手間がかからず、作業効率としては良いでしょう。
ただし、実際の製造時間とのタイムラグが大きく生じてしまいます。

ここで重要になるのは、組織的な関与があったのかという点。ミニストップの本部は「組織的な偽装はなかった」と明言しました。

しかし大石が関係者へ取材したところ「本部からの指示、あるいは圧力があった」という声も聞かれたとのこと。
直営店の場合、廃棄負担のある本部がおにぎりの製造量を決定しています。
「本部から廃棄量を減らすように圧力があったのではないか?」と答えたオーナーもいたようです。

現状真偽は不明ですが「調査はしっかり行ってもらいたい」と大石。

「信頼を積み上げるのは時間がかかりますが、失うのは一瞬です」

食品偽装をこれまで取材してきた経験から、実感を込めて語る大石でした。
(nachtm)
 

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