ひとりひとりが環境変動に持っておこう。グローバルアジェンダ

セミも鳴けないほどの暑い夏を迎えています。そして異常気象に悩まされているのは日本だけではありません。7月11日の『CBCラジオ #プラス!』では、竹地祐治アナウンサーが「グローバルアジェンダ」について取り上げ、「持続可能な社会っていうのを1人1人見つめ直さなきゃいけない」と訴えます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く異常な暑さは世界で
かつては涼しいとされていたヨーロッパの夏。
しかし、今やそのイメージは過去のものとなりつつあります。
近年スペインでは最高気温が46度に達し、冷房のない生活が限界を迎えつつあります。
かつては扇風機で十分だった国々も、今では熱波に怯える日々です。
この異常気象の波は、日本にも確実に押し寄せています。
連日続く猛暑日、竹地によると「夏は40度を超えるのが当たり前、という時代が目前に迫っている」と学者が指摘しているそうです。
昼間の外出が命に関わるほど危険となり、夜にしか活動できない都市生活が常態化。
ドバイなどの中東のような生活スタイルに近づいているとも言えるでしょう。
暑さで山火事発生
2025年7月8日付の毎日新聞では、「山火事多発、世界の森林焼失に拍車」と題された記事が掲載されました。
EUが支援する研究プロジェクトの分析によれば、3月に日本や韓国で発生した山火の原因は「極端な高温と乾燥」です。これはまさに気候変動の影響とされています。
森林火災はカナダやロシアなどでも増加しており、その発生率はかつてない水準に。
地球温暖化による影響は、国や地域を問わず、地球全体を巻き込む問題となっています。
グローバルアジェンダ
国境を超えた問題というと、ウナギやマグロなどの海産資源も該当します。
絶滅が懸念される生物への規制も、EUなどを中心に議論が進んでおり、食料資源も国際的なルールが必要になってきています。
他にも戦争、人権侵害、経済格差、貧困…こうした課題すべてが、国境を超えて取り組むべき重要テーマです。
これらを「グローバルアジェンダ」と呼びます。
目標からさらに遠のくSDGs
こうした世界的な課題を整理・可視化する枠組みとして、2015年の国連サミットで採択されたのが「SDGs(持続可能な開発目標)」です。
全17の目標の中には「気候変動対策(目標13)」も含まれています。
しかし、目標設定から10年が経過しようとしている今、温室効果ガスの排出量は依然として高水準を維持し、逆行する動きもあります。
その象徴とも言えるのが、トランプ前大統領の「ドリル・ベイビー・ドリル」という発言。
アメリカ国内の化石燃料の採掘に積極的な姿勢は、持続可能性を目指す国際社会の流れに冷や水を浴びせているようなものです。
自分ごととして考える
SDGsの前身である「ミレニアム開発目標(MDGs)」は、2000年に設定され、主に発展途上国の支援に焦点を当てていました。
これに続く形で誕生したSDGsは、より包括的な視点で全人類の課題を網羅するものとなっています。
現在、そのSDGsも折り返し地点を迎え、次なる枠組みづくりの準備が世界で進められています。
しかし一方で、戦争、格差、環境悪化などの課題はむしろ深刻化しているという現実も。
竹地「本当、理念を今一度見つめ直す必要がありますし、じゃあ、私たち、このグローバルアジェンダ、どうやって対応していくのが正解なのか?」
理想を実現するには、国や企業だけでなく、私たち一人ひとりが「自分ごと」として捉え、行動していくことが求められます。
(ランチョンマット先輩)
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