年金改革法案がすんなり合意、その先には大連立の話も?

5月27日、石破茂総理は年金制度改革法案の修正をめぐり、公明党の斉藤鉄夫代表、立憲民主党の野田佳彦代表と会談し、基礎年金の底上げの将来的な実施を附則に明記することで正式に合意しました。実際に底上げを行なうかどうかは、2029年に予定されている年金の財政検証の結果を踏まえて判断するとのこと。基礎年金の底上げは、就職氷河期世代などの年金額が低くなることを防ぐことが目的ですが、その対策の内容については問題となっています。5月28日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が年金改革の話から政局の話へと展開させていきました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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基礎年金のみ加入している人や厚生年金が少ない人にとっては、基礎年金の底上げはメリットとなりますが、基礎年金の半分は国が負担していて、将来的には大きな国庫負担が見込まれます。
厚生労働省の試算によりますと、底上げを実施すると2070年度には2.6兆円が新たに必要となるそうです。
せっかく年金が増えてもその財源を確保するために消費税などが上がってしまうと、元も子もありません。
7月に参院選が控えているため「自民党は年金改革の話が進んだのは意外」と永岡。
一方で石塚によれば「自民党の中でも意見が割れている」とのこと。
以前、基礎年金のために厚生年金を活用する案が出た際は「厚生年金の流用と捉えられかねず、多くの会社員などから批判され選挙に不利に働くのではないか」という理由で引っ込めましたが、今回も特に今度選挙を迎える参議院議員からは反対の意見が出ています。
ただ、立憲民主党からは「基礎年金を出すために大事なことだ」と修正案を出しましたが、自民党の案と方向性は同じで、今や少数与党となった自民党からすれば、協力せざるを得ないようです。
すんなり合意したその先には?
今回は与野党が協力して年金改革の合意に至りましたが、7月の選挙の後、政治は大きく動くという話があります。
現在の自公連立に立憲民主が加わって大連立を組むのではないか、との噂もあがっているそうですが、その理由のひとつが今回の年金改革の合意という説があります。
石塚「まさに年金の話で、えらい早く自民党案に対して立憲民主党案が修正案を出したらパパパッとまとまって、僕も今週もうちょっともめるんじゃないかと思って、今週の月曜にこの話をしようかと思ってたら、先週の金曜にまとまりそうですって言われて『え?早いな』って。
でも、立憲民主党の野田代表と自民党の石破総裁は相性は悪くないと思うんですよ、思想信条的に。
実際には大連立は簡単にいかないと思いますけど、噂として火がつく背景は年金がえらく早く合意しちゃって、国会でバチバチやるのかと思ったらそうでもなくてトントン(進んだ)。
本当なら国会の終盤って、内閣不信任決議はどうするんだとか。
一番大事と言われてたもののひとつで、立憲民主党、自民党、公明党が仲良くやらなきゃいけなくなっちゃったんで、ちょっと雰囲気が違ってる」
2029年にどうなる?
税金を下げずに国の財政をしっかりさせなければいけない点でも、野田氏と石破総理は考え方に共通点があったりと、自民と立憲が協力するというのもまったくあり得ない話というわけではないのかもしれません。
ただ、自民の右寄りの人と立憲の左寄りの人とは相容れないところがあるため、もしかすると右派の人たちが分裂して保守新党を作るのではないかという話もあります。
もちろん噂レベルの話ですので、話半分以下にとらえておく必要がありますが、大事なのは2029年の財政検証の結果により、どのような判断が下されるのかというところです。
(岡本)
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